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映画 ユリゴコロ

ポスター画像

吉高百合子、松山ケンイチ、松坂桃李が共演のミステリー映画「ユリゴコロ」を観賞

イヤミスの三大女王の一人、沼田まほかるの原作による今回の作品、イヤミスと言えば嫌な後味の悪いミステリーを指すそうですが、三大女王の一人湊かなえ原作の映画化は数多くあって、僕もほとんどの作品を観賞してますが、今回のユリゴコロは、初の映画化で青春映画に定評のある熊澤尚人監督が脚本も手掛け、今までの作品にないおどろおどろしさで迫っています。

物語は、松坂演じる余命宣告を受けた父親の看病をしながらレストランを営んでいる亮介が、恋人の失踪と父親の部屋にあった「ユリゴコロ」の手記を観たことで、亡き母親が連続殺人鬼であることを知り、同僚の女性により恋人の過去を知る中で、母親と同じ殺意の衝動が揺り起こる様と手記による父と母の過去を描いています。

前半は、殺人鬼に変貌していく吉高演じる母美沙子の行状が毒々しく描かれていて、目を覆いたくなるような時間が進みます。そのシーンで、鑑賞中に若いカップルが席を立ってしまうほど身の毛がよだつ時間でした。中盤には松山演じる亮介の父との運命的な出会いの中で、美沙子の平穏な生活がもたらされますが、後半では再び壮絶で凄惨なラストに転換、サイコパスにラブロマンス、そして運命の糸によるミステリーの巧妙さと見ごたえのある内容でした。

ユリゴコロとは、医師が少女、美沙子に診断を下したヨリドコロのない精神状態をさすのですが、彼女の一生のユリゴコロの変化に焦点をあてて観ると興味深く楽しめるのかなと思います。

来月10月には、白石一彌監督、蒼井優、阿部サダヲで「彼女がその名を知らない鳥たち」も公開される沼田かほるこ作品、湊かなえの映画化ブームに続き、沼田まほるこも加わってイヤミス作品に目が離せません。


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