待ちに待った映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を初日観賞してきました。
アカデミー賞4冠に輝く本作。特に作品賞を受賞したのは今までのアカデミーの歴史の中では異色です。なにせ、お堅い審査員がブラックジョーク満載のコメディー作品を選んだのですから、その点も見どころでした。
物語は、スーパーヒーロ・バードマンを演じたかつてのスター、リーガンはシリーズ終了後に家族も失い落ちぶれた人生を送っている。再起をかけたリーガンは、役者になることを決めたレイモンド・カーバーの小説を自ら脚本、演出しブロードウエーの舞台にたつことに。果たして彼は人生を取り戻すことができるのか。
舞台のプレビューを迎え、代役となった実力俳優が舞台を台無しにしたり、彼の背後には、過去の自分のバードマンが横やりを入れ邪魔をするは、人気の評論家にはコケおろされるは、現実と幻想次から次へと苦難がリーガンを襲います。
現実と幻想の世界が交錯する世界を、全編ワンカットと見間違う長回しで展開。作品の鍵となるのが、シリアスなブロードウエイの舞台とハリウッドのヒーロー映画。キャスティングの代役の男はハルクを演じたエドワードノートン。麻薬依存症の危ない娘は、スパイダーマンのヒロイン役だったエマ・ストーンと相反する世界が表裏一体となってのが、この作品の新鮮さを感じました。また、全編に使われる名ドラマー・アントニオ・サンチェスのドラマが小気味よく作品に緊張感を与えています。
そしてシリアスとジョークが一体なって進む中、ラストを迎えるリーガンの行動と批評に「注目するとこの作品の真意が伝わるような気がします。
しかし、予告映像で流れたナールズ・バークレーのクレイジーと名曲、朝日のあたる家は誰が考えたのか。未だ僕の謎です。