映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、代用教員と生徒の心温まる親交を描いたカナダ映画「ぼくたちのムッシュ・ラザール」です。
トロントの小学校の朝。教室に向かう少年が、教室で首をつって自殺している現場を発見。教師が生徒を現場から遠ざける中で、クラスメートの少女もその現場を見てしまいます。
子ども達のショックで心のケアと後任教師探しに追われる中で、アルジェリア移民の中年男性バシール・ラザールが代用教員として赴任することに。子供たちがショックから立ち直り徐々にバジールと打ち解けていきます。そんなバジールにも、生徒たちと同じように悲しい秘密が隠されていました。
普通の中年教師が、今の教育現場や父兄、移民の子供や母子家庭の子供など、異なる環境の中で、真摯に取り組む姿が微笑ましくもあたたかい人間の本来のふれあいを感じました。
教室での担任教師の自殺と言うショッキングな事件の中、学校生活を淡々と描きながらも徐々に解決へと導き、子供たちや同僚教師、親へと信頼の輪が広がっていく、ラストに迎える結末とは裏腹に冬のトロントの景色の中で、雪が優しく溶けて、やがて春を迎える優しさにあふれた作品でした。