フランスで、700万人の動員数を記録した感動作。映画「エール!」を観賞
ハリウッド映画と対極にあるのがフランス映画だと常々思ってます。近年、家族愛や友情にスポットをあてた作品が日本でも注目を浴びてヒットすることで、上映館も増えていて喜ばしい状況だと思ってます。そうした中で今年、東京で行われたフランス映画祭のオープニングを飾ったのがこの作品です。
物語は、フランスの片田舎で酪農を営む一家。主人公の少女ポーラ以外は両親も弟も耳が聞こえない。ポーラは家族の手話通訳をしながら生活してます。高校のクラブ活動で合唱を選択したポーラは、顧問の先生から歌の才能を見出されパリの音楽学校を勧められます。家族の声となっていたポーラは、母親の反対にあい受験を諦め家族と生きる生活を選択します。
障害を持ちながら、元気に明るく生きる家族。唯一の健常者である少女の未来への葛藤など、農業国の一面を持つフランスのお国柄とフランス人気質がストレートに表現され小気味の良い展開が心地よく、母親を演じたカリン・ヴィアールの演技とリズミカルな手話は、とてもキュート。そして何より主人公ポーラを演じたルアンヌ・エメラは、映画初デビューでフランスで注目の歌手です。その力強い歌声とナチュラルな演技に観る人を魅了してやまないと思います。
笑いと涙あふれる感動の映画を、ぜひあなたも味わってみてください。