境目は、有る。
それが産まれつきに起因するか否かは解らない。
その場で、百%で開く扉があり、スコアは0.0001%単位で算出される。必要なのは100%だ。その時、A氏は99.99%を獲得し、扉の前に行ったが…開かなかった。
「ふざけんな!」
それで、A氏はその扉を殴り。ペナルティが発生、数日のスコア獲得を禁じられた、そしてまた最初から、だ。憤慨は危険な状態にもなった、が。
その傍らで、B氏はちまちまとスコアを集め、100%を獲得し。A氏がスコア獲得が出来ない間に、扉を開けて、外へ出ていった。
A氏は何故かこの後も、この扉を開ける事が出来なかった。ペナルティは重積し、生きている間には開かないだろう…そう言う状況へ至る。
…A氏はそこで変質し、おぞましき妖怪へと歪んでいった。
…この時、誰が悪かったのだろう?扉を設置した”誰か”か、スコアをちゃんと集めなかったA氏か。B氏には非はもちろん問いにくい、しかし。A氏がB氏へ逆恨みに近い感覚を抱いたとしても、あまり不思議は無い。
現状、前に書いた「創れるね、オーダー出すからやるかい?」それは或いは今も、実現は難しい。「現在のプロにさえ利益を出す方法が確立してないから」だ、売れない方が多い。明日をも知れない中、何でわざわざ、自分の敵になる様な連中にチャンスを与えねばならない?相手は趣味でやってられるほど余裕があるが、こっちは、生活が懸かっているのだ。
…もちろんこの時、「趣味でやってる」奴らだって、何とか境遇からの突破口を開かんとしては、居るのだが。
10年前なんか酷いも良い所だろう、ただ10年前の方が、夢はまだ残っていただけだ。自分が創った作品が評価され、ヒットし、利益が。業界全体が見ていた夢でさえある、「実現しなければおかしい」或いはそんな衝動。考えてみるとバカではある、世間一般の人々が額に汗してやりたくもない事を「お金になるから」それでやっているのに、自分のやりたい衝動だけを、或いは単なるパクリか盗作に過ぎないモノを、彼らはお金に替えようとしていた訳だ。それを目指した連中が、総じて「何の成果も得られませんでした」それは、当たり前と言えば当たり前の因果で。「創作が求められているのは間違いない」のだが、需要を、当時も作家は意識し難い状況はあった。殆どの作家志願者が、前出のA氏状態だったろう。階層があり、目的に対して軍の様な構造が自然に発生し、挑み続ける中で、呟きが漏れる。
「利益が出ません」
何となく、創っていても「解る」部分はある。独裁創作、一人で何もかも!が需要として無い?のも実感はある、単に「反論は抑え込めた」”だけ”だ、或いは無視出来る程我が強いだけ。「ディレクターレベルが高い」それは、要するにそう言う意味ではあり、気づくと言えば気づくのに、気づかないで更に注ぎ込み、自身への傷口を広げるのは何故か?その辺、性格の問題ではあって、最初の99.99%で開かなかった扉に蹴りを入れる”性格”では、その先も否定はされるだろう。状況を理解し我慢し、100点を取る為に研究し地道に労苦を投入する、まあ、確かに求められているのはそう言う人材ではある、が。
「要するに忠実な兵隊が欲しい訳だ」
その感想は、至極当然の感想ではある。
働かないと、お金は稼げないのだ、ともかく自由も、水も電気も、そして安全と健康さえ”タダ”じゃない。お金を稼げないと、生活は維持出来ないその為には、その扉は是が非でも開けねばならない状況はある、が。開けられる奴にはさして苦労は無くても、空かない奴には永遠に開かない訳だ。それは不平等だろうか、性格、それは考慮すべき要素なのか、そこにある混沌は、何だか根深くある。
そう言う人々を集めても、彼ら?は仕事が出来る訳じゃないのだ。