日本経済新聞の芹川洋一さんの指摘したスペイン風邪についての記録書が公開中。原著を読みました。
東洋文庫として平凡社のホームページに期間限定で無料公開されている。
写真はスクリーンショットで当時の標語、ポスターのキャッチコピーだ。
近寄るな、咳する人に
鼻口覆え、ひとのためにも身のためにも
うがいせよ、朝な夕なに
という標語。
学生がマスクを手縫いして、貧困層に配る活動、
治療費がない貧困者に無料治療券を配る活動が紹介されている。
恩賜財団という明治天皇の遺志を継ぐ財団も積極的に貧困者への治療補助をしている。
全国の篤志家は寄付をしている。
関東大震災という大震災よりも遥かに多い死者が国内に溢れ、医療崩壊も起きていた。
その死者数は、記録簿よりもさらに多いはずという指摘もある。
日本中で病気に罹らない家はないほどのパンデミックで、世界的にも治療法はなく大量に死者が出た。
記録書には日本の数百年の疫病の記録を振り返り、世界情勢と比較し、医学的情報もまとめ、予防法の記録をまとめている。
まさに100年に一度の大疫病に対処する記録を、本気で残す報告書だ。
自粛以外に
もっと社会全体を救おうとする積極的な貧困対策が特筆することだ。
自分が休めるのは、社会のおかげだ。休めないで働かざるを得ない方々、生活弱者を救うことがコロナ克服の道だ。
先人たちのメッセージを活かすのは今だ。