今から20数年前に、記するところが在って、奈良西ノ京の薬師寺に
故高田好胤館長の講話をお聞きし、お写経させていただくために、
毎月1回大阪から通って仏教の事を学んだ事が在ります。
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在る時、故高田館長の講話の中で「父母(ぶも)恩重経」のお話をされた事が在ります。
その日、高田館長様は、教本の中の次のような歌をお話して下さいました。
「諸人よ 思い知れかし 己が身の 誕生の日は 母苦難の日」
私たちが生まれた日は、母親が大変苦労をした日であり、自分のいのちと
引きかえにする覚悟をもって出産に臨んでくれたことに、感謝をする日です。
と高田館長は、お話してくださいました。
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高田館長の講話を終えて、早速経本を買い求め、始めて「父母恩重経」の
経本を読んだとき、私は読みながら涙したことを今も覚えて居ります。
学んだことを実践しなくてはと、さっそくその年の私の誕生日に、
母へ感謝の手紙を送り、母が父と涙したと、とても喜んでくれたことを
両親が他界した今も時折思い出す事が在ります
その時ささやかですが少し親孝行できたかなと思いました。
他界するまでの数年は、私の誕生日に毎年実家の両親に私の誕生日ですと
感謝の手紙を送り、実家の近くの日本料理店から、両親に懐石料理の
お膳のプレゼントをして居りました。
その後親戚の姪が結婚した折、お祝い品の中に、お経の本をそっと入れて
姪から、お経を読んで涙した事を聞き、末永く幸せであってほしいと、
少しは姪のお役に立てたかと思って居ります。
多くの若者が生命誕生の事を学んで、両親に感謝し、孝を尽くし、
夢と希望に燃え、幸せな日々を過ごして欲しいと思って居ります。
今日も一日笑顔で感謝して過ごせますように!!
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