心に傷を抱えた男と壊れかけのロボットの旅をえがく劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』。 イギリスの作家デボラ・インストールによって生まれた小説を劇団四季が舞台化したオリジナルミュージカル。現在全国ツアー巡演中で札幌では7月6日(水)~10日(日)に大通公園に隣接する大観客の「札幌市教育文化会館大ホール」で上演です。
本日は「札幌市教育文化会館大ホール」で上演された『ロボット・イン・ザ・ガーデン』の鑑賞です。本年2月に「札幌文化芸術劇場(hitaru)」で上演された『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』」の鑑賞した際に上記公演のチラシが会場で配布されていました。その後、「四季の会」会員向け先行発売が始まると早速チケットを予約、後日郵送でチケットが手元に届きました。そして公演当日の本日、地下鉄東西線「西11丁目駅」から分散入場の開場時刻に合わせて 「札幌市教育文化会館」に向かいました。
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会場の「札幌市教育文化会館」。
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『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のチラシ。
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壊れかけたら、直せばいい。家族の絆も、ロボットも。
壊れかけのロボットとの出会いが、止まっていた男の人生をふたたび動かし始める――。
2015年に、イギリスの作家デボラ・インストールによって生まれた小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」は、世界各国で多くのファンに愛されています。日本でも小学館文庫により出版され人気を博し、2022年には「TANG タング」のタイトルで映画化されることも決まっています。
そんな物語を、劇団四季がオリジナルミュージカルとして舞台化。
各界で活躍する一流クリエイターと四季クリエイターがタッグを組み、2020年10月に開幕した本作は、その初演が雑誌「ミュージカル」の「2020年ミュージカル・ベストテン」で作品部門第1位に選出されました。
各界で活躍する一流クリエイターと四季クリエイターがタッグを組み、2020年10月に開幕した本作は、その初演が雑誌「ミュージカル」の「2020年ミュージカル・ベストテン」で作品部門第1位に選出されました。
心に傷を抱えた男と壊れかけのロボットによる、トラブルだらけの旅。
イギリスを飛び出し、アメリカ、日本……やがてふたりは心を通わせていく……。大切なものに気づき、成長していく物語を、オリジナルの楽曲と華やかな演出で彩ります。
イギリスを飛び出し、アメリカ、日本……やがてふたりは心を通わせていく……。大切なものに気づき、成長していく物語を、オリジナルの楽曲と華やかな演出で彩ります。
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大ホールの入口。チケットを手にした四季ファンの皆さんが続々と入場です。
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ホールに置かれた《タング》のフォトスポット。こちらもプログラム等のグッズ販売コーナーも長蛇の列でした。
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本日のキャスト等です。
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今回は公演が始まる5分前まで舞台の撮影が許されました。
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舞台上の《タング》。
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【ものがたり】
アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う、今からそう遠くない未来。
イギリスの田舎町に住むベンは両親を事故で失って以来、無気力な日々を過ごしていた。
妻・エイミーとの夫婦仲もうまくいかない。
そんなある日、庭に壊れかけのロボットが現れる。
「きみの名前は?」「…タング」
ロボットに不思議な魅力を感じ、ベンはあれこれと世話を焼く。
そんなベンに愛想を尽かし、ついに家を出て行くエイミー。
ショックを受けるベンだが、タングを修理するため旅に出ることを決意する。
アメリカ、そして日本へ。やがて、ある事実が明らかになる……。
イギリスの田舎町に住むベンは両親を事故で失って以来、無気力な日々を過ごしていた。
妻・エイミーとの夫婦仲もうまくいかない。
そんなある日、庭に壊れかけのロボットが現れる。
「きみの名前は?」「…タング」
ロボットに不思議な魅力を感じ、ベンはあれこれと世話を焼く。
そんなベンに愛想を尽かし、ついに家を出て行くエイミー。
ショックを受けるベンだが、タングを修理するため旅に出ることを決意する。
アメリカ、そして日本へ。やがて、ある事実が明らかになる……。
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時代はアンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う近未来。街はアンドロイドに職を奪われた人間の抗議デモで騒然としている。
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敏腕弁護士の妻・エイミーとイギリス南部の小さな田舎町で暮らすベンは、両親を事故で失ったショックで獣医になる夢を諦め、無気力な日々を送っていた。そんなある日、庭に壊れかけの「タング」と名乗るロボットが現れる。
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ロボットに不思議な魅力を感じベンはあれこれと世話を焼く。そんなベンに愛想を尽かし、ついに家を出て行くエイミー。
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大きな喪失感の中でベンはタングに内蔵されたシリンダーが割れていることに気付く。このままではタングはいつ停止してしまうか判らない。タングの体に彫られた文字から製造元がアメリカだと推測したベンは、タングの修理のために一緒に旅に出る。
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到着したアメリカ・カリフォルニアでは旧式ロボットのタングが好奇の目に晒されるなど次々とハプニングに襲われる。ベンは次第にタングに愛情を抱き心を通わせていく。
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タングの製造元と思われた会社ではプログラマーのコーリーが気さく対応してくれたが修理はできないと言われてしまう。しかしヒューストンの博物館に勤めるリジーという女性が何か知っているかもしれないと紹介してくれた。
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ベンとタングはアリゾナ州ヒューストンまでレンタカーを走らせる。タングはすっかり車の旅が気に入る。
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ベンとタングは無事にアリゾナ州のリジ―の元へ辿り着く。古い犬型ペットロボットと暮らしていたリジ―もタングの製造元のことは判らないという。そこでリジーはベンに日本の東京にいる元アンドロイド研究者のカトウを紹介する。
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ベンとタングは東京へ向かうべくレンタカーを空港へ走らせる。
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ベンとタングはカトウが住むという秋葉原へ地下鉄で向かう。ベンとタングは一瞬はぐれてしまうがタングは地下鉄に乗って上機嫌。
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やがて無事に出会えたカトウはパラオに住むボリンジャーという男がタングを作ったのではないかと推察する。一方で「危険だから決してボリンジャーを探してはならない」「イギリスに帰りタングの機能が停止するまで幸せに暮らした方が良い」と告げる。
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想いもよらぬ助言に心が揺れるベンはエイミーとの思い出の品が荷物の中に紛れていたことに気付く。エイミーとの出会いの頃を思い出し忘れていた大切なものに気付くベン。しかしエイミーに電話すると外科医ロジャーとの交際を考えていると言う。
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これまで当たり前にあった世界は周囲の人々の愛に支えられていたのだと初めて自覚したベン。タングとずっと一緒にいるために一度始めた旅を最後までやり通すことを決意しパラオのボンンジャーを訪ねることを決意する。
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パラオでタングを作ったボリンジャーはベンに恐ろしい計画を明かす。タングは殺人アンドロイド製造のための人工知能を生み出すためのロボットで手元に戻ったタングから人工知能を取り出しアンドロイドに移植しようとする。タングの機転で命からがらボリンジャーのもとを逃げ出すベンとタング・・。
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元のイギリスの家に戻ってくると妻エイミーが戻ってきている。ベンは獣医師として再び頑張る決意をしてタングも一緒に住むことになる。さらに新しい家族はタングだけでなくエイミーとベンに子供が生まれ皆で幸せに暮らす...。
というそんなお話でした。見終わった感想です。
まず舞台上のストーリー展開に少し違和感があります。最初に何故ベンがタングに興味を示すのか理解できませんでした。途中でベン自身が壊れかけたタングに自分を重ね合わせて見ていたことを独白するので何となく合点したのですが、最後のハッピーエンドは少しできすぎでしょう。ラストでエイミーがグッドタイミングで戻って来て、しかも激怒して家を出て行ったのにベンに対してだけでなくタングにもものすごく優しくなっている。原作では何らかの葛藤の末に態度が変わったのかが書かれているのかも知れませんが舞台上からは“うまく行って良かったね。ハッピーエンドでした!”で終わってしまいました。一般的にはその方が受けが良いからなのかもしれんが・・。
一方ベンとタングの旅行先々の場所の雰囲気を見事に表現した舞台美術に感心しました。特にボリジャーの住む海のまちパラオを、白い布を動かすことにより海風の動きや波間を航行するヨットなどを表現した一幕などには職人技を感じました。
最も印象的だったのは《タング》の演技です。2人の俳優が子供の背丈ほどのタングに合わせて、全編通して中腰かひざをつく体勢のままタングの足や胴体、腕、まぶたや目の角度などの表情を操作しています。タングは目の角度が変わりまぶたも開閉するように出来ているようですが、加えて顔の角度や動きの速度などを変えることでとても表情豊かなロボットになっていました。しかも2人の俳優は背後から操作しタングの顔は見えないはずの中であれほどリアルな表情をつくることができるとは!これまた職人技です。たぶん操作していつ2人の俳優さんも自分で演じた方が楽だと思っているでしょう。最優秀演技賞は間違いなく《タング》でした。
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2023年5月~11月で『リトルマーメイド』の「特別アンコール公演」が決定だそうです。四季ファンは追加情報の収集をお忘れなきように。
劇団四季『ロボットイン・ザ・ガーデン』
公演期間:2022/7/2(土) ~2022/7/10(日)
会場:札幌市教育文化会館 大ホール
「札幌市教育文化会館」
札幌市中央区北1条西13丁目
札幌市中央区北1条西13丁目
TEL 011-271-5821/FAX 011-271-1916
(2022.7.8訪問)