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札幌・円山生活日記

リサイクルアート展2023~札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)~

「リサイクルのことをもっと知って欲しい」という発想から2015年に始まった「リサイクルアート展」。“使用しなくなった素材を使って、制作者がアート作品として独創的な息吹を吹き込むことで、リサイクルの可能性や未来環境への大切な想いを伝えます”がコンセプト。10月27日(金)~29日(日)の3日間「札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)」で開催です。 

本日は「リサイクルアート展2023」鑑賞です。昨年、一昨年とも鑑賞した「リサイクルアート展」は大変見応えがあり本年も開催を待っていました。今般10月27日(金)から29日(日)の日程で札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)「北3条交差点広場(キタサンHIROBA)」で開催との新聞広告なども見て出かけました。グランプリ作品などの審査結果は28日(土)昼過ぎ発表の予定で「どれがグランプリに選ばれるのだろう?」と予想しながら楽しみました。発表された審査結果も併せて紹介します。
「リサイクルアート展2023」の会場。札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)「北3条交差点広場(キタサンHIROBA)」。
入場の際に手渡される作品紹介等のパンフレット。展示作品と作者のコメントが掲載されています(紹介文の緑字部分)。
展示会場「キタサンHIROBA」の様子。本年も全国から多くの作品の応募があり一次審査を通過した優秀作品全19作品と審査員特別賞4作品が展示されています。皆さん熱心に作品を鑑賞していました。 

<一般の部>
<グランプリ>を受賞した巴 雅人さんの作品《OCEAN by BICYCLE》。
“放置された自転車や使用済みの車椅子は、一部はメンテナンスされ再利用されますが、ほとんどは、そのままプレスされ溶かされて金属素材として利用されます。自転車や車椅子の組み立てには、多くのパイプやボルト類曲けやプレス、旋盤等、各種加工された金属部品が数多く使用され、その製造にも多くのエネルギーと時間が費やされています。また、これらの部品の形状は様々で、とても面白く、美しく見える物もあリますし、その加工技術の高さには感服させられます。そこで、捨てるにはもったいない、この加工に手のかかった部品等を活かして、作品を制作できないかと考えていました。
応募作品は、海洋生物の多様性や生物のそれぞれの形状を、これらの部品に備わっている形状をなるべく崩さす、形の面白さをなるべく活かし表現してみました。この作品から、機械加工部品への興味や親しみを持ってもらい、さらには海洋生物の生態系や、海の持続性の重要性を感じてもらえれば幸いです。”

メカニック的な作品が好きで展示作品で最も目を惹きました。ただ過去で私の好みの作品がグランプリを受賞したことが無かったので今年も別の作品かな・・とも思っていました。結果は見事にグランプリ!会場内でも多くの人の注目を集めていました。

<準グランプリ> の渡邊俊博さんの《未来の役者たち》。新たな花形になるためにリサイクルという場で再デヒューを果たしたという品々だそうです。
<優秀賞> の《Sleeping Dog 寝ている犬》。ひゆばとちゃうさんの作品。ダンボールなどで作られた眠っている犬。平和な表情が良いです。
<優秀賞> 玉桜AKEさんの作品《天馬 牛乳パックだって空を飛びたい 》。牛乳パックを輪に切り紙片(約1:4)を作りプロックの様に組む技法とか。
<優秀賞> 林誉之さんの《年輪の宇宙》。自転車の廃タイヤに残された様々な溝、トレッドバターンを使って宇宙や地球の公転、自然の循環を感じるような大木の年輪を表現したいと考えたという作品。「エコ」な乗り物である自転車の廃棄物を使って見事な文様を描き出していることから〈グランプリ〉候補の一つではないかと思っていました。
<優秀賞> 多賀直さんの作品《avata》。
古紙や木の廃材などで人形の原型をつくり古着を着せて漆で固め、固まった後に原型を取り除いたそうです。
<優秀賞> 名古屋学芸大学 産業廃棄物ファッションチーム(7名)の作品《きばんを纏う》。電子機器の廃棄物である基盤にもう一度スポットライトを当てるため、リサイクルをお洒落とすることで身に纏えるドレスに仕立てることにしたという作品。よく見ましょう。基盤デザインのドレスです。

<高校生の部>
高校生の部<グランプリ>は京都先端科学大学附属高等学校クラブサンビア(6名)による作品《ヒューマンコロ》。 
“破棄されたパソコンや電子機器の基盤や部品で覆われ、情報を纏ったフンコロガシ(人間)は、社会が創リ出した糞(社会的地位、評価)をつかみとると、それを守り、築いていきたいが為に働き、包み隠そうと転かし続ける。糞を覆い尽くした球の表面は、文字や絵を描く筆の毛(動物の毛、イタチ類)であり、文明によって人間が生み出した情報伝達の道具でもある。フンコロガシが太陽の化身と言われるように、人も大地の化身となって地球のあらゆるところで人生を転かし、転がされ、大きな球を光らせて、歩いているのてある。”立派なグランプリ作品です。
<優秀賞> 久米りりあさんの作品《円》。「円満」「永遠」を意味する円形を生死や人の人生を表す紅白で表現したという作品。素材は段ボールなど。
<優秀賞> 淺野雅博さんの作品翼《翼に向日葵をのせて・・・この地から世界へ》。 介護施設でのボランティア活動からSOSを発信している世界中の誰かの心に寄り添える活動を続けていきたいと考えるようになり、その気持ちを作品で表現したそうです。
<優秀賞>二瓶 優生さんの作品《大根》。 
“たくさんの人に見て、笑って、楽しんでもらえる作品にしようと思い、大根というなんとも平凡でありながらもどこか力強さを感じさせる野菜に肉体を持たせ、見た目のインパクトにこだわりました。この作品を見た誰かが、家族、友達、恋人、知リ合い、誰でもいいのです。でも誰かに、こんな作品を見たんたよ、と話したくなるような、記憶の片隅に残しておいてもらえるようにつくりました。”・・私的にグランプリを差し上げたくなる作品です。

<中学生の部>
<グランプリ>は淺野友理佳さんの⦅繁栄と滅亡》。受験勉強で地球環境問題を学び、人間と恐竜とが同じ末路を迎えてしまうのではないかと心配になったことから衰退していく恐竜が何かを訴えている様子を作成したそうです。

<優秀賞> 赤井川中学校文化部(7名)の《Hope for the future ~救えるのは私たち~》。人の手によって汚染された海で苦しんでいるクジラとそれを改善して明るい未来を目指そうとする都市のようすを作成したという作品。
<優秀賞> 竹嶋義生さんの《僕のもう一つの顔》。“普段の自分とは全然違う自分をイメージして作った”そうです。

<優秀賞> 友森大地さんの《こうしちゃいられない》。“可愛いなまけものたちの住む自然を守る為に、僕たち人間はもっとスビードをあげて対策をしなくてはいけないと思い、作品をつくリました。”

<小学生の部>
<グランプリ>青田宗一郎さん(4年生)の《リサイクルプラスチック軽量ロボット》。“プラスチック容器なとを再利用してロボットの各バーツを作成し合体しました。”



<優秀賞> 相馬 曜さん(4年生)《生きた化石》。リサイクル品の色をそのまま残して、絵の具などで色をぬらないことに拘ったそうです。

<優秀賞> 樽美 成さん(2年生)の《ごみをたべたにじいろのうみ》。“ぼくは海がすきです。でも、海にごみがあるとかなしい気もちになります。ぼくがひろったごみで、かっこいいクジラといけてるマンボウをつくりました。”


<優秀賞>瀬 千壽さん(2年生)の《おしゃれな大きな魚⦆。“今年の夏キャンプで、海で拾ったゴミや貝殻、家のゴミで、しっぽが三日月の、おしやれなかわいい魚をつくリました。”

<審査員特別賞>は、多くの方が応募されたということで、1つでも多くの賞をあげたいという審査員の意見を受け設けたもの。審査委員長を除く4名の審査員の方が、各部門の入選作品を除いた全応募作品の中からそれぞれ1点ずつ推薦したものが受賞されています。 

<永井賞>田村陸さんの⦅rejected phantom》。“今作ではリサイクルされることができない衣類を「リサイクルされない存在=成仏・転生できない存在」として擬人化し、亡霊として表現した。タイトルの「rejected phantom」は、社会のリサイクルシステムから受け入れられなかった、拒絶されてしまった存在達であることを意味している。”


<菅原賞> ゴミコレプロジェクトによる《ゴミコレ吹上浜2023_B(個別作品名1、人と海の協働/2、優しいプラスチック/3、S.O.S.S(Spark off Slack SDGs)) 》。
《3、S.O.S.S(Spark off Slack SDGs)》のトップスのメイン素材はライター。下半身は海洋漂着ゴミの約半数を占める魚網。


<三浦賞> 大熊馨さん(小学4年生)の《竜》。身の周りのあった掃除機のビニールやお節料理の飾りなど捨てられるもので作ったという竜。小学生らしい素朴な作品。

<引地賞> MACKEYさんの《会話が生まれる鞄》。“私が6年半をかけて集め、使用許可を頂くことができたオリシナルの図柄の米袋たちと車のシートベルトを使い、いつでも、誰でも、どこででも、生活の中に溶け込み、始められるリサイクルの靴を製作しました。”

以上で鑑賞終了。本年の「リサイクルアート展」も中身の濃い力作揃いでした。というよりも毎年毎年パワーアップしているようにも思えます。良いものを見せていただきました。ありがとうございます。

「リサイクルアート展2023」
開催日時 2023年10月27日(金)〜10月29日(日)
会場 札幌駅前通地下歩行空間 北3条交差点広場(キタサンHIROBA)
主催 リサイクルアート展実行委員会 

「リサイクルアート展実行委員会」
札幌市中央区北1条西3丁目3-20時計台スクエアビル7F
TEL.011-290-1112 FAX.011-290-2525
電話受付/月~金曜日(祝日を除く)9:00~17:00
https://recycle-art-exh.jp/
(2023・10・30)

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