2020年に創業60周年を迎えた「サンリオ」。450以上のキャラクターを生み出したその歩みは、今や世界で共通語ともなった「カワイイ」文化の歴史そのものです。「北海道立近代美術館」で開催中の「特別展 サンリオ展‐ニッポンのカワイイ文化60年史」では多くのキャラクター関連グッズや出版物、デザイン画などの資料により「サンリオ」の歩みと「カワイイ」に込められた想いを紹介しています。
本日は「北海道立近代美術館」で2月11日(土)から4月2日(日)までの予定で開催中の「特別展 サンリオ展‐ニッポンのカワイイ文化60年史」の鑑賞です。今回初めて知ったのですが今や世界的企業となった「株式会社サンリオ」は山梨県庁の職員だった辻信太郎氏(現同社代表取締役会長)が、山梨県の物産である絹製品を販売する同県の外郭団体だった『山梨シルクセンター』を株式会社し創業したのが始まりだそうです。その本業は早々に失敗し小物雑貨の販売に転じた後、きれいでかわいいイラストを付けることで売れ行きが大きく伸びることを知ったことが興隆の始まりだとか。我が家の子供たちが成長する過程で知らないうちに身近にあったキャラクター類を生み出してきた同社です。その歴史と数々のキャラクターに込められた「サンリオの想い」を鑑賞してきました。会場は“カワイイ”を連発する女性たちで大盛況でした。
「北海道立近代美術館」東門。
「特別展 サンリオ展‐ニッポンのカワイイ文化60年史」のチラシ。
“ハローキティやマイメロディなど、これまでに450以上ものキャラクターを生み出してきたサンリオ。60年を超えるその歴史は今や世界共通言語ともなった「カワイイ」文化の歴史そのものといっても過言ではありません。本展ではグッズや出版物、デザイン画など貴重な資料によって創業からの歩みをたどるとともに、時代を超えて愛され続ける数々のキャラクターにこめられた「サンリオの想い」をお届けします。 ”
「北海道立近代美術館」ロビー。
ロビー中央には本展のシンボルとなるアート作品・増田セバスチャン氏・作の「Unforgettable Tower」が展示されています。
展示会場内は写真撮影OKです。
「 #1 The Gebinning of KAWAII(かわいいの始まり)」
展示会場内は6つのテーマに別れています。先ずは「 #1 The Gebinning of KAWAII(かわいいの始まり)」の会場。
辻信太郎氏(現同社代表取締役会長)が株式会社として創業した『山梨シルクセンター』(1973年4月に商号を株式会社サンリオに変更)は1962年に「いちご」のデザインを入れた雑貨を発売し大成功。以後本格的にキャラクター商品の開発を始めたとか。
当初のキャラクター商品は外部のデザイナーに依存。1965年には水森亜土氏デザインのキャラクター「亜土ネコミータン」を使用した商品などが人気商品となったそうです。
その後はキャラクター制作を自社制作に変更。展示は社内決済用に描かれたマイメロディの貴重な原画。
1970年代に入ると「サンリオ」は出版事業も始め定期刊行物としては『いちご新聞』を1975年に創刊(後掲)。やなせたかしさんが編集した『詩とメルヘン』にはブレイク前の「あんぱんまん」も登場。
さらに1976年に創刊された『リリカ』(少女漫画雑誌。1976年11月号 - 1979年3月号)には錚々たる大漫画家が参画。上は手塚治虫氏の『ユニコ』。
「#2 SANRIO Characters(サンリオのキャラクター)」
キャラクター制作を自社制作に変更した後「サンリオ」が生み出した「#2 SANRIO Characters(サオリオのキャラクター)」の会場。
会場中央にはハローキティが鎮座。人気のフォトスポットです。
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同じく1974年に誕生したハローキティ。翌年3月からキャラクター商品を発売したとか。
マイメロディ | (1975年誕生)。 |
リトルツインスターズ | (1975年; | 通称キキ&ララ)。 |
ハンギョドン(1984年)。
1980年代には漫才ブームの影響もあり「おとぼけキャラクター」が人気に。最下段左のけろけろけろっぴは「サンリオキャラクター大賞」の第5回(1990年度)の1位を受賞したそうで我が家にもたくさんグッズがありました。
1990年代になっても新キャラクターは続々登場。ポムポムプリン(1996年)。
「#3 Social Communications Business」
「#3 Social Communicatuons Business」の会場。
1971年には「サンリオ」直営店「ギフトゲート」の第一号店を新宿区に出店(現・新宿ギフトゲート)。
1990年、東京・多摩に「サンリオピューロランド」がオープン。
定期刊行物として1975年に創刊された『いちご新聞』は現在も全国のサンリオショップやコンビニなどで毎月10日に発売され「サンリオ」キャラクターや関連グッズの最新情報などを掲載。
「#4 Hello KITTY Milestines(ハローキティ ヒストリー)」
「#4 Hello KITTY Milestines(ハローキティ ヒストリー)」の会場。
ハローキティの秘密。
ハローキティに口が無い訳。
世界に新出するハローキティ。
レディ・ガガが着用したとされるハローキティ・ドレスのレプリカ。
「#5 Characters×ART」
「サンリオ」キャラクターと多くのアーティストの共演です。
イラストレーター・ホラグチ カヨ氏・作《make someones day)》。
彫刻家・森貴也氏・作《脱皮するキティ》(手前)と《空飛ぶいちごの王様》。
彫刻家・はしもと みお氏・作《My Favorite place》(奥)及び竹藝家・中臣一氏・作《マイメロディの面影》。
「#6 KawaiiShaping the Future Massage from SANRIO(カワイイが作る未来~サンリオからのメッセージ」。
最後の展示コーナー「#6 Kawaii Shaping the Future~ Massage from SANRIO(カワイイが作る未来~サンリオからのメッセージ」の展示会場。
フォトスポットです。
会場に掲げられていた「エピローグ」(サンリオからのメッセージ)です。
“ハローキティのリポンは、世界中の人たちを結ぶなかよくのシンポルだと言れています。そのリポンに平和の願いを込めて、サンリオは60年の間、メッセージを発信してきましたが戦争のない平和な世界はまたできていません。今この時点でも、また世界のどこかで紛争が続いています。
ハローキティがこの世からいなくなる時って、どんな時でしようか?2つの場合があると思います。ひとつは世界中の人たちが憎しみあい、戦争をし続ける世界大戦争になった時。ハローキティの存在する意味は無くなってしまうことでしよう。もうーつは、世界中の人たちが、いがみ合うことなく、oなかよくすることができた時。その時、キティは自らの役目を終えて、消えていくことでしよう。
ハローティが役日を終えれる世界=世界中から戦争がなくなる世界、そんな世界をサンリオはこれからし求め続けていきたいと思います。”
ロビーに設置された物販コーナーは限定販売品などもあり大人気でした。以上で「特別展 サンリオ展‐ニッポンのカワイイ文化60年史」の鑑賞終了。華やかで懐かしさも感じる世代を超えて楽しめる「カワイイ」展示会でした。ありがとうございました。続いて隣の「【近美コレクション】シャガール・イン・プリント」ほかの鑑賞に参りました(詳細後日)。
「北海道立近代美術館」西門。チラシや看板のキャラクターも複数のバージョンがあります。
「特別展 サンリオ展‐ニッポンのカワイイ文化60年史」
開催期間:2023年02月11日~2023年04月02日
休館日:月曜日 入場は16:30まで
休館日:月曜日
開催場所:北海道立近代美術館(札幌市中央区北1条西17丁目)
主催者:STV札幌テレビ放送、北海道立近代美術館
料金:一般・大学生1600(1400)円、中高生1100(900)円、小学生800円(600)、3歳~小学生未満400(300)円、2歳以下無料
※()内は前売料金
問合せ:STV事業部電話011-272-8658
(2023.2.21訪問)