「札幌大通地下ギャラリー 500m美術館」は駅施設内の通路に設置されたギャラリーとしては日本最長の施設。地下鉄「大通駅」と「バスセンター前駅」に設けられた500mの展示コーナーに空間を生かした作品が並びます。「札幌市民ギャラリー」では市民が創作した絵画・書道・彫刻・工芸などの展覧会が一年を通じて多数開催。市民の作品発表・鑑賞の場として多く利用されています。
今日は「ギャラリーめぐり」として「札幌大通地下ギャラリー 500m美術館」と「札幌市民ギャラリー」を廻ってきました。きっかけは地下鉄東西線「円山公園駅」構内で見かけた北海道大学美術部「黒百合会展」のポスターです。会場は「札幌市民ギャラリー」で最寄りの地下鉄駅は「バスセンター前駅」。折角の機会なので併せて未訪問の地下鉄「大通駅」から「バスセンター前駅」に続く「札幌大通地下ギャラリー 500m美術館」でアート鑑賞するとともに合間に「サッポロファクトリーレンガ館」を見てきました。
「大通駅」から地下通路を歩いていくと「札幌大通地下ギャラリー 500m美術館」の錆仕上げした鉄のエントランスが登場。札幌市が2006年度から「さっぽろアートステージ」の美術部門として11月限定で開設していた「500m美術館」を2012年に常設化したギャラリーだそうです。
【500m美術館Vol35.「emerging artists」ー躍動する新進芸術家たちー 】
現在開催中の【500m美術館 Vol35.「emerging artists」ー躍動する新進芸術家たちー 】のチラシ。作品は斉木駿介氏《スクロールする風景》。
“「鉄は赤く熱しているうちに打つべきである。花は満開のうちに眺むべきである。私は晩年の晩年の芸術というものを否定している。」これは太宰治の台詞である。少々乱暴で極端な言い方ではあるが、ある種の説得力を持つことがである。文学、美術、音楽、舞台など芸術表現の個人における劇的な成長の多くは若い時期に訪れる。匠を知る前の荒削りの技、心奪われる対象への熱い眼差し、それは自らの魂を初めて実感する瞬間なのかもしれない。古今東西の偉人と呼ばれる芸術家の若き頃の作品に誰もが驚きを隠せないのは、若き芸術家の熱き思いに共鳴するからであろう。現在社会を生きる現代の新進作家たちがどの様に今を体験し、そして自らの感性をどう追究しているのか?500m美術館の試みとして、熱く熱する若き眼差しの先を検証したい。”
簑島福子氏《Intangible garden 触れることのできない》。アート作品は地下通路脇の強化ガラスで囲まれた横幅12mの展示空間に置かれています。
堀江理人氏《室内・風景》。
後藤瑞樹氏《魚描-Gyokaku-》。
いなべみのり氏《境界の向こう》。
和島ひかり氏《Self-portrait Museum-Mask Department-》。確かに上記の解説にある通りの“匠を知る前の粗削りの技”という表現が似合うような作品群です。若い才能の尖ったアートは見ていて楽しいです。
【500m美術館vol.34 The WALL vol.2 平⼭昌尚展】
“全国でも珍しい長い壁面のある美術館として知られる500m美術館では、その特徴を活かした壁画シリーズ「The WALL」を一昨年から行なっています。今回「The WALL」Vol,2では東京を拠点に、絵画、ドローイング、パフォーマンスの多岐にわたる活動や、昨今ではラインスタンプ「顔」などでお馴染みのアーティスト平山昌尚をお迎えし、約120mに及ぶ長大な壁画を制作します。描かれる記号やシンプルな形には温かな揺らぎとユーモアが溢れ、4か月間に及ぶ展示期間は行き来する人々を楽しませてくれるでしょう。”
“顔としてのへのへのもへじを解体します”ということで壁一杯に書かれた「へ」「の」「へ」「の」「も」「へ」「じ」が並びますが尖がりすぎていたのか難解でした。
「札幌大通地下ギャラリー 500m美術館」を出て「サッポロファクトリー・レンガ館」に向かいました。我が家周囲の紅葉は落葉が進んでいるのでダメかと思っていたのですがレンガ壁に絡まる紅葉が何とかまだ楽しめました。
レンガ館内の店舗は耐震補強工事に伴い閉店・移転が出ていました。
こちら側は相対的に落葉が進んでいました。それでも今年も見ることができ良かったです。
次は「札幌市民ギャラリー」です。
エントランス。1階では「第37回読売書法展 北海道展」が大々的に開催されていたのですが「書」は得意ではなく遠慮させていただきました。
【第112回北大美術部黒百合会展】(2階第5展示室)
「第112回 北大美術部黒百合会展」の入口付近。部員さんが交代で受付のようです。
理学部3年矢倉鉄平さん作「第112回 北大美術部黒百合会展」ポスター。
展覧会場風景。作品の撮影禁止のため許可を得て全景撮影。
会場で販売されていたオリジナル・カレンダーのチラシ。
水産学部1年長谷川陽葉さん作ポストカード。
農学部4年生石川楓子さん作ポストカード《皐月合戦》。北大美術部は他大学の学生でも参加可能とのことでしたが同好の学生さんの作品群でした。
【nor-hay展】(2階展示ホール1~2)
「nor-hay展」の受付。こちらは2016年に閉館した「ギャラリーたぴお」の2代目オーナーで美術家の林教司さんに縁のある皆さんのグループ展だそうです。
参加者は、林雅治、山岸靖司、久藤エリコ、/、ko-aya、紫乃、ナナコ、のざわゆきお、福地秀樹、為岡進、今荘義男、井村郁子、柳川育子、糸原ムギ、川合洋平、棚田裕美、間野桂子、兵藤いずみ、後藤和司、横山隆、赤石操、田中季里、他(敬称略)のみなさん。
展覧会の会場。
同上。見応えのある力作が並びます。
個人的に印象的だった作品の一つ柳川育子氏作《漂う》。
同じくこちらの作品も目を惹きました。
上掲の作品のようです。
同上。"BIG BOSS"には大きな経済効果があるということですがさすがの注目度です。早速アートの世界にも登場しました。全体を通じて創作経験を感じさせる皆さんのグループ展でした。
今回も美術館の展覧会を一巡した時期の街なかでのアート観賞でした。作家の皆さんの熱意に加えて作品の発表機会が多く用意されていることにも感心しました。街なかの彫刻作品などとともにアートを身近に感じる街づくりなのだと改めて感じました。良い街だと思います。ありがとうございました。
「札幌大通地下ギャラリー 500m美術館」
札幌市中央区大通西1丁目~大通東2丁目(地下鉄南北線・東西線「大通」と「バスセンター」を結ぶ地下コンコース内)
営業時間:7時30分~22時(照明点灯時間)
電話:011-211-2261(札幌市市民文化局文化部文化振興課8時45分~17時15分、 土日祝休)
公式サイト:http://500m.jp/
【「emerging artists」ー躍動する新進芸術家たちー 】
会期:2021年10月1日(金)~11月24日(水) 7:30~22:00
会場 : 札幌大通地下ギャラリー500m美術館
住所:札幌市中央区大通1丁目〜大通東2丁目
(地下鉄大通駅と地下鉄東西線バスセンター前駅間の地下コンコース内)
展示作家: いなべみのり 黒坂祐 後藤瑞貴 斉木駿介 堀江理人 蓑島福子 鷲尾幸輝 和島ひかり
主催:札幌市
企画:CAI現代芸術研究所/CAI03、一般社団法人PROJECTA
【The WALL vol.2 平⼭昌尚展】
会期:2021年7月26日(月)〜11月24日(水) 7:30〜22:00
会場:札幌大通地下ギャラリー500m美術館
住所:札幌市中央区大通⻄1丁目〜大通東2丁目
(地下鉄大通駅と地下鉄東⻄線バスセンター前駅間の地下コンコース内)
展示作家:平山昌尚
主催:札幌市
企画:CAI現代芸術研究所/CAI03、一般社団法人PROJECTA
会場:札幌大通地下ギャラリー500m美術館
住所:札幌市中央区大通⻄1丁目〜大通東2丁目
(地下鉄大通駅と地下鉄東⻄線バスセンター前駅間の地下コンコース内)
展示作家:平山昌尚
主催:札幌市
企画:CAI現代芸術研究所/CAI03、一般社団法人PROJECTA
【 第112回 北大美術部黒百合会展】
会期: 11月9日(火)~11月14日(日)
会場:札幌市民ギャラリー 【2F】第5展示室
時間:10:00~18:00(初日は13:00から、最終日は16:00まで)
問合せ先: 北大美術部黒百合会(北海道大学事務局サークル会館) TEL:011-747-3136
入場料:無料
【nor-hay展 】
会期: 11月10日(水)~11月14日(日)
会場:札幌市民ギャラリー 【2F】展示ホール1~2
時間:10:00~20:00(最終日は17:00まで
問い合わせ:丸島 TEL:090-2873-2250
入場料:無料
(2021.11.10訪問)