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札幌・円山生活日記

三十三観音像めぐり〜藻岩山~

札幌市のほぼ中央に位置する標高531mの藻岩山。山頂からは札幌の街並みや日本海石狩湾、増毛暑寒別岳までの大パノラマを望め「日本新三大夜景・札幌」を代表する絶景でも有名です。また藻岩山は古くから霊峰と崇められており明治期には多くの苦難の末に人々の尽力により三十三基の観音像が安置されました。でも第一番と三十三番の観音像は山道にはありません。そんな信仰の山も今は気軽に登れる山として市民に人気です。

本日は「藻岩山登山」に行ってきました。近くの「円山」も「三角山」も経験済みで「次は藻岩山だ!」と思っていました。でも「二人静の散歩道~三角山〜」で書いた通り「完バテ・トラウマ」が克服できた訳でもなく、猛暑や熊騒動を理由に実行が先送りされてきました。それでも本格的な紅葉シーズンまでに予行演習を終えたく「さっぽろ自然調査館編著『自然ガイド藻岩山・円山』」の登山ルート(「慈啓会病院前コース」往復120分」を参考に出かけることとしました。折角の信仰の山ですのでルート上の「三十三観音像」を鑑賞しながら山頂を目指すこととしました。

わが家から自転車で「慈啓会病院入口」へ向かう途中の「界川」あたりから見た「藻岩山」。気合を入れ直す立派な山です。

「藻岩山麓通り」沿いのバス停「慈啓会前」から登山口へ向かう坂道。

藻岩山登山ルート「慈啓会病院入口」に到着。駐車場、水飲み場、トイレがあります。前例を見てトイレ脇に駐輪します。

登山ルートを確認。「慈啓会病院入口」(現在地)から「馬の背」を通って「山頂」を目指します。

それでは登山開始。
「藻岩山山頂」まで2.9㎞です。

【第二番観音像~第四番観音像】
早速の登山道に入って最初の観音像です。何故か「二番」?「一番」を見落としたのかと思って登山口に引き返し駐車場周囲も探したのですが見付けることができませんでした。疑問のまま登山を続けます。観音像はポイントのみの紹介になります。

「天然記念物・藻岩山原始林」の石碑。大都市札幌に原始林が残った経緯が書かれています。

最初はこんな緩やかな登り道が続きます。木々に囲まれた日陰で気持ちが良いです。

こんな木が目を惹きました。

【第五番観音像~第九番観音像】

「第五番観音像」。

この辺りから台風の影響か倒木が登山道脇にも目立ちます。
こちらも道をふさぐ程です。
「第七番観音像」と「倒木」。


「第九番観音像」を過ぎたあたりに「日本初のスキーリフト跡地」がありました。
別方向から見たところ。

傍らに「ミミコウモリ」が咲いていました。この花は山頂まであちらこちらで見かけました。*以下の花名はスマホでの画像検索結果です。
「カタツムリ」が登山道を横断中でした。

【第十番観音像~第十五番観音像】
「第十番観音像」


この辺りにも倒木があります。
「第十三番観音像」を超えたあたりから登り坂が急になってきました。

【第十五番観音像~第十九番観音像】

「第十五番観音像」。


険しい登り道が登場。

その途中の手すり脇に「第十六番観音像」がありました。細い道でしばし足を休めて写真撮影です。

「サラシナショウマ」。
「ヤマアジサイ」。


「馬の背」分岐点に到着しました。
右へ行けば「旭山記念公園前」の登山口です。傍らには「第十八番観音像」。


左に曲がり「山頂」を目指します。

少し視界が開け遠くの山々が望めました。

【第二十番観音像~二十四番観音像】

「第二十番観音像」。


こちらも倒木です。台風被害がいかに大きかったかが判ります。


「エゾゴマナ」。

「第二十三番観音像」を過ぎると岩がゴロゴロの足元の悪い登山道となります。

【第二十五番観音像~第二十九番観音像】

「第二十五番観音像」。


岩むき出しの山道が続きます。

「第二十九番観音像」は傾斜した山道脇に安置されていました。でももう少しだと元気付けます。

「アキノキリンソウ」がたくさん咲いていました。
同上

【第三十番観音像~山頂】

いよいよ「第三十番観音像」です。
最後の急な坂を登って・・。


「第三十二番観音像」の脇を登っていくと・・。

空が明るくなってきました。いよいよ「山頂」です。

【山頂】
「山頂」に到着。登り始めて写真を取りながらで70分~80分の所要でした。広場からみた北側の山々の絶景です。
「三角点広場」への標識。
「三角点」です。

「藻岩観音奥の院」。
“明治十四年、浄土宗新善光寺の初代住職大谷玄超上人は、藻岩山を信仰の場として多くの人々に開放する事を願い、新西国三十三観音像の安置を思い立ちました。明治十八年、札幌県令より許可を受け檀信徒の協力によって困難な山道を切り拓き明治十九年六月一日、待望の第一回山開きの大祭が開催されました。しかし当時は道が険しく、山道への観音石像の安置は見送られ、かわりに三十三ヶ所の樹木に観音様の絵図をかけ、お参りしました。
 その後、二代目住職林玄松上人が明治三十三年に現在の登山口付近に観音堂を建立、明治三十四年に山道に観音石像の安置を果たし、山頂に一坪の石のほこらを建てました。このほこらが、奥之院のはじまりです。・・その後、石のほこらは改築を経て、平成四年現在の六角堂に新築され、守り本尊として木製の「竜頭観音」が安置されました。それまで安置されていた観音像は、現在は「水かけ観音」として奥之院のかたわらに安置され、今もなお、人々の幸せと平和を願い藻岩山頂より見守って下さっています”。
 
その「水かけ観音」です。「第三十三番」の観音像ではないようです。周囲も探したのですが結局「第三十三番観音像」は見つけることができませんでした。

「展望台」の「幸せの鐘」。
「展望台」から札幌市街の眺望。

JRタワーはじめ札幌中心部。奥に集団接種会場の「つどーむ」が見えます。
「北海道大学」のポプラ並木。

「中島公園」と同じく集団接種会場の「パークホテル」。

「札幌ドーム」。以上で山頂からの眺望ビューを終え下山に向かいます。


何故「第一番」と「第三十三番」の観音像が無かったのか。ある考えが思い浮かび「慈恵会病院入口」に急ぎます。登りより短時間で到着。

【観音寺】
バス停「慈啓会前」から登山口に向かう坂の途中にある「浄土宗 藻縁山 観音寺」。藻岩山信仰の拠点として明治34年(1901年)に山頂の一坪の石堂(後の「藻岩観音奥之院」)とともに山麓に建立された観音堂がはじまりの由緒あるお寺です。

予想の通り「第一番観音像」がありました。立派です。上掲の門の目の前でした。

「第三十三番」は簡単には見つかりません。登山口へ向かう坂道脇の門から入った境内に並ぶ観音像を目を凝らして見たところ・・。

その一つの礎石に消えかけていますが「第三十三番」の文字を見つけました。これが「第三十三番観音像」でしょう。何とか観音像めぐりは完結です。


こちら藻岩山信仰の拠点となった「観音堂」。最初と最後の観音像と観音堂があることから諸事情で山登りが出来ない人でも「観音寺」に来れば三十三か所めぐりができるという配慮なのかも知れません。と思いました・・。

最後に立派な「本堂」にお参りしました。歴史と格式を感じさせるお寺でした。

本日の藻岩山登山は快晴の中で少し汗ばみましたが大変快適でした。特に緑に囲まれた自然道を歩くのは清々しいものです。もちろん山頂からの眺望も絶景でした。また信仰の山らしい人々の想いと歴史を感じさせてくれました。市民に人気の山というのにも納得しました。次は紅葉の季節に再訪することとします。ありがとうございました。

「藻岩山・札幌もいわ山ロープウェイ」
札幌もいわ山ロープウェイ山麓事務所
札幌市中央区伏見5丁目3番7号  011-561-8177 

「浄土宗藻縁山観音寺」
札幌市中央区旭ケ丘5丁目6−42 011-561-7672
http://sapporo-kannonji.com/

(2021.9.10訪問)

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