The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

I am back, Alf

2013年07月15日 | ひで氏海外ミッション編
すっかり更新が遅れてしまったのは訳があるのです。
私ひで氏、海外ミッションにつきオーストラリアはシドニーに。滞在中何度もブログなどの更新を考えたが、どうもインターネットの接続において相性が悪い日々が続き、書きたいことはあれどなかなか更新できないというもどかしい日々が続いた。

ああ、今もバンドメンバーは日々続く日本の猛暑にさらされバンドのために色々と頑張っているというのに。。。と私ひで氏は溢れ出る涙を人目をはばかることなく流しながら目の前に広がるManlyビーチで佇み何かよくわからないがビールという名前の飲み物を口にして思いを馳せていたのである。

決して忘れていたわけではない。

さてこのオーストラリアという国、実は私ひで氏にとって非常に思い入れの深い国である。
シドニーを訪れるのは実に25年ぶり、それも当時の訪問は自分にとって始めて訪れる外国であり初めてのホームステイという特殊な体験だった。

当時訪れたのはブリスベン、シドニーのニ都市だったのは憶えている。当時は初めての外国ということもあり、見るものすべてが珍しく、かといって今のように色んなものを観察したりする余裕はなかったように思う。

覚えているのは人々がとてもフレンドリーだったこと、そこかしこで「コンニチハ」を老若男女を問わず話しかけられ、その時オーストラリアでは日本語を学ぶのだということを初めて知った。
子供ながらに時間の流れがゆったりしているというのを確実に感じたことは記憶している。

確か二週間ぐらいだったホームステイでの想い出もある。そのオーストラリア人の家族にも同じような年の男の子がいた。名をアントンといった。ただし苗字は覚えていない。アントンも両親もみなとてもあたたかくて優しく、週末には色んな所に連れて行ってくれた。

当時全くと言っていいほど英語を話せなかった私ひで氏、食卓や食事の後の団欒でもコミュニケーションに苦労した。このとき鮮烈な印象を刻みつけたのが、「アルフ」である。

日本でも後にNHKで放送していたこともあるようだが、アルフはオーストラリアでは知らない人など皆無の国民的キャラだ。外国のキャラにありがちな実写人形型キャラで、妙に顔の凹凸のディテールが細かく一見すると気持ち悪い。



私ひで氏は当然ながらこのアルフを知る由もなく、何かの会話の流れでホストファミリーのお父さんが「まあこれはアルフみたいなもんだ」という話をまとめかたをした(…のであろう、何の話だったかは全く覚えていない)。私が当惑していると、

「え?アルフ知ってるやろ?」とお父さん。

知ってるだろうと聞かれたと理解しノーと首をふる私ひで氏。

その瞬間家族が全員目を剥いて驚愕し、ええーー!アルフ知らんの!というのをきっかけにアントンは自前のアルフ人形を持ってくるわ、お父さんはコミックのようなものを持ってくるわ、お母さんは卒倒しご飯を作り忘れるわというちょっとしたパニックになったのだ。

しかしこれこそがまだまだぎこちなかったお互いの関係を完全に氷解させ、この夜以来とても絆が深まったのだ。

ネットも普及していない頃、オーストラリア人の彼らにとってもアルフがグローバルなキャラでなかったことが衝撃だったのだろうし、私ひで氏にとっても未知の国で見るやや怖めのキャラに遭遇するという双方にとってのカルチャーショックを体験したのである。

今時のホームステイでは、受け入れられた学生が食事の後に部屋に閉じこもってスカイプで毎晩家族と話したまま出てこない、というようなこともあるという。

当時は家に電話をかけようともコレクトコールぐらいしか手段がなく、せいぜい滞在中一回かけるかどうかという完全なる隔絶感があった。人間、追い込まれてナンボである。こうなるともう自力でコミュニケーションするしかない。

それでもやはり言葉の壁があったことを象徴する出来事があった。詳細はよく憶えていないがある時学校のような所に朝連れていかれ、午後に終了する、という何らかのイベントがあった。

ホストファミリーのお母さんはそのとき私に「その時間になったら車で迎えにくる」、確実にそう言ったはずである。しかし私ひで氏はその英語が聞き取れず、その時はなんとなくイエスイエスと答え、午後になり急にどうやって帰るんだろう、と不安になってきた。

今思えば考えられないが、日本での感覚を当てはめたのであろう、私ひで氏は、家までは歩いて帰れるぐらいの距離であり自力で帰らなければならないのだと勘違いし誰に聞くこともなく(また聞く能力もなかったため)人知れずその場を後にした。

ここはオーストラリアである。

30分ほど車がびゅんびゅん行き交う広大な道路を歩くうちに、「どうしよう。。。」と思うも時すでに遅し。戻る道もわからなければ行く当ても見当がつかなくなってしまったのである。


長くなってきたのでつづく。



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