The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

Donnerstag Hiroshi

2013年08月29日 | ひで氏海外ミッション編
帰ってからゆっくり振り返ろうとも思っていたが、新鮮なうちにこの感覚を記しておきたい気持ちになったのでブログ更新しているひで氏です。


現在、ドイツにてミッション遂行中の私ひで氏、
昨日の食事はとても印象的だった。

この日の終日ミッションを終えた私ひで氏は、そのあとに続くディナーにも参加することになっていた。
今回は車を借りているので、住所だけメモして現地に直接行くことにした。
レンタカーだが、ナビがついているので大丈夫と判断したのだ。

この街を訪れるのは3度目だが、車があるというのは初めてで、
いつもはホテル周辺をせいぜい散歩するぐらいだがいきなり行動範囲が無限に広がったようでちょうどいいと思った。今晩のディナーの集合場所は別の街なのだ。

車に乗り込んで住所をナビに入力する。
道の名前プラス番地、というのがドイツの住所表記のスタンダードのようだ。

街の名前から、道の名前と、スムーズに入力。番地は「2」とあるので、すでに絞られた選択肢から選ぼうと画面を注視する。

出てきた最終候補は2つ、番地は「1」と「3」しかない。「2」がないのだ。

ここで日本人的感覚を無意識に働かせてしまった私ひで氏は、「3」を選んだ。
付近まで行けばわかるだろう、さらにナビの目的地を3にしておけば、1を通過しても3に着くまでに2が現れるはずだ。。。

この考えが間違っていたのに気づくのにそんなに長くはかからなかった。
20kmほど離れたその街にはナビの指示に従いほどなく着いたが、だんだんと道が細くなってきた。

さっきまで走っていた幹線道路が恐ろしく現代的なものに思えるほど、
信じられないぐらい原始的な景色になってきた。あちこちに牛が見え隠れするし、個人の家がぽつぽつと立ち並んでいる。

これらの家というのが絵にかいたような、まさに絵本に出てくるような家ばかり。
生えている木もこんな感じになってきて、まさにグリム童話のイメージだ。


グリム童話そのものといっても、私ひで氏はドイツ文化に詳しいわけでもなんでもなく、ここでは非常に安直な感覚でグリム童話と言っている。
しかしこういう時はそんな単純な感覚こそが頭を支配し、道に迷っているという事実とともにネガティブなことばかり考えてしまう。

ナビは「3」に着いたとだいぶ前にアナウンスしたきり黙りこくっており、ふと見るとついに道が無くなった真緑の画面を車の絵がひた走っている。
この辺り、家並みやナビ画面の写真を収めておけばどれほど良かったかと思うが一枚も無い事がどれほど不安に陥っていたかを物語っている。

次第に家もなくなりただただ異様に細いあぜ道。対向車はおろか、周りには何もなくすでに暗い。
こうなるとどんな言葉も恐ろしく聞こえてくる。

ヘンゼルとグレーテル。。。ブレーメンの音楽隊。。。あ、確かグリムってグリム兄弟っていう二人だったな。。。


ひ、ひええええ!


普段の100倍鋭敏になった私をさらに凍りつかせたのは突然左側に現れた家と、その前にいた老婆だ。

状況が状況だけにかなりびっくりしたのだが、
冷静に考えてもうこの老婆に聞くしかないと思い、思い切って車を止めて外に出た。

こちらが何も聞かないうちから彼女は何か言いながらこちらに歩み寄ってきた。
またこの老婆が輪をかけて童話感たっぷりのお婆さんで、この時点で本当に自分は童話の世界に入ってしまったのではないかと真剣に錯覚するぐらいだった。

老婆は全く英語を話せず、住所を見せ英語で道を聞いている私ひで氏などお構いなしにドイツ語で大声で話している。
当方ドイツ語は全くできないので、本当に何一つ理解できない。

しかしかろうじて「よくぞハンブルグから」というニュアンスのことを言っているのが分かった。
それはレンタカーのナンバーがHHから始まっているのを指さしていたからである(後でわかったがドイツの車のナンバーは最初の数ケタのアルファベットで都市が特定されるらしい)。

私が「いや、これはハンブルグで車を借りただけで来たのは隣町からです」と英語で言ってみるが彼女にはどうでもいいらしい。
ボディタッチも始まって、肩をしっかりと掴まれ揺さぶられ、よう来たよう来た、という雰囲気だ。


そして全身を使ってレストランはこの先にある、自分はそのレストランのシェフと家族ぐるみで友達だというようなことが断片的に聞き取れる「シェフ」や「ファミリエ」という言葉から推察できた。とにかくハンブルグからわざわざそのレストランを目指して来た見慣れぬ東洋人を気に入ってくれた様子だ。

何かすっかりコミュニケーションが出来た気になり、礼を述べて、おそらく言われた通り来た道をさらに突き進むと、
しばらくしてこれもまた突然ぬっと大きな家のような建物が現れた。果たして、これがそのレストランだったのである。
その現れ方が余りにドラマチックだったので言葉を失った。


今回の体験に超常現象は一つもない。はずだ。
しかし途中目にした家々やあの異様なまでに細い森の中のあぜ道、極めつけのあの優しい老婆。

むしろ幻であってほしい、と感じるほどに童話的であった。

だからこの一件は、住所が無かったというところから老婆とのやりとりまで、彼の仕業だったということでいいのではないか、とさえおもっしてまう。


せっかくドイツにいるのでドイツバージョン。

今週のドナースタークひろし。











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