夏休みも終わる頃、やっと新校舎が完成し、六小の子どもたちは先生たちと共に、
引っ越しの準備に追われていました。たくさんの机や椅子・棚・書類を入れた
段ボール箱、それらを一つ一つトラックに運びます。といっても夢はまだ低学年、
先生や親、高学年のお兄さん・お姉さんに比べれば楽なものです。だって、
自分たちの机と椅子を運べばいいだけなんですから。夢が「うんしょ、うんしょ。」と
言って椅子を運んでいると、四小が声をかけてきました。
「大丈夫?重くない?」
「うん、大丈夫。ありがとう。」
「気をつけてね。」
「うん。」
夢はそう答えると、椅子を持ち直し、トラックの止めてある方へ向かって行きました。