夢は学校が好きでした。毎日、学校に来るのが楽しみでしようがありません。
勉強するのも、友だちと遊ぶのも好きでしたが、やはり何といっても、一番の
楽しみは四小に会えることでした。
授業の合い間の休み時間は、たったの十分ですが、夢は他の子たちに混じって
きまって外に出ていきました。靴をはきかえ、校庭に散っていきます。
夢はまっしぐらに鉄棒に向かって走っていきました。そう、さか上がりの練習に
いったのです。何回も一所懸命練習しましたがうまくいきません。そのうち厭きて
うんていにいきました。鉄棒は苦手の夢ですが、うんていは得意です。
端から端まで、落ちずに渡りきることができます。今日もいつものように遊んで
いました。もう少しで渡りきれるというその時です。急に四小の声がして
びっくりした夢は、うんていから落ちてしまいました。
「いったあい。急に声かけないでよ。」
夢はふくれっつらをして言いました。もう少しで渡れるという所で落ちたので
悔しかったのです。