五月、夢は六小と話がしたくなり会いに行きました。夢が着くと、六小はすぐ夢に
気づき話しかけてきました。
「わぁ、夢ちゃん、来てくれたの。うれしい、フフッ。」
六小は、夢が最近よく来てくれるので、うれしくてしかたないのです。にこにこして、
夢を迎えました。
「ほんと?ほんとに、そう思ってる?」
夢は、ほんとかなぁ、と思いながら六小に訊いてみました。
「うん。だって、夢ちゃんが来ると話ができるもの。あれから、もう、ずぅーっと
わたしと話できる子いなくて、わたし、つまんなかったんだもの。」
六小は、ふーっとため息をついて、ちょっと淋しそうに言いました。
「ふ~ん、そうなんだ。でもわたし、どうして今でも六小さんと、四小さんともだけど
お話できるんだろうね。中学生になった時、四小さんに、これからは、もうわたしと
話すこともなくなるでしょう、って言われたのに。その通り、中学の三年間は
四小さんと話すこともなかったのに、ね。」
夢は、不思議だなぁ、という感じで、六小に言いました。六小はにこっと笑って、
「それはね、夢ちゃんが、まだ子どもの頃、わたしたちと心通わしたあの頃のままの
純粋な心を持っているからよ。だから四小さん、夢ちゃんが来た時、自分の方から
声かけたの。わたしも、そう。夢ちゃんが来た時、すぐわかった。ああ、ゆめちゃん、
まだあの頃の、子どもの頃のままだなって。あ、誤解しないでよ。子どもの頃の
ままっていうのは、夢ちゃんの純粋な心のことだからね。だから、わたしうれしくて、
昔みたいに声かけたの。」
と、体全体をキラキラ光らせながら言いました。
「そうなの?」
「うん。」
夢は、六小に子どもの頃のままの心を持ってる、と言われてうれしそうに言いました。
「ふ~ん、そうなんだ。これからもずっと、その心を持っていられたらいいな。」
「大丈夫だよ。夢ちゃんなら、この先もずっと、子どもの頃の純粋な心を持って
いられるよ。」
「そう?」
「うん。だって、今まで持ってこれたんだもの。わたしが保証する。」
六小は、光の輝きを強くして夢に言いました。
「え~、六小さんに保証されてもなあ。」
「またぁ、夢ちゃんたらぁ。」
「ウフフフ・・・・・」
夢は、笑いながら心のなかで、六小にお礼を言っていました。
「ありがとう、六小さん。」
と。