四小に入学してはや六ヶ月、季節は秋です。秋の学校生活は行事がいっぱいあって、
夢はうれしくてたまりませんでした。今日は、そのなかでも一番のメイン行事
「運動会」の日です。夢は、朝、学校に来る前からそわそわしていました。夢にとって
初めての運動会、期待がいっぱいなのです。体操着姿で学校に来るやいなや、校庭に
走り大きな声で四小に呼びかけました。
「四小さ~ん、今日の運動会、わたしがんばるから見ていてね。」
すると夢の声に答えるように、遠くに見える校舎がチカッと一回大きく光りました。
やがて、運動会が始まりました。その様子を四小はにこにこしながら見ていました。
二日後、夢は四小と運動会のことを話していました。
「おとといの運動会おもしろかったー。でもね玉入れ、玉がなかなか網の中に
入らないの。だからもう、むちゃくちゃに投げちゃった。」
「そうね。夢ちゃん、とても楽しそうに投げていたわ。むちゃくちゃだったけど。」
「えへへ、かけっこはビリだったけどね。」
「でも、最後まで一所懸命駆けてえらかったわ。」
「えへ、ありがと。」
最後までちゃんと駆けたことをほめられて、夢はうれしくなりました
「おゆうぎは大好き。一番楽しかったの。もっとやりたかったな。」
「そうみたいね。見てるわたしにも伝わってきたわ。もっとやりたいっていう気持ち。」
運動会は、どうやら夢の期待どおりに終わったようです。