風の向こうに  

前半・子供時代を思い出して、ファンタジィー童話を書いています。
後半・日本が危ないと知り、やれることがあればと・・・。

風の向こうに(第一部) 其の拾四

2010-02-03 20:59:18 | 大人の童話

四小に入学してはや六ヶ月、季節は秋です。秋の学校生活は行事がいっぱいあって、

夢はうれしくてたまりませんでした。今日は、そのなかでも一番のメイン行事

「運動会」の日です。夢は、朝、学校に来る前からそわそわしていました。夢にとって

初めての運動会、期待がいっぱいなのです。体操着姿で学校に来るやいなや、校庭に

走り大きな声で四小に呼びかけました。

「四小さ~ん、今日の運動会、わたしがんばるから見ていてね。」

すると夢の声に答えるように、遠くに見える校舎がチカッと一回大きく光りました。

やがて、運動会が始まりました。その様子を四小はにこにこしながら見ていました。

二日後、夢は四小と運動会のことを話していました。

「おとといの運動会おもしろかったー。でもね玉入れ、玉がなかなか網の中に

入らないの。だからもう、むちゃくちゃに投げちゃった。」

「そうね。夢ちゃん、とても楽しそうに投げていたわ。むちゃくちゃだったけど。」

「えへへ、かけっこはビリだったけどね。」

「でも、最後まで一所懸命駆けてえらかったわ。」

「えへ、ありがと。」

最後までちゃんと駆けたことをほめられて、夢はうれしくなりました

「おゆうぎは大好き。一番楽しかったの。もっとやりたかったな。」

「そうみたいね。見てるわたしにも伝わってきたわ。もっとやりたいっていう気持ち。」

運動会は、どうやら夢の期待どおりに終わったようです。



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