アメコミとラーメン

これは一家に一冊はなくちゃいけない本だな、「ベスト・オブ・スパイダーマン」



最近は、アメコミの末{が結構出版されているけど、それらは、玉石混淆。その中でも久し振りに「玉」に出会う。SPIDER-MAN好きのおいらなので、大分贔屓が入っているけどね。こんな本をアメコミに興味を持った人に読んでもらいたいな。入門書としては、大変充実した内容だ。表題の通り、一家に一冊はおいて欲しい本だね、家庭の医学と同様に。

まずは、1話は、誕生秘話。そして、2話目は、May伯母さんへ血清を届けるため、がんばるSPIDER-MANの話。筋書きをStan Lee、画をSteve Ditko。2話目のMay伯母さんのためと、重い機械を持ち上げるシーンは、印象的。この画はDitkoが描いてたのか。この画の構図は、沢山Homageとして後の時代に使われている。7話目のLizard篇でもMark Bagleyがこのシーンを再度別の設定で使っている。最近お気に入りのアメコミおたく漫画でもこのシーンを使っている作品あり。(興味があったら、こちらをhttp://collectorscomic.com/

SPIDER-MANの引退話が次に来る。筋書きをStan Lee、画をJohn Romita Sr.(JRSR)。この辺は文句なく面白いな。そして、画がすごい。何かのサイトの記事でJRSRって今は亡きJack Kirbyの影響を強く受けているって書いてあったけど、それが、よくわかる戦闘シーンがある。構図がかっこ良い。JRSRの線の方がずっとやさしいけどね。

次に、Ron Frenz画の、SPIDER-MANを集める少年の話(Roger Stern作)、1話目に登場したプロレスラーCrusher Hoganの後日談(Tom Defalco作)が続く。前者は去年NHKで放映された「熱中スタジアム」でも取り上げられた作品。しかし、断然後者の話の方が好き。落ち目のCrusherが、SPIDER-MANと共に悪をやっつけるもの。Crusherの嘘も面白いし、その嘘に乗るSPIDER-MANの人の良さも微笑ましい。しかし、Crusherを助けたばかりに、May伯母さんの信頼には応えられないというオチ付き。この作品が発表されたのは、1985年。しかし、こんな苦い終り方は、1960年代、1970年代のやり口だな。それから、この時代SPIDER-MANのコスチュームは黒に白。懐かしい。

その後Todd McFarlaneのAmazing SPIDER-MAN 317号。画は凄い。筋書きはDavid Michelinieが担当。Venomが再登場する話なのだが、一話で終わるような話でないのに、無理矢理終ってちょっと物足りない。VenomをFANTASTIC FOURと一緒に唐キ話の方が好きだな。

7話目は前述の通りLizard篇。そして、最後は二代目Green GoblinのHarry Osborneが家族を監禁する話。その家族をSPIDER-MANが救う話。父親と同様狂気に走るHarryの姿が印象的な作品。実は、画を描いているSal Buscemaをこれまで好きになったことはなかったのだが、今回の作品を読んで、ちょっと気が変わった。結構良い画を書くな。特に人物の表情が良く描けている。

全般的に印刷が良いな。もちろんオリジナルの時の印刷時と比べても全然違うんだけど、1970年代後半の光文社版と比べても格段に綺麗なんだよね。(光文社版は巻頭の数ページだけカラ―で、それからは、白黒(2号ぐらいから白青)だからね。)

一方気に入らないところ。まずは、一つ一つの話に繋がりがないところ。生誕50年(この単行本が米国で発表されたのは1994年。それでも、30年強の歴史がある。)の中から、名作を8作選んでいるので、これはしょうがないか。

それから、John Romita Jr. (JRJR)、Gil Kane、Mike Zeck、Ross Andru等、エース級の画家の作品がないこと。画竜点睛を欠くな。一方話でも、Kravenの話や、Gwen Stacyの死等まだまだ名作は沢山ある。今後小学館プロダクションでは、「玉」の作品をもっと末オて欲しい。

最後にこの本の出版が夏前であったら良かったという気持ちだ。この本にStan Leeのサインを書いてもらいたかったな。
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