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大好きな作家のPeter DavidがSPIDER-MANに帰ってきたので、迷わず買ったSymbiote SPIDER-MAN (“Sym”) 1号、それから設定的にはそれより前の話ASM 252号を読み終えたのでレビュー。
Symの筋書きをDavid、画をGreg Land、インクをJay Leisten、 Mysterioの過去をIban CoelloとFrank D’amataがそれぞれ担当。1984年に発行されたASM 252の筋書はRoger Stern、会話Tom Defalco、画をRon Frenzがそれぞれ担当。
添付画像はSym 1号のSymbの表紙。Landの画。相変わらずカッチョ良い。オマケでASM 252号の表紙も添付。
さて粗筋から。銀行強盗の結果人を殺してしまったQuentin Beckこと、Mysterio。彼はそれなりに、落ち込んでいる。一方墓地で彼を見かけたSPIDER-MANはMysterioと対峙するが、いつもの彼の周到な用意でまんまと一杯喰わされる。ASM 252号は突然街から姿を消したヒーロー達がニューヨークに戻ってきた。SPIDER-MANはコスチュームが変っていて誰も彼がわからない。彼は街で喧嘩していた若者をビルの屋上に連れていく。
いつものように、気に入った台詞やシーンを書いていく。あ、MysterioってMIT出身だったんだ。その割に売れない役者だったり、して面白い。東大卒の歌舞伎役者だっているんだからおかしくない。
彼の強がりが面白いのは、SPIDER-MANにいつも負けることについて、友達に揶揄されるシーン。彼は”Series of fluke”まぐれの連続、みたいな言い訳をする。本当に強い奴は言い訳しない。また、友達は幼いPOWER PACKにだって負けちゃうだろうとからかうが、どうやら、その後の話で彼等にも負けちゃうらしい。
今回の話で惹かれたのはMysterioがSPIDER-MANでさえ理解できていない新コスチュームに興味を抱いたところ。MIT出身という設定が生きている。それから、Black Catが普通の彼女のコスチュームを着ずにPeterとデートするところ。これはPeterが心の底から望んでいたことなのだが、見かけとかじゃなくて、Peterそのものに彼女の関心がないことには変わらない。
Davidだから間違いはないと思ってはいたが、ワクワクして1号が終わってしまった。今年はASMも面白いし、Friendly Neighborhoodの出来も凄いし、Symもイケてる。どうしたんだSPIDER-MANのアタリ年だ。
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続いてASM 252号。今回手に入れたのは、Sym発行と同時に再発行されたもの。1984年当時60セントで発売されていたものが何と今や$3.99。しかし当時発売されていたものは状態がそこそこ良くて$100を超え買う気がしない。昔のものを良い紙に印刷しているので、非常に読みやすい。一方色があまりに派手で面食らう。当時の広告をそのまま印刷してくれるのも嬉しいな。
この話はSternのASM最後の話で、新コスチューム紹介号であると同時に彼のお別れ号。悪人らしい悪人は誰もでず。Sternの作品としてはそれ程ではない。この号で彼は終わりだからしょうがない。
何が言いたいかってニューヨークが大好きってだけ。この街が若者たちにとって、決して優しくない現実に対するSPIDER-MANの応援の言葉。”It (=New York) has the potential for incredibly good or horribly evil.” これは自分自身にも言っているんだけど、不平だけじゃ解決しなくて、自分達で切り開けば、輝かしい未来が待っているみたいにオイラは解釈した。
笑っちゃうのは、表紙のインクを担当したKlaus Jansonも色を入れた人もこの男の子の人種を間違えたこと。もしくは途中から設定を変更して、中身は黒人だが、表紙は白人なのか。