最近は古いSpectacular SPIDER-MAN (“Spec”)を買い漁っている。今回はその87号と88号をレビュー。
筋書きをBill Mantlo、画をAl Milgromがそれぞれ担当。添付画像は87号の表紙で、Milgrom の手によるもの。このBlack Cat (“CAT”)の表情は何を意味するのかが87号の話の中心。
さて粗筋から。87号は一話完結。SPIDER-MANはCATに自分のアパートへ誘い、そこで自分の過去や素顔を初めて明かす。88号ではMr. Hydeが刑務所で大暴れ。狙いは同じく収監されているCobraの命。舞台は河を渡ったニューヨークへと移り、SPIDER-MANとCATが彼等と対決する。
いつものように、気に入った台詞やシーンを書いていく。Spec 87号ではハナから甘い言葉で始まって、ヒーローものとは思えない。ま、そこは飛ばして、初めてPeterのアパートを見たCATの台詞から。”It’s just that I was expecting a Spider Cave or a Fortress of Spidertude.” SUPER MANやBAT MANの秘密基地とあからさまに比較している。こういうDCを意識した台詞は結構好み。
好みで言えば、SPIDER-MANの能力を金儲けに使わないことへのCATの驚きも好きだな。価値観の違いは、最後には二人が結ばれないことを暗示している。何か求めるものが違うんだよね。無理がある。
そして、SPIDER-MANがマスクを脱いだ瞬間の表情が添付画像の表紙。CATが愛しているのはSPIDER-MANであって、Peter Parkerではない。Peterはロマンスの対象ではありえないことが伺える。台詞でも強調するように、”Put your mask back on.”とCATは言っているね。3コマで、クローズアップから、だんだんとCATを遠くから見る画に移していき、Peterへの拒絶感を表現している。上手い。
続いてSpec 88号。好きなシーンはCATが寝間着(と言っても可愛いやつね。)姿で月を見上げるところ。セクシーという言葉ではあまりに月並みなだけど、それに愛くるしさが加わっているかな。
この話の大部分はMr. Hydeの破壊シーンに費やされている。どちらかというとSpecというより、Amazingの展開だな。可笑しい。
SPIDER-MANはTHORとも対等に戦えるHydeからCATを守ろうと必死。そしてCATの方はそれが嫌でしょうがない。それを端的に表した台詞。”I’m a liability to him (=SPIDER-MAN).”
そうは言ったものの、Mr. Hydeを止めたのは彼女のお陰なのも面白い。そして、彼女はそれに気付いていたら、上記のような台詞にならないんじゃないかな。気付いていても駄目なのか。そして、それが次のエピソードに繋がる。
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