X-MEN本誌以外の姉妹誌を読んでいないので全体像が掴めないながら、そこそこX-MENが面白い。今回は 30号、31号について。
今回の添付画像はMarcus ToによるX-MEN 31号の X-MEN ’97 variant。Disney+の新アニメシリーズX-MEN ‘97に合わせての番宣。目的はともかくこの構図カッチョ良い。Jim LeeがX-MENの人気をさらに高みへと誘った後も、元ネタ97年のアニメのように、X-MENの人気を維持する施策が沢山あった。良い時代だったな。X-MENバブルの崩壊は2010年代かな。
筋書をGerry Dugan 、画をPhil Notoがそれぞれ担当。Notoの画はあまりアクション向きではないが、凄い写真家の写真のように、描かれた瞬間の画がその裏にある物語を想像させてくれる。CYCLOPSことScottと奥さんJeanのベッドシーンも良かったのだが、恋仲のTALONとSYNCHの見つめ合う一コマが凄く良いな。
まずは粗筋。まだCYCLOPSはOrchisに囚われたまま。Orchisがばら撒いた時限爆弾付きの薬のお陰で人質状態の人類を救うため、無効化する装置の入手をTALONとSYNCHは試みた。入手先はHigh Evolutionary。31号では、その装置を使い北米の薬を無効化するがNimrodがX-MENの前に立ちはだかる。
気に入ったシーン、台詞を紹介していく。一番気の利いた台詞はゲストSPIDER-MANとミュータントMS. MARVEL。(彼女をミュータントと呼ぶことに何か抵抗がある。)S “You know where to find me?” “The unemployment office?” OscorpでPeterは働いているので、ハローワークのお世話にはなっていないが、失業は時間の問題か。上手いな。
最後の数ページが30号の盛り上がりというか、苦い結末。これ面白いな。装置は手に入れたが、代償はTALONの命だった。オー。画にはTALONが描かれているが、これはSYNCHの脳内に収められたTALONの記憶だった。MS. MARVELの誰に話しているのという質問で彼女がそこにいないことがわかる。
続いて31号。TALONの死によって彼女の回復力を使えなくなったSYNCHが感染症に苦しめられるというのは興味深い。こういうSFだけど説得力のある話は好き。
NIGHTCRAWLER、WOLVERINEのコスチュームが1970年代のそれらに戻ったのは大歓迎。ノスタルジアだけど。
ゲストSPIDER-MANがNimrodの一撃からNIGHTCRAWLERのテレポートに救われた時の台詞。”Any chance you could teleport us to somewhere safer? Like Mordor?” もしやと思ったが、Mordorは指輪物語の影の帝国を現している。いまいる場所は確かにNimrodに近く、そこより安全じゃないということか。この冗談指輪物語知らないと笑えない。
Nimrodは結構今強いな。SYNCHの乾坤一擲の攻撃から回復した彼の台詞。”Pretty good shot. Is that the best you cand?”こういう悪役の常套句は良いね。本当に強そうに聞こえる。
まだ、CYCLOPSの救出劇は始まらないのか。焦らすね。