アメコミとラーメン

SPIDER-MANでもご多分に漏れずスパイもの



Marvelの公式サイトで紹介された予告編で興味を持って買ってしまったSPIDER-MANのグラフィック・ノヴェル("GN”)Amazing SPIDER-MAN Family Businessをレビュー。筋書きをMark WaidとMark Robinson、鉛筆をWerther Dell’edera、彩色をGabriele Dell’ottoが担当。何と定価$24.99、高い。2割引きぐらいで買ったけど、送料が高くて実はアマゾンで買った方が安かったに違いない。

粗筋をざっとこんな感じ。Peter Parker(SPIDER-MAN)が小さい頃、彼を残し蒸発してしまった両親RichardとMaryの間にもう一人子供がいることを知らされるPeter。情報元はそのもう一人の子供Theresa。彼女はSHIELDの情報部員でもある。そして兄妹(?)は両親が封じ込めたナチスドイツのロボットSleeperと金塊を探す旅に出る。そしてそれを邪魔して手に入れようとするのが犯罪帝国を復興しようとするKingpin。Family Businessとは両親の職業、「諜報活動」。(Kingpinの犯罪稼業も鰍ッられている。)

いつものように、気に入った点、好きなシーンを書いていこう。今回鉛筆入れのWertherとその後の作業のGabrieleの役割分担を紹介するページがあって面白かった。添付画像のKingpinの表情なんかもそうなのだが、これはGabrieleの役割。鉛筆担当は絵コンテに毛が生えたものぐらいしか描いていない。だから表紙の名前の順番も逆になっている。いずれにせよ、この丁寧な画の品質が保たれているのがすごい。ちなみに、Kingpinの凄みのある笑いはJohn Romita Sr.の描いたそれのよう。それから妹のTheresaがPeterと似ていながらも女性でそこを凄く上手に描いている。GNではないと無理だなこんな表現。

なんでアメコミって面白いのかという一つの解、「謎解き」の要素が前面に出ている。Peterがアパートから連れさられるのは何故か、Theresaとは誰か、どうして妹がいることを知らせなかったかが徐々に明かされていく。

両親が彼女を里子に出したことに対して、Theresaは怒りを感じている一方、Peterを一人ぼっちにさせたことに、彼はそれ程怒りを感じていない。二人の両親に対する気持ちの対比も良いな。

基本的に正義の味方は正体を敵に知られないという大原則に背いた作品は嫌いなのだが、妹に正体がばれてしまうシーンは好き。彼女のI knew it.ってのは逆にいつなんだよって突っ込みたくなったけど。また、PeterはMentalloなる悪人に偽の情報を植え付けられているはずなのに、彼女が妹でないことに気付くあたりも良し。流石だ。

Kingpinにも正体を知られるわけだが、小悪党MentalloのKingpinへの復讐に敢え無く記憶を消去されたはず。かな。

それから後半部分のアクションに登場したSleeper。光文社版のCAPTAIN AMERICAにも登場したナチスドイツの残したロボット。Kirbyの画っぽい。ちょっと前、英国のチャールズ皇太子がプーチンをヒットラーと称した。実はクリミアの乗っ取りは住民を入れ替えたSleeper作戦と似ているなと思っていたところだったので、違和感がなかった。

エピローグの本当のTheresaの正体とやはりPeterには妹(か弟)がいたことは繋がっているのか。これ使える伏線だよな。このオチだけでも読んだ甲斐があった。
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