4/9≪LIVE BOXING≫ ~さいたまスーパーアリーナ~
◆WBA&IBF世界ミドル級王座統一戦 12回戦
WBAチャンピオン IBFチャンピオン
村田諒太(帝拳)● TKO ○ ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)
9回2分11秒
日本最大のビッグマッチ、
村田諒太があのGGGことゲンナジー・ゴロフキンに挑んだWBA/IBF世界ミドル級統一タイトルマッチが、
さいたまスーパーアリーナで行われました。
こんなビッグマッチが日本で行われ、
しかも日本人ファイターが世界最強の男に挑むなんて、
本当に数年前までは思いもよらなかった。
それが目の前で繰り広げられるという事に、
何だか信じられない気持ちと、
酔ってしまうような妙な感覚に襲われての観戦となりました。
これまで村田に何度も感動を与えられたワタシは、
まさにこの対決、この日を待ち望んでいました。
2年4か月、
コロナ禍に見舞われずっとリングに上がることができなかった村田。
その村田に対して、
40歳になったとはいえその鬼神のような強さは変わらずのゴロフキンがどのように対抗してくるのか。
なんだか2,3週間前から、
心がそっちに取られっぱなしで、
すでに会場入りする頃には、
張り裂けそうになっていました。
粛々と予定されていたカードが進み、
サブの中谷のフライ級タイトルマッチが終わる頃には、
すでにドキドキはMax。
そしてあの「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマが成ったらもう、
ワタシは平静ではいられなくなってしまいました。
村田がリングに登場。
表情は若干固くも見えますが、
体は絞り込んで好調のように見えます。
さらにあの音楽に乗って、
GGGが登場してきました。
『あのGGGが、日本で、目の前のリングで戦うんだ!』
という事を思ったらもう、
心臓はバクバク。
なんだか、
今までのタイトルマッチとは全く違う感覚で、
ワタシは開始のゴングを聞きました。
ワタシはこの試合、
もし村田が勝つのであれば、
村田が自分の中に眠る野生を解き放ち、
初回から猛獣のように圧をかけて攻勢に出るしかない・・・・・
と思っていましたが、
初回はやや様子を見るような立ち上がりになりましたね。
しかし2回、3回と、
村田の圧力がGGGを凌駕しているように見え、
そしてあの右のボディは見事にヒットし、
GGGは完全に嫌がっているように見えました。
「行けるぞ、村田!!!」
ボディから左右のワンツーに持ち込む展開は、
村田の思い描いた通りに見えましたし、
時折見せるアッパー気味のパンチも効果的で、
予想以上に「やってくれる」村田に、
心臓が爆発しそうになっていました。
しかし。。。。
それだけで世界最高峰の頂に上らせてくれるほど、
歴戦の勇者は甘くはなかった。
ゴロフキンは、
4Rぐらいからきっちりと村田のボディに対応してきて、
踏み込ませず自分から回転の速いパンチを次々に、
村田の顔面に、そしてボディにヒットさせてきました。
「世界最高峰というのは、やっぱりすげえ」
まるでホセ・メンドーサが矢吹を中盤追い込んでいったように、
そんな感じでじわじわと村田を追い込んでいくGGG。
しかし村田も、
サムライスピリット全開で、
そんなGGGに時折凄まじいパンチで応戦。
ラウンドを経るごとに、
会場のボルテージがどんどん上がっていくのが、
手に取るようにわかるさいたまスーパーアリーナでした。
6,7Rで明らかに攻勢を取られている村田、
そして40歳になるというのに、
ラウンドを経るごとに研ぎ澄まされてくるような、
まさに怪物というしかないGGG、
そのコントラストは8回になってさらに顕著になってきました。
棒立ちになる村田に、
落ち着き払って「当たるところ、当たるところ」へとパンチをねじ込んでくるGGG。
ここにきて我々ファンも、
実際戦って(いるのを)みて初めて、
GGGの本物のすごさというのを体感したというかなんというか・・・・・・・
ホント、すごすぎる攻勢にさらされる村田を、
それでも最後まで涙目になりながら見る、
そんな展開となりました。
そして迎えた9R。
序盤から明らかに攻勢を取られ、
ロープに詰まって棒立ちの村田。
もう時間の問題か・・・・・
その時、
会場からひときわ大きな「村田コール」が。
手拍子も、
大きく、早く。
「村田、頑張れ!耐えろ!!」
そんな会場の悲痛な叫びに、
押し込まれていた村田が息を吹き返し、
最後の力を振り絞って攻勢!!!
一発、二発・・・・・・
GGGの顔面に渾身の力を込めてパンチを叩き込む村田。
会場中に悲鳴のような叫び声がこだまする中、
村田の最後の頑張りにファンがこぶしを握った直後、
GGGの狙いすました右フックが、
村田のこめかみというか、耳の後ろというか、
そこに当たってダウン。
即座に陣営からタオルが投げ込まれ、
村田諒太の長い旅は終わりを告げました。
しかし最終Rの魂の反撃、
そして潔く散った姿は、
ワタシに村田の「サムライの美学」みたいなものを、
確かに見せてくれました。
美しい敗戦でした。
試合後は村田もリングに残り、
インタビューも受け、
GGGのガウンを羽織り、
GGGと揃って会場のファンに両手を高く上げて応えていました。
村田諒太というボクサーの矜持が、
ビンビンに感じられた瞬間でした。
村田は死してなお名を残した日本のサムライたち同様、
我々ボクシングファンの心に、
深くその名を、姿を残してくれました。
日本ボクシング史上に燦然と輝く、
偉大なチャンピオンとして。
そして、
世界最高峰のボクサーと一戦交え、
はかなくも美しく散ったボクサーとして。
ちょうど桜が舞い散る季節です。
日本の桜のごとく、
村田諒太の「美しい敗北」は、
まだワタシにその余韻を残しています。
GGGは本当に強かった。
本当の意味での「世界のスーパースター」が来日して戦ったのは、
あのタイソンがダグラス戦を行った東京ドーム以来だと思います。
カザフスタン出身というバックグラウンドを持ち、
常に戦いはアウェーの地で行ってきたGGG。
やはりその経験と魂の骨太さは、
他のボクサーに類を見ないすごいものでした。
それを引退する前に目の当たりにできて、
なんという幸せなことでしょうか。
アマゾンプライムのボクシング中継も、
新しい地平を開いたという意味でも、
そしていろいろな意味で、
画期的なものだったと思います。
ついでに言えば、
解説が長谷川・山中両氏、
ゲストが井上尚弥というラインアップも、
素晴らしかった。
やっぱり配信だと、その前の2戦も端折らないでやってもらえるし、
ボクシングの新たな放送スタイルを見せてもらいました。
これがやっぱり、いいですね。
いろいろな意味で、
疲れたけれど素晴らしい夜になりました。
村田選手、
激闘をありがとう。
ゆっくり休んで、
これからのことを考えてください。
どんな道になったとしても、
応援しています。
さて、
この夜の”無念の部分”は、
きっと2か月後、
”モンスター”井上尚弥が晴らしてくれることでしょう。
その日を楽しみに、
待ちたいと思っています。
(この日にロマゴンさんのタイトルマッチも組まれると、いいなあ。)
ボクシングって、
やっぱり最高だなあ。。。。。。。。
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序盤はゴロフキンの動きも硬く感じられ、同時に明らかにボディを嫌がっていましたね。
あのGGGを後退させ、グイグイ攻めたてる村田に驚きとコーフン!
何度「これはイケる!!」と思ったことか。
スーパースターでもキャリア終盤に突然コロッと負けたりする発言をしましたが、
「ほらっ!やっぱり今日がその時なんだよ!」
ホント、鼓動が早くなっていました。
しかし・・・
徐々にリズムを取り戻しつつあるGGGのパンチをもらいはじめ、押し込まれるシーンが目立ち出してきました。
それでも、ラウンドの終盤には猛反撃にでるという一進一退の攻防にハラハラドキドキ。
会場も村田へ大声援を送りたいけど、感染対策を考慮し我慢している雰囲気が伝わってきてウズウズ。
しかしマウスピースを飛ばしたあたりから、明らかに劣勢になりましたね。
それでも一気に畳みかけることはせず、じっくり焦らず確実にパンチを当てくるGGG。
さすがとしか言いようがないです。
連続19度防衛、17連続KO勝ちの実力をまざまざと見せつけてくれました。
当然村田に勝ってもらいたかったけど、GGGにも負けてほしくはなかったのが本心だったのを気づかされました。
「WBAチャンピオン 村田諒太 VS IBFチャンピオン ゲンナジー・ゴロフキン」
ゴロフキンが日本で試合したんですよね。至福の時間、二人にありがとうと心から言いたいです。
未だに夢のような対戦のまま時が止まっています。
PS
今回ほど「パイレーツ・オブ・カリビアン」と村田がカッコよく、勇ましく、痺れたことはありませんでした。
また、切なくもあり感傷的になって、不思議な感覚でしたね。
方や「セブン・ネイション・アーミー」とGGG。
煽りVから最高でしたね!会場の観客もみんな食い入るように見つめていましたね。
そしてついに花道の奥にGGGが現れた瞬間、鳥肌もんでした。痺れましたねー。
圧倒的すぎるオーラ。感動です。
リゴンドーの時「ほんとに来たよ!」と思いましたが、今回はそれ以上に「うわっ。ほんとに来ちゃったよー!」。
一人でコーフンしてました。
ドネアが来た時も、山中の初防衛でダルチニャンが来た時も「おおーーっ!」と思いましたが、
ミドル級のスーパースターは遥か上をいっていましたね。
ボクシング好きにはたまらない瞬間だったのではないでしょうか。
最高!!!
それにしても生観戦うらやましいっ!というより、生ゴロフキン!!
最高の夜。お疲れ様でした。
凄い試合の余韻に浸っていて、
翌日は記事が書けませんでした。
すべてが素晴らしかった激闘ですが、
出来れば存分に掛け声をかけられる中、村田に戦ってほしかった。
もっともっと大きな村田コール、声を限りに叫びたかった。。。。。そんな試合でした。
月曜日に「クロ現」見ました。
相変わらず哲学者のような村田に感心しながら、やっぱりここで引退というのが、村田らしい引き際かと思いました。
そして真っ白に燃え尽きた矢吹ジョーを村田に重ね、
アマプラであしたのジョーのホセ・メンドーサとの激闘のくだり(5話)を一気見してしまいました。
まだまだワタシ、夢の続きを見ているみたいな感覚です。
2か月後、今度は井上とドネアのⅡですか?
こちらも見逃せませんが、いくらかは落ち着いてみることが出来そうです。