第92回全国高校野球選手権大会 予選展望
【岡山】(57校)
関西の有利は変わらず。止めるのは投充実の岡山東商か、岡山理大付か。
◎ 関西
○ 岡山東商 岡山理大付
△ 倉敷工 倉敷商 玉野光南 興譲館
戦力充実の関西がトップ。左腕エース堅田の安定感はピカイチで、相手に点をやらない野球が浸透。打線の整備がうまく行けば揺るぎなきトップ当選を果たせそう。岡山東商は、秋春共に決勝進出し、春は県制覇。チームは強力な2枚看板の投手力を中心に守りきる野球だ。これに同じく投手陣の層が厚い岡山理大付が続く。倉敷勢では、倉敷工と倉敷商が双璧だが、覇権を握るほどの戦力ではない気がする。波に乗りたいのは興譲館。
【広島】(98校)
全国制覇を狙う大型チームの広陵。挑戦状叩きつける春中国制覇の広島工。
◎ 広陵
○ 広島工
△ 祟徳 如水館 尾道
広陵の独走かと思われた夏の陣だが、追い上げる勢力の底上げで、広陵とて安穏とはしていられなくなった。その広陵だが、150キロに届くエース有原の剛球と切れ味鋭い打線の迫力で、優位は動かない。追っていく広島工には、勢いが出てきた。春の中国大会優勝ですっかり自信をつけ、夏はガチンコ勝負を挑んでいく。祟徳は4番浜田が引っ張る打線の破壊力で、打ち勝つ腹積もりだ。尾道も粘りの攻守で上位をうかがい、如水館は伝統の夏の強さで大逆転を狙う。
【山口】(59校)
絶対的エース・岩本の南陽工。高川学園は名将に率いられ暴れまわる。
◎ 南陽工
○ 高川学園
△ 華陵 宇部商 防府
南陽工には、昨選抜で優勝候補・PLを見事に抑えきったエース岩本がいる。今年はやや低迷していたが、最後の夏を迎え状態は上向き。140キロを越すキレのある球で勝負。この岩本を打ち崩さない限り甲子園はないが、一番可能性を持つのは高川学園か。中野監督は東亜大で3度も日本一に輝いた名将。そのエキスを高校野球に持ち込み、甲子園での大暴れを狙う。連覇を狙う華陵は今年も圏内にしっかりと控える。名門・宇部商は混戦になったときには力を発揮。
【鳥取】(24校)
ますます少なくなる全国最小県。一本の大黒柱で県大会の突破が可能だ。
◎ 倉吉東
○ 八頭 鳥取城北
△ 鳥取商 鳥取育英
参加校はわずかに24校。ますます絞られる県大会だが、それだけに他県とは様相が異なり、ひとりの大黒柱で逃げ切ることが可能な地区大会になる。その面から、あえて好投手・北田の倉吉東を筆頭候補に挙げたい。北田は真っ向から投げ下ろす速球が魅力。支えるバックはやや線が細いものの、勢いに乗れば95年以来の夏は手繰り寄せられる。追うのは春制覇の八頭、昨年Vの鳥取城北か。八頭は”八頭らしい”頭脳派の主戦がチームを支える。鳥取商、鳥取育英も狙いは一つ。
【島根】(39校)
どうなんだ、開星!実力は上だが精神的な面でのダメージが心配な夏。
◎ 開星
○ 石見智翠館
△ 立正大湘南 出雲 情報科学
野々村監督が選抜での舌禍事件で退任した開星の動向次第で、どうにでも転ぶ県大会となりそうだ。もともと力では他を圧倒していた今年の開星。全国レベルの攻守は目を引くが、それもベンチワークあってのもの。闘志が前へ向かうのか空回りするのか。追っていく勢力には、力で対抗できるチームは見当たらない。常に県内で勢力を二分している石見智翠館だが、今年のチームはスケールが小さい。おまけに投手陣の整備もまだまだ。春は優勝した出雲も、こじんまりとまとまったチーム。昨年代表の立正大湘南や情報科学、その他のチームが間隙をぬって出てくることも十分に予想される混戦の大会だ。
【香川】(40校)
寒川の連覇がなるか。尽誠・高松商の名門が巻き返すか。
◎ 寒川
○ 尽誠学園 高松商
△ 丸亀 英明 丸亀城西
絶対の候補がいない、ここ数年の県大会と同様の状況となっている。昨夏から3季連続で県大会を制しているのは寒川。安定感のある攻守は買えるが、しかし、ここが絶対とも言い切れない。追ってくる尽誠はようやく好素材が入学してくるようになってかつての輝きを取り戻しつつあるが、今年はまだ輝くには時期尚早か。高松商はなんとか古豪復活を遂げたいが、相対的に戦力は4・5番手に位置するといったところ。逆に春の県大会準優勝の丸亀や、192センチのエース・平井を擁する英明などの方が、一発の力は秘めている。
【徳島】(33校)
小松島の安定感は買える。しかし監督交代劇で勢力図が激変も。
◎ 小松島
○ 徳島商 鳴門工
△ 鳴門 生光学園 川島
ここのところ安定した戦いぶりを見せていた小松島に激震が走った。4月の異動で、名将・森影監督がこともあろうにライバルの徳島商に移ってしまった。ナインの動揺も大きいと思われ、小松島vs徳島商の”遺恨対決”ともあいまって、面白い県大会になりそうだ。小松島は相変わらず打線の破壊力は県内一。さて、その森影監督就任の徳島商。戦力的にはまだまだ、との評価だが、なにしろ徳島一の名門に名将の力が加わるとあって、OBを中心とした関係者の期待も高まっている。高橋監督の鳴門工も黙ってはいるまい。ここに鳴門や生光学園などが絡み、思いもよらないダークホースの出現もありそうな県大会となりそうだ。
【愛媛】(60校)
戦力は揺るぎない今治西。済美も大型チームで覇権争いに参戦だ。
◎ 今治西
○ 済美
△ 新田 松山商
今治西は選抜での悔しい負け方を払拭したい夏になる。とはいえ、四国では圧倒的に出場校が多く、伏兵もそこかしこに点在する厳しい夏を勝ち抜くには、戦力の底上げがどうしても必要だ。大胆なコンバートに打って出た作戦が吉と出れば、春夏連続の甲子園に視界が開ける。ほぼ横一線で並ぶのが、済美だ。エース鈴木は体調不良で春の県大会をパスしたが、復調すればその”四国一”といわれる右腕を攻略するのは至難の業。相変わらずの攻撃力で直前の練習試合でも他県の強豪校に互角以上の戦いぶりを見せ、夏への狙いは変わらない。大型チームとの噂が高い新田も絡んでくる展開に、夏将軍・松山商はどういうチームで臨んでくるか。
【高知】(31校)
高知の4年連続Vがなるか。今年こそ待ったをかけるのか、明徳義塾。
◎ 高知
○ 明徳義塾
△ 岡豊 高知商
最近の高知は、明徳に対する過剰な意識が取れて、直接対決でも普通の戦い方が出来るようになった。後は甲子園でいかに実績を積むかだが、エース筒井を軸にかなり期待できる戦力になった。選抜では捕手不在でアタフタしたが、しっかりと修正して夏に臨む。今年こそ”高知の壁”を打ち破りたい明徳義塾は、素材の良い1年生を軸にすえるという、久々の戦略で県大会に臨む。”名前で勝負”が出来なくなった分、全員の力の結集が必要。岡豊は、伊野商で全国制覇の経験がある山中監督が自信を持っているチーム。エース田内で勝負する。名門・高知商は正木監督の復帰で活気付くが、戦力的には3強との間にはまだまだ開きがある。
【岡山】(57校)
関西の有利は変わらず。止めるのは投充実の岡山東商か、岡山理大付か。
◎ 関西
○ 岡山東商 岡山理大付
△ 倉敷工 倉敷商 玉野光南 興譲館
戦力充実の関西がトップ。左腕エース堅田の安定感はピカイチで、相手に点をやらない野球が浸透。打線の整備がうまく行けば揺るぎなきトップ当選を果たせそう。岡山東商は、秋春共に決勝進出し、春は県制覇。チームは強力な2枚看板の投手力を中心に守りきる野球だ。これに同じく投手陣の層が厚い岡山理大付が続く。倉敷勢では、倉敷工と倉敷商が双璧だが、覇権を握るほどの戦力ではない気がする。波に乗りたいのは興譲館。
【広島】(98校)
全国制覇を狙う大型チームの広陵。挑戦状叩きつける春中国制覇の広島工。
◎ 広陵
○ 広島工
△ 祟徳 如水館 尾道
広陵の独走かと思われた夏の陣だが、追い上げる勢力の底上げで、広陵とて安穏とはしていられなくなった。その広陵だが、150キロに届くエース有原の剛球と切れ味鋭い打線の迫力で、優位は動かない。追っていく広島工には、勢いが出てきた。春の中国大会優勝ですっかり自信をつけ、夏はガチンコ勝負を挑んでいく。祟徳は4番浜田が引っ張る打線の破壊力で、打ち勝つ腹積もりだ。尾道も粘りの攻守で上位をうかがい、如水館は伝統の夏の強さで大逆転を狙う。
【山口】(59校)
絶対的エース・岩本の南陽工。高川学園は名将に率いられ暴れまわる。
◎ 南陽工
○ 高川学園
△ 華陵 宇部商 防府
南陽工には、昨選抜で優勝候補・PLを見事に抑えきったエース岩本がいる。今年はやや低迷していたが、最後の夏を迎え状態は上向き。140キロを越すキレのある球で勝負。この岩本を打ち崩さない限り甲子園はないが、一番可能性を持つのは高川学園か。中野監督は東亜大で3度も日本一に輝いた名将。そのエキスを高校野球に持ち込み、甲子園での大暴れを狙う。連覇を狙う華陵は今年も圏内にしっかりと控える。名門・宇部商は混戦になったときには力を発揮。
【鳥取】(24校)
ますます少なくなる全国最小県。一本の大黒柱で県大会の突破が可能だ。
◎ 倉吉東
○ 八頭 鳥取城北
△ 鳥取商 鳥取育英
参加校はわずかに24校。ますます絞られる県大会だが、それだけに他県とは様相が異なり、ひとりの大黒柱で逃げ切ることが可能な地区大会になる。その面から、あえて好投手・北田の倉吉東を筆頭候補に挙げたい。北田は真っ向から投げ下ろす速球が魅力。支えるバックはやや線が細いものの、勢いに乗れば95年以来の夏は手繰り寄せられる。追うのは春制覇の八頭、昨年Vの鳥取城北か。八頭は”八頭らしい”頭脳派の主戦がチームを支える。鳥取商、鳥取育英も狙いは一つ。
【島根】(39校)
どうなんだ、開星!実力は上だが精神的な面でのダメージが心配な夏。
◎ 開星
○ 石見智翠館
△ 立正大湘南 出雲 情報科学
野々村監督が選抜での舌禍事件で退任した開星の動向次第で、どうにでも転ぶ県大会となりそうだ。もともと力では他を圧倒していた今年の開星。全国レベルの攻守は目を引くが、それもベンチワークあってのもの。闘志が前へ向かうのか空回りするのか。追っていく勢力には、力で対抗できるチームは見当たらない。常に県内で勢力を二分している石見智翠館だが、今年のチームはスケールが小さい。おまけに投手陣の整備もまだまだ。春は優勝した出雲も、こじんまりとまとまったチーム。昨年代表の立正大湘南や情報科学、その他のチームが間隙をぬって出てくることも十分に予想される混戦の大会だ。
【香川】(40校)
寒川の連覇がなるか。尽誠・高松商の名門が巻き返すか。
◎ 寒川
○ 尽誠学園 高松商
△ 丸亀 英明 丸亀城西
絶対の候補がいない、ここ数年の県大会と同様の状況となっている。昨夏から3季連続で県大会を制しているのは寒川。安定感のある攻守は買えるが、しかし、ここが絶対とも言い切れない。追ってくる尽誠はようやく好素材が入学してくるようになってかつての輝きを取り戻しつつあるが、今年はまだ輝くには時期尚早か。高松商はなんとか古豪復活を遂げたいが、相対的に戦力は4・5番手に位置するといったところ。逆に春の県大会準優勝の丸亀や、192センチのエース・平井を擁する英明などの方が、一発の力は秘めている。
【徳島】(33校)
小松島の安定感は買える。しかし監督交代劇で勢力図が激変も。
◎ 小松島
○ 徳島商 鳴門工
△ 鳴門 生光学園 川島
ここのところ安定した戦いぶりを見せていた小松島に激震が走った。4月の異動で、名将・森影監督がこともあろうにライバルの徳島商に移ってしまった。ナインの動揺も大きいと思われ、小松島vs徳島商の”遺恨対決”ともあいまって、面白い県大会になりそうだ。小松島は相変わらず打線の破壊力は県内一。さて、その森影監督就任の徳島商。戦力的にはまだまだ、との評価だが、なにしろ徳島一の名門に名将の力が加わるとあって、OBを中心とした関係者の期待も高まっている。高橋監督の鳴門工も黙ってはいるまい。ここに鳴門や生光学園などが絡み、思いもよらないダークホースの出現もありそうな県大会となりそうだ。
【愛媛】(60校)
戦力は揺るぎない今治西。済美も大型チームで覇権争いに参戦だ。
◎ 今治西
○ 済美
△ 新田 松山商
今治西は選抜での悔しい負け方を払拭したい夏になる。とはいえ、四国では圧倒的に出場校が多く、伏兵もそこかしこに点在する厳しい夏を勝ち抜くには、戦力の底上げがどうしても必要だ。大胆なコンバートに打って出た作戦が吉と出れば、春夏連続の甲子園に視界が開ける。ほぼ横一線で並ぶのが、済美だ。エース鈴木は体調不良で春の県大会をパスしたが、復調すればその”四国一”といわれる右腕を攻略するのは至難の業。相変わらずの攻撃力で直前の練習試合でも他県の強豪校に互角以上の戦いぶりを見せ、夏への狙いは変わらない。大型チームとの噂が高い新田も絡んでくる展開に、夏将軍・松山商はどういうチームで臨んでくるか。
【高知】(31校)
高知の4年連続Vがなるか。今年こそ待ったをかけるのか、明徳義塾。
◎ 高知
○ 明徳義塾
△ 岡豊 高知商
最近の高知は、明徳に対する過剰な意識が取れて、直接対決でも普通の戦い方が出来るようになった。後は甲子園でいかに実績を積むかだが、エース筒井を軸にかなり期待できる戦力になった。選抜では捕手不在でアタフタしたが、しっかりと修正して夏に臨む。今年こそ”高知の壁”を打ち破りたい明徳義塾は、素材の良い1年生を軸にすえるという、久々の戦略で県大会に臨む。”名前で勝負”が出来なくなった分、全員の力の結集が必要。岡豊は、伊野商で全国制覇の経験がある山中監督が自信を持っているチーム。エース田内で勝負する。名門・高知商は正木監督の復帰で活気付くが、戦力的には3強との間にはまだまだ開きがある。