明治神宮大会が、
いよいよ金曜日に開幕します。
高校の部、大学の部と、
二つのカテゴリーの全国大会が一つの球場で行われる、
秋の野球の大イベントです。
この明治神宮大会、
高校の部と大学の部では、
その位置づけは全く違います。
高校の部は、
言ってみれば『プレ選抜大会』。
今年の新チームでの秋季地区大会を制した強豪が集まるこの大会、
すべてのチームが選抜出場を確定的にしていますので(不祥事などで大会辞退する場合を除き)、
来年の春から夏にかけての、
各チームの『ひと冬超える前』を見るのに最適な大会です。
力を持ったチーム同士の戦いなので白熱することはしますが、
そこは『プレ大会』だけに、
『本気の本気で勝ちに来る』甲子園での試合や夏の地方大会のような、
”ギラギラした熱気”とは無縁の大会となります。
大会の日程も詰まっているので、
どうしても準決勝、決勝などの戦いでは【エース同士の投げ合い】にならないことが定番。
この神宮大会と同じカードが選抜で行われた場合、
全く違った結果になることも珍しくありません。
各校の戦術も秋と春では全く違いますしね。
しかし、
淡々とした戦いの中に、
キラリとした個性が光るケースも多く、
また淡々とした戦いだからこそ『本当の意味での各校の持っている力』が出るケースもあったりで、
興味深い戦いになることも多いですね。
春の本番に向けての一里塚として、
各校とも冬への課題を持ち帰って秋の集大成とする・・・・・・
という位置づけの大会でしょう。
予想はかなり難しく、
各地区のレベルはこの大会を見て図るということも多いのですが、
選抜大会に『明治神宮枠』があるのも事実なので、
各地区の選抜選考ボーダーライン上にいる学校にとっては、
気が気ではないと思われます。
例年仕上がりの早い九州勢がいい戦いをしますが、
今年の九州学院がどの程度の実力を持っているのかについては、
皆目見当がついていないというのが正直なところ。
旧チームから活躍した選手が多いとかネームバリューとかから言うと、
敦賀気比、浦和学院、天理、仙台育英あたりが”候補”に上がってくると思われますが、
『やってみなければわからない』としか言えませんね、毎年高校の部は。
【高校の部】
『出場校』
東海大四高(北海道地区)
仙台育英高(東北地区)
浦和学院高(関東地区)
東海大菅生高(東京地区)
静岡高(東海地区)
敦賀気比高(北信越地区)
天理高(近畿地区)
宇部鴻城高(中国地区)
英明高(四国地区)
九州学院高(九州地区)
『組み合わせ』
http://www.student-baseball.or.jp/game/jingu/2014/2014jingu_highschool.html
反対に大学の部は、
一年を締めくくる最後の大会にして、
梅雨の時期に行われる全日本大学野球選手権大会と並んで、
この明治神宮大会は『2大大会』の一つと位置づけられます。
要するに大学野球選手にとっては、
明確な【目指すべき大会】なのです。
それだけに各校のこの大会にかける意気込みはすさまじいもの。
苛烈を極めるリーグ戦を勝ち抜いた精鋭たちの集う大会です。
特に東京六大学、東都大学以外は、
リーグ戦を戦い勝ち抜いた後で、
他のリーグとの『明治神宮大会出場決定戦』が行われ、
そこに勝たないとこの晴れ舞台には立てません。
大学野球部にとってこの大会に出場するということは、
プロテニス選手が、
現在錦織が出場しているテニスのATPツアーファイナルに出場する8人に入る事ぐらい難しい事なのです。
特に関東の5リーグの上位校が集い明治神宮大会出場校(2校)を決める、
関東地区大学野球選手権大会は熾烈を極めました。
何しろこの春の全日本大学野球選手権大会では、
優勝(首都;東海大)、準優勝(神奈川;神奈川大)、4強(東京新;創価大)と、
上位を独占したのはこの5リーグのうち3リーグ。
おまけにその他でも、
昨年春の全日本大学選手権でも関東甲信越リーグ代表の上武大が全国制覇しています。
これだけの強豪が集まって戦った大会、
それを勝ち抜いてきたというだけでも、
どれだけ力を持っているか分かろうというものです。
そしてこの明治神宮大会でのもう一つのお楽しみは、
先のプロ野球ドラフト会議で指名された選手たちのプレーが見られるということです。
特に普段あまり見ることのできない地方大学の選手たちのプレーぶりは、
かなり必見です。
過去ワタシも、
楽天の則本や西武の秋山らのプレーを見に、
神宮まで足を運んだものです。
さて今年の大会。
毎度のことですが、
組み合わせの面から優位な位置(本来であればシードの位置)にいる、
東京六大学代表の明治と東都代表の駒沢が優勝候補の2強ということになりましょう。
他校と比べて1試合少ない位置にいるというのは、
トーナメントを勝ち上がるうえでは非常に大きなアドバンテージですからね。
しかし昨今の大会を見るまでもなく、
『六大学・東都の2強時代』
という感じはまるでなく、
今年は特に両大学ともに突出した力を持っているとは見えないため、
『群雄割拠の戦国大会』になる予感がプンプンとしています。
先ほどあげた『関東地区5リーグ』代表戦を勝ち上がってきた上武大、創価大が、
かなり明治・駒沢に実力で肉薄しているのではないかという感じがします。
順当に勝ち上がれば、
明治vs創価
駒沢vs上武
が準決勝で激突する組み合わせになっており、
そうなったら目の離せない激戦となりそうです。
しかしそうはいかせないと、
虎視眈々と上位進出をもくろむチームも多いですね。
東農大オホーツクのエース・風張、
九産大のエース浜田などは、
波乱を巻き起こす主役になる可能性は大いにあります。
ドラフト指名選手を擁する富士大、中部学院大に、
総合力で勝負の関大も面白い存在ですね。
一応 ◎ 明治 〇 上武 △ 駒沢・創価・九産
なんて予想を立てていますが、
ほぼ横一線に各校が並び立つという戦国大会です。
【大学の部】
『出場校』
東農大北海道オホーツク(北海道2連盟)
富士大(東北3連盟)
上武大(関東5連盟第1)
創価大(関東5連盟第2)
明治大(東京六)
駒澤大(東都)
中部学院大(北陸・東海3連盟)
京都産業大学(関西5連盟第2)
関西大(関西5連盟第1)
徳山大(四国・中国3連盟)
九州産業大(九州3連盟)
『組み合わせ』
http://www.student-baseball.or.jp/game/jingu/2014/2014jingu_college.html
さあ、いよいよ金曜日開幕です。
学生野球の熱き戦いに、
ご期待ください。