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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第103回全国高校野球選手権大会 大会展望

2021年08月07日 | 高校野球

≪第103回全国高校野球選手権大会≫

【大会総展望】


待ちに待った2年ぶりの夏。球児のやる気と嬉しさに満ちた大会が、まもなく開幕。

昨年、まさかの大会中止となったこの夏の甲子園。
厄災は突然やってくるではないですが、
まさかこの戦後一度の停滞も中止もなく連綿とつながり続けてきた日本の夏の風物詩である「夏の甲子園」が、
中止になるなんて去年の初めの時点ではだれも思いもしませんでした。

しかし中止になった。
昨年の3年生の球児たちの慟哭はいかばかりだったか、
今でもまだトゲのように胸に突き刺さるものがあります。

その無念をも背負って始まった今年の新チーム。
しかし昨年猛威を振るったコロナという怪物は、
今年は昨年にも増して人々から健康だけではなく、
生活に夢と希望をも奪い去って、
高笑いを続けている状況です。

昨年延期になった東京五輪は、
こんな中でもスポーツのチカラを世界に見せようという気概を持って、
現在無観客で開催中です。

多くの日本人にとって、
この東京五輪はまさに「待ちに待ったもの」だっただけに、
無観客開催となった時、
我々は一様に無力さを感じてしまいました。

しかし世界から東京に、
夢と希望と決意をもってアスリートたちが来日してくれて、
本当に力いっぱいの姿を連日見せてくれています。

ホスト国である日本の選手たちも、
決意と覚悟をもって世界の猛者たちと、
ギリギリの勝負をしてくれています。

その姿を連日画面越しに見ているワタシ達は、
心を揺さぶられ、勇気をもらい、
苦しい中に活力を与えてもらっていると信じています。
それこそが「スポーツのチカラ」そのものです。

アスリートたちは、
通常の我々の生活とはかかわってくることの少ない人たちです。
しかしながら、
彼らの頑張りや、その裏に隠れたすごい努力の日々は、
我々の心にグサグサと刺さってきて、
またその美しさ、強さ、潔さは、
ずっとずっと我々の心の中に住み着き、
一生離れることのない感動をも与えてくれるものです。

スポーツ好きおやじのワタシにとって、
「スポーツのチカラ」は絶対にあるんだ!!!!
そういつも声を大にして叫んでいるのですが、
そのことがこんなにも意識される年というのは、
もうないんじゃないかと思うほどです。

スポーツにとっても本当に重要な年なんだなと、
毎日感じて、意識している年となっています。


そんな中で、
今年の夏の甲子園は、
一般観客を入場させることはないものの、
両校の関係者やブラスバンドの応援もある「通常の大会」に非常に近い形で、
行われることとなりました。
関係者の努力には、いつもながら頭が下がります。

そして「甲子園が行われるぞ」という”希望”の中、
球児たちが戦った地方大会は、
激烈なものとなりました。

コロナ禍で練習や試合を制限されるという条件の中、
いつもの年よりも各チームの選手たちには、
なんというか「覚悟」のようなものを、
感じることができました。

そんな中で、
13連覇を続けていた福島の聖光学院をはじめ、
宮城の仙台育英などが連覇を途切れさせました。
一方でコロナの感染に不運にも見舞われた、
選抜優勝の東海大相模や、
一昨年の甲子園準優勝校・星稜や名門の福井商、佐久長聖などが「出場辞退」という形で大会を去りました。
鳥取の米子松陰は、一度は出場辞退を勧告されていたにもかかわらず、
選手たちの訴えや関係者の努力で、
一転して出場にこぎつけることができたというような出来事もありました。

今年は「そういう年の、夏の甲子園大会」という位置づけです。
代表になった各校は、
例年以上に自分の地区で敗れ去っていった各校選手たちの思いも背負って、
戦っていってほしい大会です。

毎度言う事ですが、
「夏の甲子園の最大の見どころ」は、
優勝に関するところにあるだけではありません。

優勝とは関係ないところにある一つ一つのプレーが、
感動を呼び起こして、
見ている人たちにとって「忘れられない一戦」になる。。。。
それこそが「見どころ」です。

『見どころは、すべての試合の中に転がっている』
それがワタシが思う、甲子園大会です。
だからこそ、熱心なファンは、テレビの前で朝早くから夕方遅くまで、
自分の郷土に関係ない試合にも声援を送り、高校野球を見続けているのだと思います。

そんな姿がすでに100年以上も続いている、
そんな大会なんです、夏の甲子園というのは。
すでに「夏の風物詩」というだけで語られるような存在ではない、
もっと大きく「日本のスポーツ文化の代表」として今年も行われる、
103回目の夏の甲子園。

球児には、
東京オリンピックにも負けない熱い戦いを、
見せてもらいたいと思っています。
熱戦を期待します。

そんなことを思いながら、優勝争いの見どころを探っていきたいと思っています。




大阪桐蔭が筆頭も、例年ほどの絶対感はない。近畿と東海勢に、強豪がそろう。

今の高校野球界、特に2010年代に突入してからというもの、高校野球は大阪桐蔭の存在を抜きには語れないという状況になって久しい。質の高い選手たちが素晴らしいプレーを見せるだけでなく、作戦面やそのグラウンドでのたたずまいなど、全国のチームが「学ぶところ満載」というのが大阪桐蔭という存在。だからこそその「絶対王者」という呼び方には、ただ強いというだけではなく、敬意が込められているのだ。その大阪桐蔭。今年のチームはここまでなかなか苦しい1年を送ってきた。松浦・関戸という150キロ超の「ドラフト候補」2枚看板の投手力に、例年のごとく全国屈指の猛打線、きめ細かい走塁や守備、そしてベテラン西谷監督の采配と、どこをたたいても弱点は見つからないチームという呼び声だったが、秋の近畿大会に続いて選抜でも初戦敗退。しかし選抜帰りで近畿大会を制しチームを立て直した今大会、通常であれば楽に突破してくる大会で、大いに苦しんだ。準々決勝、準決勝、決勝と3試合連続で終盤までもつれ込む大苦戦。しかしそこを負けないで乗り切るのが大阪桐蔭の真骨頂。準決勝や決勝はエース松浦が何度もあったピンチを乗り越えて、エースの矜持を見せた。150キロの速球は封印したが、四球から崩れるなどの不安定さはかけらも見受けられず、心強いピッチングだった。打線は府大会でもチーム打率4割超と力を見せつけ、特にトップの繁永と池田・花田で組む3・4番は驚異の破壊力を持つ。6度目の頂点に向け、心強いデータが並ぶが、心配は圧倒的に勝ち上がることがない今年のチームに、上位に行ってからの疲労がどうかというところか。今年も甲子園は大阪桐蔭を中心に回ることは間違いないだろう。そこを勝ち切れるかどうかが試される大会となる。
しかし今年の大会、大阪桐蔭がダントツの戦力を持っているわけではなく、力を持った各校は当然に優勝にフォーカスしていることであろう。その筆頭は大阪桐蔭とこのチームで3回対戦して2勝1敗と勝ち越している智弁学園と、兄弟校の智辯和歌山の”茜の2校”か。智弁学園は秋の近畿大会決勝と選抜の初戦で大阪桐蔭を破っている。チームの特徴はその強打で、チーム打率は.407。プロ注目の前川は1番を打ち6割以上の打率を残し、勝負強い中軸につなぐ。小畠、西村の2枚看板の投手力も安定しており、頂点まで駆け上がる戦力は十分に備えているといっていいだろう。その兄貴分に負けないと気合十分なのが智辯和歌山。今年は同県に剛腕の市和歌山・小園がおり、その打倒に力を注いできて、ついにこの夏その難敵を決勝で打ち砕いた。強打が注目されがちなチームだが、今年のチームはエース中西を中心に豊富な投手陣でしっかり守りの野球をできるところが強みだ。中西は150キロに届かんとする速球が威力十分で、しっかりと試合をものにできる好投手。甲子園でしっかりと打線が上げ潮に乗ることができれば、一昨年(3回戦)よりもさらに上位を狙える戦力だ。この近畿勢2校に迫るのが東海勢。愛工大名電は4強と言われた県大会で、自校以外のライバル3校をことごとく破って、文句なしに甲子園への切符を手に入れた。寺嶋、田村というプロ注目の好投手がしっかりとチームを支えたが、そのほかに野崎も控え、投手力は盤石だ。特に寺嶋は東邦、中京大中京という全国レベルの強打線に対して付け入るスキを与えなかった。打線は長打力で一気に、というよりも堅実につないでしっかり点を奪う。名電は「春の名電」と言われ、春は輝かしい実績を持つが、夏はずっと甲子園で勝つことが難しい苦しい戦いを強いられている。優勝候補に挙げられる今年、どんな戦いで勝ち上がっていくのか注目の的だ。同じ東海勢では、県岐阜商と静岡の評価も高い。静岡は県大会無失点の”ドクターゼロ”高須がエースに君臨。192センチの長身から投げ下ろす速球が武器だが、容易に四球を与えない制球力の良さも特徴だ。高須がどこまで投げられるかが上位に行けるかのカギになってくる。3季連続で甲子園の舞台を踏む県岐阜商は、鍛治舎監督によく鍛えられた好チーム。エース野崎に加え、小西が十分に試合をまかせられるようになり2本柱が確立したのが大きい。打線は追い込まれてからのノーステップ打法など鍛治舎メソッドが浸透しているが、4番の高木は3本塁打を叩き込む長打力を見せた。このほかで力を持つといわれるのは、なんといっても選抜準優勝の明豊。選抜ではエースは左の太田だったが、この夏は京本が完全にエースの座を奪い、圧巻のピッチングを見せ、決勝では3安打完封して見せた。チームの特徴である強打は、好機を逃さず集中打が出るのが特徴。そしてなんといっても明豊の強みは、しっかりとした守り。選抜でも何度もピンチを救った強烈な守りは、ここぞの場面で生きてくる。選抜での忘れ物を取りに行くには、優勝しかない。ナインはそこを見据えている。



優勝を狙える東京の2校は、初戦に難敵と激突。明桜はエース風間がどこまで投げる?!

東海大相模がコロナで大会を辞退、力のある花咲徳栄も敗退した関東勢では、今年は東京の2校の評判がいい。東海大菅生は、選抜では8強に進出したものの、自分たちの野球はできずにフラストレーションが残った大会となった。春は故障で戦列を離れていたエース本田の復調がどうなのかがチーム浮上のカギ。今大会は5試合に登板も、好調時にはまだまだ届かない投球ぶりで、2番手の桜井がしのいで勝ち抜いた。打線は「スピード&チャージ」で得点力が高い。本田の復調を待ちたいところだが、大阪桐蔭と初戦で激突する組み合わせとなってしまった。ここを抜ければ大きく浮上するチャンスだが、どのような戦略を練っているだろうか。二松学舎大付は、夏に覚醒したエース左腕の秋山が大会屈指にまで成長。32イニングで39三振を奪った内角のクロスファイヤーの威力は圧巻。大会前の時点で今大会の主役の座を奪っている明桜の風間は県大会で157キロを計測。体力が残っているうちは、どんな強打のチームでも攻略に骨を折るだろう。勝ち上がるために問題となるのはやはり打線か。ほとんど長打を期待できない打線が、小技を駆使してある程度の得点を奪えれば、金足農の旋風再び・・・・・となるのだが。力を持った常連はどうか。まずは連続出場の沖縄尚学だが、今年も切れ味鋭い打線にしっかりした投手力と、きっちりとチームを底上げしてきた。県大会終了から甲子園までかなり時間が空いたのが毎年のごとく心配ではあるが、波を引き寄せれば上位進出の可能性が出てくる。難敵・高知の森木を攻略した明徳義塾は、相変わらずのきっちりとした野球を行う。エース左腕の代木は球の出し入れで勝負できる左腕。ほとんどのチームは、前半でこの代木を攻略するのは難しいだろう。またその代木を支える守備陣は、大会屈指の守備力を誇る。ロースコアゲームで常に試合を展開できれば明徳の野球全開だが、2,3戦目以降に乱戦に巻き込まれるとどうしても弱点が出るのが明徳の泣き所。そのあたりをどう攻略していくか。今大会ではまず、初戦で鍛治舎監督の県岐阜商を攻略しなければならず、なかなか厳しい組み合わせになっているが、馬淵監督の腕の見せ所だ。
九州では、西日本短大付の評判もいい。全国制覇時のエース森尾をほうふつとさせるエース大嶋の右腕がうなると、面白いことになりそう。中国では広島新庄が実力通りの春夏連続出場。花田、秋山の2枚看板に、西井が加わり投手力は万全。打線も好調を維持しており、面白い戦力になってきている。北海道では北海が実力派。評判の左腕エース木村は南北海道大会終盤の3試合でかなり打ち込まれたが、しっかりと調整してくればなかなか打てる投手ではない。しかしその木村を援護する打線が、木村の急場をしのいで急成長。チーム打率はなんと4割を超すという覚醒ぶりに、北海道勢の大いなる夢を見ることができるか。関東で復活した2校はどうか。浦和学院は、豊富な投手陣で勝負。安定感のあるエース宮城に、吉田、金田というリリーフ専門の内野手がいずれもピンチに登場して見事なピッチングを見せる。打線は破壊力こそないものの、得点の取り方を熟知していて、総じて得点力は高い。1年生エース杉山を立てて激戦神奈川を制した横浜は、1年生4人がベンチ入りをして、先をも見据えた戦いをする。新監督である村田監督の采配にも注目だ。


優勝候補に上がらずとも、今大会は優勝まで駆け上がる可能性は十分。多彩な代表校で楽しみなチームが多い。

ダークホースにはかなりの数の学校の名前が挙がる。彼らと優勝候補との差はほんのわずかで、波に乗れば上位に顔を出すことは十分可能な大会になりそうだ。まずは春の関東大会を制した専大松戸。横手投げで制球力抜群のエース深沢に、春以降グッと力を伸ばした岡本が控え、投手力は万全。あとは甲子園でほとんど自分たちらしい試合ができないというジレンマを克服したいところだ。地力はある。選抜以降公式戦負けなしの敦賀気比も、粘りを持った強力打線は全国屈指の破壊力を持つ。あとは投手陣が全国レベルの相手にどう投げるか。選抜を経験した近畿の2校、京都国際神戸国際大付も実力派。いずれも選抜では勝利を挙げており、夏も1勝してさらに上を狙う。関東の常連校、5大会連続の前橋育英、10大会連続出場の作新学院は、甲子園慣れという点ではこれほどのチームはない。戦力的には際立ったものはないが、相手とすればいやなチームだろう。盛岡大付は、今年も強打が看板。主軸を打つ金子は、県大会で5本塁打を叩き込み注目の選手だ。
樟南は、実に樟南らしい左腕の好投手・西田で一波乱を狙う。チェンジアップ、カットボールを駆使して相手を翻弄する左腕の投球に注目だ。
3大会連続出場の近江は今年は下級生ながら4番でエースの山田に命運を託す。倉敷商高松商の両名門校は、まずは1勝を目指す。ともに接戦で県大会を勝ち抜いてきており、粘り強さで勝ち上がりたい。
弘前学院聖愛は、八戸学院光星と青森山田という「青森2強」を連続して破っての嬉しい甲子園。その力を見せつけたい。強打の日大山形、粘りの日大東北の両日大勢は厚い壁を破っての甲子園。ひとあばれを狙う。相変わらずの強打で勝負の日本文理、県大会6試合でなんと100点を挙げた三重の強打も期待したい。松商学園高岡商は甲子園常連。松商学園は37度目、高岡商は21度目の聖地だ。小松大谷は、星稜に最終回8点差を逆転されて甲子園を逃がした苦い記憶を払しょく。2度目の甲子園に挑む。
阿南光は新野時代以来2度目の夏。選抜で準優勝の経験もある新田は、夏はなんと初出場。ほとんどメンバーを固定して、甲子園をつかみ取った。佐賀で初出場の東明館もほぼ9人野球で初の甲子園。実力は折り紙付きだけに、何とか1勝して帰りたい。長崎商は粘って接戦の連続を制して甲子園を手繰り寄せれば、宮崎商は春夏連続の夢をつかんだ。熊本工は、今大会屈指のチーム打率.428。ホームランはないものの、つないでつなぐ強力打線。初出場の東北学院は、仙台育英の厚い壁をついに破り130年の学校の歴史に花を添える。鹿島学園は日大の名将・鈴木監督に率いられて常総を破り初の甲子園。守りの野球で波乱を起こす。日本航空は新たなグラウンドが竣工してから初めての甲子園。エースヴィデルナと主軸のエドボロに期待。
スモールベースボール得意の鳥取野球の雄、米子東は、なんとチーム打率.434というびっくりな記録で進出。その打線、見てみたい。石見智翠館は5試合でわずか2失点、失策も1と守りには自信を見せる。高川学園もメンバー固定で県大会を圧勝。エース河野は左腕の好投手。


どのチームにも優勝のチャンスがあり、どの強豪も気を抜くとやられてしまうような、ヒリヒリとした雰囲気の漂う戦国大会になる予感の今年の夏の甲子園。
2年分の夏の思いを胸に、
はじけるような素晴らしい戦いを、期待しています。


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