先週末に日本シリーズが終わり、
いよいよシーズンオフになったプロ野球。
それと同時に、
今年も悲喜こもごもの季節が始まりました。
まずはシーズン終了と同時に始まった今年の戦力外通告。
各球団ともベテランの選手や目の出なかったファームの選手を中心に、
かなりの人数がプロ野球から去っていくということになるでしょう。
そしてFAも解禁。
毎年FAの草刈り場となっている西武は、
去年までも毎年エース級投手などの流出に苦しんでいましたが、
今年は昨年までとは比較にならないぐらいの激震が走っています。
今年チームの中心として活躍したキャプテン・浅村のFA宣言です。
いうまでもなく今年の打線の中心となってチームをトップにまで導いた大功労者。
「浅村の前に浅村なし、浅村の後に浅村なし」
のまさにフランチャイズプレーヤーの彼。
CSで敗退した際には大粒の涙を流して悔しがった彼ですら、
ためらうことなく新たなチームを模索する西武という球団、
それほど魅力はないですかね?
同時に今年ポスティングする菊池雄星、
そしてFAの炭谷については、
彼らの気持ちよくわかるんですが、
浅村については「いったい彼の望むものは何?」
というのが正直な気持ちです。
と同時に、
やっぱりこのFAという制度は、
「あっという間に選手はチームを去っていくなあ」
という気持ちにさせられてしまいますね。
しかし他のチームでは、
ほとんどこういうことは起こっていないわけです。
例えば巨人は、
坂本、長野、沢村らはFAの権利を持っていますが、
「FA権を行使する」
なんて話は、
シーズン中から全く聞こえてきませんもんね。
SBも柳田、長谷川らはFA権を得ていますが、
柳田なんかはもう昨年長期契約を結んでいますからね。
FAの草刈り場と化しているのは、
西武、日ハム、オリックス、広島ってところですかね。
毎度毎度、
選手が流出しているというイメージがありますね。
その中でも西武は、
かなりすさまじいんじゃないかな?
FAを得た選手たちは8割方行使することは間違いないし、
それ以上の選手については、
FAの前にもうポスティングで海を渡っちゃいますからね。
2017 野上(巨人) 牧田*(MLB)
2016 岸(楽天)
2015 脇谷(巨人)
2014
2013 涌井(ロッテ) 片岡(巨人)
2012 中島(MLB)
2011 許(オリックス)帆足(SB)
2010 細川(SB)
2009
2008
2007 和田(中日)
2006 松坂*(MLB)
2005 豊田(巨人)
2004
2003 松井(MLB)
それ以前 清原(巨人) 工藤(SB) 石毛(SB)
まあよくもこれだけ、
「超主力」ともいうべきチームの核になっている選手が、
次から次へと出ていくものですね。
長く見続けている者にとっては、
チーム創世の1978年から15年間ぐらいの「そこのけそこのけ」の時代を体験しちゃっているからなのか、
その時代とのギャップが大きすぎてもう、
悲しい思いばかりをしています。
はあ、なんでこうなっちゃったのかなあ・・・・・・と。
それでも今年は、
辛酸をなめつくした長い年月から、少し雲間に光が・・・・・って感じだったんですが、
うたかたの夢のように、自慢の猛打線は「めでたく解体」ということに相成りそうで。
ワタシはMLBも同じぐらいの熱で見ているので(近年は少しその熱も冷めかけですが)、
チーム作りというものに日本のチームとMLBのチームの中で大きな差があるのは、
感覚としてわかっているつもりです。
MLBはエンジェルスを長年応援しているのですが、
毎年毎年チームが代わっていくのは仕方がないことというよりは「それがチームというもの」という感覚で見ているため、
主力が流出してライバルチームで活躍していても特に何とも思わないのですが、
日本のチームを見る場合はそんな割り切りは持てないですね。
メジャーと違ってチームが抱えている選手の数も少ないので、
ほとんどの選手をドラフトから見続けてきて、
その選手に思い入れを持って応援していますからね。
ドラフトで指名された期待いっぱいの高卒の選手が1軍に上がって次第に活躍し始め、
レギュラーを奪っていき、そしてスターになっていく。。。。。
そんな姿を見るのが大好きで、
掛け値なしでその選手を思い入れいっぱいに応援できるというのが、
日本のプロ野球の良さではないかと思ったりしているのです。
しかし今の制度、
ようやくチームを引っ張っていくような選手になって3年ぐらいすると、
チームに『さよなら~』って言って去って行っちゃうんだよな~。
浅村にしても菊池にしても、
「よしっ これから」
という時にチームを出て行っちゃうので、
なんだかワタシ、
「もう高卒の選手はいいから、大学、社会人出身の即戦力だけを狙ってドラフトをしたらどうなのかな?」
って思っちゃうときすらあります。
本来ならば高卒の選手が育っていく過程ほど楽しいものはないんだけどね。
でも早めに育てば育つほど、
その選手がピークを迎える前に球団を去ってしまうということが起きるので、
一般的に選手がピーク年齢になる30前後をチームで過ごしてもらえるのであれば、
大学、社会人出身の選手っていうのがいいような気がするんですけどね。
これがFA流出に備えなくてもいい巨人、阪神やSBみたいな球団は、
高卒のフランチャイズプレーヤーを育てればいいんじゃないかな・・・・・なんて自虐的の思ったりしています。
オーナー企業の使う金の規模によってチームの強さが決まってくるというのは、
今や世界中のメジャーな競技ではどこでもあることですね。
しかし著しい戦力の不均衡を生むのであれば、
少しは改善してもらいたいというのが、
ワタシの切なる願いです。(むなしい願いですが)
日本のプロ野球という世界においては、
ぜひサラリーキャップ制を導入してもらいたいものです。
MLBでもNFLでも、
その制度が少しだけ、
「青天井の契約金額(年俸)の吊り上がり」
に歯止めをかけているという現実もありますから、
MLBの制度をまねて新たな制度を導入し続けているという日本球界においては、
そのあたりの導入も考慮してくれたらいいなと思っています。
現状での、
SBと年俸総額下位6チームの間には、
2倍以上の差がありますから、
このギャップを何とか埋めることはできないでしょうかね。
それがサラリーキャップ制の導入理念でしょうから。
かつて日本のプロ野球は、
ドラフト制の導入で自由獲得競争の行き過ぎを是正して、
結果的にじわじわと「巨人1強」を崩していきました。
そしてFA制の導入で、
西武というチームの栄光を完全に崩しました。
果たして「3度目の大改革」はあるのか?
そんなことを、
「浅村、菊池、炭谷が流出したら、チームはガタガタやなあ……」
とグチりながら、
考えていました。
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