課題満載のテストマッチ エディージャパンと今との違いは、覚悟の差。

快晴の土曜日。
東京、味の素スタジアムで、
ラグビー日本代表のテストマッチ、
アイルランド戦（第２戦）が行われました。

静岡での第１戦で５０点以上の失点をして大敗した日本代表。
世界ランキング第３位のアイルランドを迎えて、
これ以上ない強化試合となるこのテストマッチで、
≪２０１９年に向けた日本代表の形≫の片りんを見せてほしいという試合でした。

この第２戦では、
日本代表もアイルランド代表も若手中心の先発メンバーで臨み、
これからチームを担っていくであろう選手たちの戦いに、
ファンは沸き上がりました。

試合の方は、
日本代表はいいようにやられっ放しだった第１戦での守備を修正して、
持ち味である低いタックルが随所に飛び出していましたが、
まだまだチームとして全く練れていない点が表れてミスを連発。
開始３分でミスから先制点を奪われると、
前半にずるずると失点を重ねて、
最後は３５－１３で大敗してしまいました。

『後半は互角に戦った』とは言っても、
これは第１戦にもみられたこと。

前半で大量リードを奪っているチームは、
後半にはシャカリキになって攻めてこないだけ・・・・・という風にも見えてしまいました。

SHとして起用された流、
FBで２戦とも先発した野口ら若手は、
アイルランドのプレッシャーを感じる場面でミスを止めることができず（あるいはミスさせられていたか？）、
『まだまだだなあ・・・・・』ということを強く感じました。

思えば前回W杯のエディージャパン。

日本は３勝を上げましたが、
この日本チーム大躍進の原動力は、
なんといっても『低く突き刺さるタックル』と『規律をチーム全員で守り、意思の統一ができていた』
ということではないかと思います。

そこでできた優位性で、
最後決め手を持つBK陣が決めきるというのが勝ちのパターン。

しかしその作戦を実行するためには、
本当に『ここまでやるのか』というぐらいの訓練が必要だったということは、
W杯後何度も何度も繰り返しテレビや雑誌のドキュメンタリーで語られてきました。

選手一人一人に、
なんだか『覚悟』のようなものが備わっていて、
まさにワタシ、彼らの一人一人に”サムライの魂”を感じることができました。

しかしW杯の中間地点である今日においては、
まだ【桜のジャージ】を身に着けている選手たちには、
そこまでの覚悟を感じることはできませんでした。

まだ先が見えていない、
チームを作り出したばかりということで、
致し方ない部分はあると思います。

しかし、
あるようでないのが時間というもの。

『まだまだ時間はある』
と思っていると、
あっという間に『その時』はやってきますよ。


そして一番変えなければいけないのは、
我々ファンのマインドかもしれません。

前回W杯で３勝を挙げ、
しかも３強の一角を占めていた南アフリカを破ったことで、
『日本代表は世界でも戦える』から、
『強豪恐るるに足らず』
というマインドになっちゃあいないでしょうかね。

ワタシもなんだか、
そんな気分になっていて、
今回もアイルランドを迎えるにあたって、
『メンバーが１．５軍クラスじゃ、勝たなければだめだな』
なんて思っていました。

しかし実際にアイルランド戦を目にすると、
『これが世界トップクラスとの違いか』
とその違いを目の当たりにして、
ガツ～ンと後頭部をハンマーで殴られたような気がしました。

まだまだ日本のラグビーと世界の強豪では、
埋めきれないほどの大きな差があるのだな！
そんなことを改めて分からされたような気がします。

しかしひるんでいる暇がないのと同時に、
悲観することもありません。

日本代表が目指す８強よりも、
アイルランドはずっと上に位置しているのですから。

この『差』を実感して、
それを埋める作業をハードにしていけば、
必ず本番までに、
また日本代表は復活してくれるはずだ・・・・・そんな風に思っています。

土曜日に味スタに足を運んだコアなラグビーファンは約３万人。
いい雰囲気の中での試合となりました。



この味の素スタジアム、
２０１９年のW杯では開幕戦の会場となります。

その時は間違いなく、
５万人の大観衆が、
日本の戦いを目にすることでしょう。
そして声をからして、
大声援を送るはず。

その時に対戦するチームがどこかはわかりませんが、
このアイルランドである可能性もあります。

さて、
日本代表。

その時は、
ぜひ前回W杯の南アフリカ戦の再現を。

よろしく頼みます。