イチロー 着々と積み上げるそのヒットの先に

今季も話題満載のMLB。

ワタシは個人的には、
大ファンであるエンジェルスがどうやら低迷の第一歩を刻んでいるシーズンに見えて悶々としているのですが、
一方では日本人選手たちの活躍をわくわくしながら見ています。

投手ではドジャースのマエケンがしっかりローテを守り、
マーくんも決して絶好調ではないながら毎試合好投を見せています。
ダルビッシュも復帰して相変わらずのすごい球を投げ続けていますし、
大ベテランの上原や田沢のレッドソックスは世界一を奪回するために絶好の位置につけています。
岩隈もそこそこローテを守っているし、
日本人投手の活躍はまさに枚挙にいとまがありませんね。

考えてみれば、
このMLBで活躍する投手を集めたら、
ものすごい投手陣が作れますね。

マーくん、マエケン、ダル、岩隈のローテなんて、
よだれもんです。

一方野手はMLBに挑戦する選手自体が少なくなっている（挑戦を望んでも手を挙げてくれないという事情もありますが）現在で、
ひときわ光るのはやはりイチロー選手以外にありません。

何しろMLBで3000本もの安打を打とうという選手ですから、
『イチローの前にイチローなし、イチローの後にイチローなし』
の空前絶後の選手ということが言えるでしょうね。

現在MLB通算2968安打。
3000本安打まであと32本ですね。

ちなみに日本では、
日米通算4246安打で、
あのピート・ローズの通算安打記録にあと10本なんて報道されていますが、
この記録はあくまでも【参考記録】ということで、
あまり報道しても意味のないものだと考えています。

実際にアメリカでは、
何の意味もないトリビア的な記録というスタンスですからね。

日本では大騒ぎだけど世界的には全く……
というのは、
先に報道されたモハメッド・アリvsアントニオ猪木の異種格闘技戦を、
『世紀の対決』
と勝手に言っているのと同じ構図ですかね。

真剣で一分もショー的要素の入り込む余地のないボクシングという競技と、
ショー的要素満載のプロレスという興行が『真剣に戦う』ということが、
まったくアメリカや世界では認識されていなかったでしょうからね。
『エキジビションマッチ』
そのものの扱いということでしたよね。

イチローの記録も、
あくまでMLBで達成したものはMLBの記録として処理されるべきで、
無理やりNPB時代の記録と合算する必要は、
どこにもないのではないか・・・・と思います。


まあ、それはさておき、
イチローは本当に、
日本が誇るべき野球のスーパースターですね。

実際にグラウンドで見せる彼のパフォーマンスは、
ヤンキースに移り40歳を迎えたころから明らかに落ちているとは感じるのですが、
ワタシは今のイチローのプレーやそのグラウンド上でのたたずまいに、
なんとも言えないコクのような味わい深さを感じます。

若いころの何ものをも恐れないイチローについては、
ワタシはすごい選手だという畏敬の念を抱いてはいましたが、
決して彼の”ファン”ではありませんでした。
野茂、松井に感じたシンパシーを感じることはできませんでした。

しかしながら、
一昨年、去年、今年・・・・
厳しい状況に置かれながら黙々と自分を変えずにプレーし続けるイチローの姿は、
本当にワタシにその誇りを見せつけてくれていて、
本当の意味で『かっこいいなあ』と感じています。

遅きに失してはいますが、
ワタシは今『イチローのファン』です。
やっぱり彼は『サムライ』です。

その彼が打ち立てるであろう、
MLB3000本安打という金字塔。

こんな選手が、
まさか日本人で現れるとは20年前ぐらいまでは夢想だにできませんでした。

大記録を達成した後は、
心行くまで、
契約が続く限りプレーを楽しんでほしいし、
ワタシたちにそのプレーぶりを見せてほしいと思います。

齢（よわい）43にして、
いまだ守備と走塁では、
MLBでトップクラスだとワタシは思っています。

打撃は年々厳しくなってくるでしょうが、
持ち前の探求心でその衰えを克服して、
『イチローは50まで現役をやったんだよ！』
と孫子の代まで、
我々野球ファンに”伝説”を語らせてほしい。

そんな稀有な選手ですね。

山本昌・・・カズ・・・・そしてイチロー。

我々の世代にもこんなに素晴らしいプレーヤーがいたということを、
心に焼き付けておきたい、
イチローの大記録です。