中日の和田一浩外野手が、
ついに2000本安打を達成しました。
42歳11か月での達成は、
同じ中日の谷繁監督を抜き、
最年長。
長きにわたり活躍した和田に、
勲章が加わりましたね。
97年に西武に入団して、
西武で11年を過ごし、
その後FAで中日に移籍。
今季で中日在籍8年目のシーズンを迎えます。
愛称はベンちゃん。
和田選手というよりもベンちゃんと言った方が、
なんだかとてもスッと心にしみてくる感じの選手です。
正直に言うと、
中日に移ってからのベンちゃんについては、
ほとんどその活躍を見ることはありません。
ワタシは、
日本シリーズなどをのぞいて、
中日の試合を見ることって、
ほとんどありませんので。
それでもベンちゃんが活躍しているのを聞くと、
何だかうれしくなってしまう自分がいるのも確かです。
実はFAの本格導入以降、
FAで西武を出ていった選手を、
個人的に応援することって、
ほとんどありません。
トレードは別として、
FAで移籍して出ていった選手って、
何だかどうしても『後ろ足で砂かけて出ていきやがった』
と思ってしまう心情がぬぐえません。
MLBでの移籍と違って、
どうしても日本は『義理と人情』の浪花節の世界が、
野球の世界にも残ってしまいますからねえ。
仕方ないかもしれません。
たいして活躍もしなかったのに、
主に金の問題が中心で出ていった選手(ワタシがそう思っている選手)は、
どうしても応援することはできません。
特にFA導入以降の西武は、
その前の黄金期を築いたころには考えられないような『渋ちん球団』であり、
『FAの草刈り場』として、
毎年毎年、
『主力選手のFA流出』
に泣かされてきた球団だから、なおさらそう感じてしまうかもしれないですね。
そんな中でベンちゃんは、
数少ない『応援し続ける選手』です。
まあ、
彼の人柄がそうさせるのかもしれません。
そんなベンちゃん。
高校-大学-社会人を経ての遅いプロ入団。
それも捕手として。
森西武が終焉を迎え、
東尾西武が船出したその頃のライオンズでしたが、
退潮傾向は隠せず。
黄金期を迎えた選手は続々と球団を後にし、
残った選手にも高齢化の波が押し寄せていました。
西武は主力の中では伊東捕手を幹部候補ということで引き止め、
彼を中心にチームを再構築しようとしていましたが、
その彼とてすでに選手としては晩年。
そこでその頃の西武は、
『伊東の後釜』をしゃかりきになって探していたという記憶があります。
和田は社会人の好捕手というふれこみで、
主に『即戦力でのバックアップ要因』としてドラフトされたのだと思います。
しかし捕手としては大成できず。
次第に打力を生かし、
外野手としての試合出場が増えて行ったと記憶しています。
だが入団5年目までは、
『打者としてはいいものを持っている』ものの、
イマイチレギュラーには定着できず、
『1軍半の選手としての野球人生かなあ』
と思われていましたね、ファンには。
まあ、
走塁、守備などの総合的な部分では、
ちょっと『?』マークがつく選手だったのも確かですから。
しかし2002年に突如、
ベンちゃんは大ブレークを果たします。
その年は、
4番に前年入団して早速ホームラン王のタイトルを獲ったカブレラが座り、
和田は5番として起用されました。
それが当たりましたね。
この年から監督になった伊原監督は、
満を持して『5番・レフト・和田』を固定して、
.319 33本塁打 81打点と大ブレークを果たしました。
カブレラ⇒和田
とつながるクリーンアップの破壊力は、
それはすごいものでした。
ある試合を観戦に行ったとき、
カブレラと和田のホームランの『アーチ』が見たくて三塁側に陣取ったワタシ。
すると早速カブレラが、
ありえないぐらいの高弾道の『ドームなのに場外ホームラン』を放ち、
我々の度肝を抜いてくれました。
そしてすぐさま和田が、
今度は和田らしいマッハの弾丸ライナーで中段まで運ぶ連続ホームラン。
その試合は、
西武戦の観戦歴の長いワタシにとっても、
思い出に残る『凄い試合』となりました。
和田の打球は、
本当に弾丸ライナーでの速い打球が多い。
その弾道に、
魅了されました。
しかしその一方、
和田にいつもついて回っていたのは、
『勝負弱い』
ということと、
『ゲッツーキング』
ということ。
しかし02年から05年の4年間ぐらいは、
カブレラ-和田の【最強のデュオ】で、
楽しませてもらいました。
何だか06年ぐらいからは両者ともに、
なんとなく『全盛期は過ぎたかな?』という感じになって、
07年を最後に両者ともに移籍して、
この時代は終わりを告げるのです。
和田選手には何回か声をかけさせてもらったこともあるのですが、
律義で誠実で、
プロ野球選手にありがちな『う~ん』と唸っちゃうようなネガティブなところ、
全然ありませんでした。
人柄がいいのですね。
そして西武時代のベンちゃんといえば、
『独身会会長』
と言われるぐらい、
結婚も遅かったという記憶があります。
しかし昨日2000本安打を達成した時には、
スタンドで奥さんと小さいお子さんの姿が捉えられていました。
幸せそうな姿に、
『ベンちゃん、よかったね~』
と嬉しくなっちゃいました。
記録を見ると、
和田の選手としてのピークは、
この後FAで中日に移籍してからのようですね。
毎年活躍の幅を広げ、
2010年にはMVPも獲得していますね。
程なく43歳を迎えますが、
まだまだ意気軒昂な打撃職人。
これからの活躍が、
本当に楽しみです。
あのベンちゃんが、
名球会入りかあ。。。。。。
見事なもんです。
山本昌が投げ、
谷繁が捕る。
そして和田が打つ。
『マスターズリーグかよ?!』
という声も聞こえてきそうな中日の布陣ですが、
何とも言えない魅力にあふれている気もしますね。
マサ投手の復活にも期待して、
中日の試合もちょっとウォッチしていこっかな。
繰り返しになりますが、
ベンちゃん、2000本安打おめでとう!!!!!