22日から、選抜高校野球が始まります。
本命不在といわれる今大会の、大予想をどうぞ。観戦のお供に。
≪第80回選抜高校野球大会予想≫
いばらの道続く2強!間隙を縫ってどこが出る?
横浜・常葉は8強激突か。沖縄尚学も圏内に来そうだ。
今年の選抜高校野球は、近年と比べても突出したチームがなく、群雄割拠の様相を呈している。
昨年はノーマークだった常葉菊川と大垣日大が覇権を争う展開となったが、
両校とも1回戦を終了した段階では、「優勝に絡むのでは」と、大会前の評価を一変させている。
それだけ仕上がりがよかったということだが、春のセンバツは秋の評価を参考にしているので、
一冬越して、どれだけ実力を伸ばしてきたかが問われる大会なのだ。
秋の大会から見てみると、やはり秋の日本一を争った常葉菊川と横浜が優勝候補の双璧と見るのが妥当だ。
しかしながら、実際のところ、初戦を見てみないことには、予想は難しい。
抽選が終わった段階で、リリースされている練習試合の様子や仕上がり具合などから総合的に判断すれば、
大体以下のような優勝争いになるのではないかと思われる。
大激戦のBブロック。横浜も常葉も初戦がまず大きなヤマ
まずは大激戦のBブロックから。
戦前の予想ということでは、秋の明治神宮大会で覇権を争った、横浜と常葉菊川が中心であることは
間違いない。両チームともに、投打のバランスの良さと接戦での強さが光る。また、各チームの打撃が
仕上がっていないセンバツでは、左投手が有利ということもいわれている。
「左はセンバツを制す」の格言からも、この両チームが安定感のある左腕エースを擁していることは
有利な材料だろう。横浜・土屋、常葉・戸狩ともに力でねじ伏せるタイプではなく、キレが持ち味の
崩れにくいタイプ。今大会で大きく崩れることは、ちょっと考えにくい。両校にとっては、安定した勝負
が出来そうであるが、立ちはだかる初戦の相手が、両校ともに難敵だ。
横浜との対戦が予想される東北にも、左腕エース荻野がいる。打線は全国レベルではまだまだだが、
荻野に一世一代のピッチングをされると、横浜といえども大量点は望めない。しかも、東北は初戦をやってから、
待っている横浜に挑むという構図だけに、横浜としては気の抜けない対戦となった。
常葉も九州大会優勝の明豊と激突する。
明豊はチーム打率.380以上の打線が売り物だが、この打線、数字以上に勝負強さが光る。
戸狩にとっては、昨年の初戦・仙台育英以上の敵だが、戸狩の実力を見るには格好の相手だ。
まず初戦を突破して、勢いに乗りたい。
そのほかにも実力派の千葉経大付、4季連続出場の今治西、3年連続出場の北大津など、多士済々の
チームが並ぶ大激戦ブロックだ。戦前の予想より、勢いに乗ったチームが突破してきそうな予感がする。
Aブロックは、履正社・平安の近畿勢が中心になるが、聖望学園の大塚、駒大岩見沢の打線など切り札を持った
チームも散見され、ここも激戦になる可能性がある。
履正社はレベルの高い大阪で安定した実力を発揮してきた。3本柱が揃う投手陣に注目が集まるが、細かい
攻撃が出来る打撃のレベルも相当に高い。この冬の間にどれだけパワーアップできているか、注目だ。
平安は校名変更前最後の大会で、モチベーションは相当に高い。「優勝を狙う」という意気込みどおりのチーム
作りが出来ているかは未知数だが、ベスト8進出の可能性は相当に高い。
聖望学園は大塚がすべてのカギを握るが、ある程度援護してやらないと全国レベルでは厳しい。駒大岩見沢も、
自慢の打線が火を噴くためには、前半での失点は極力抑えたいところだ。
その他では、よく似たチーム同士の水戸商-鹿児島工はどんな戦いになるのか。中国大会優勝の下関商は
接戦には絶対の自信を持つ。後半勝負に持ち込みたい。
履正社が無難にブロックを突破してくると見るが、平安との実力差はわずか。聖望学園が突破する可能性はあるが、
ベスト4入りしても、大塚が燃え尽きている心配がある。
Cブロックは、佐藤を擁して近畿大会を制した東洋大姫路よりも、強打の智弁和歌山が有利と見る。
名将・高島監督が絶対の自信を持っている智弁和歌山の打線は、過去優勝・準優勝などをしたチームより上との
評価もあるほどだ。とかく安定感を欠く投手陣が足を引っ張るチームだが、今大会は組み合わせにも恵まれており、
快進撃の可能性は大だ。東洋大姫路は、佐藤が投打の軸だが、まわりの選手の底上げが上位を狙うにはどうしても
必要。佐藤が崩れたときに明治神宮大会のような試合展開になってしまう危険性がどうしてもぬぐえない。
その他では、宇治山田商の平生がどのようなピッチングを見せるか。順当なら3回戦で智弁和歌山との対戦となるが、
そこで真価を発揮してもらいたい。また、安房の戦いぶりが注目だ。
Dブロックは、ずばり沖縄尚学中心のブロックと見る。東浜・上原の2枚看板を持ち、まわりに運動能力の高い選手を
配置した戦力は、有力な優勝候補として名前が挙がるほど。暖かい沖縄でどこまで仕上がっているかが注目される。
心配は甲子園初采配となる比嘉監督の手腕。ベテラン監督との戦いになったときに一抹の不安を残す。
その意味でも、対抗馬となるのは馬渕監督率いる明徳義塾か。エース南野の左腕は、見た目以上に打ち辛い。
しかもそれに加えて、どこにも負けない練習量を誇る鉄壁の守備陣を誇る。守備の破綻から崩れることはまずないであろう。
近年の明徳の甲子園で敗れるパターンは、がっぷり四つに組んだ相手に力負けするというもの。
その点から、沖縄尚学とすれば明徳戦は力でねじ伏せるのがもっとも有効な作戦か。
有力と思われていた別ヤマの慶応義塾は、エース田村の状態が思わしくなさそうで、戦力ダウンを余儀なくされそうだ。
それでも右の只野と白村を軸に戦力は充実するが、3勝・4勝と積み重ねていくには疑問符が付く。打線の奮起が絶対
条件だ。天理・中京大中京の両古豪は、上位を崩すほどには戦力が充実していない。東京制覇の関東一も、
初戦の明徳を崩す可能性は少ないだろう。
以上各ブロックの分析から、最も可能性の高い4強のカードは以下だ。
第1試合 履正社 - 横浜
第2試合 智弁和歌山 - 沖縄尚学
決勝はずばり
横浜 - 智弁和歌山
と予想します。