【WBC世界フライ級タイトルマッチ】 12回戦
前チャンピオン 同級1位
ファン・エルナンデス(メキシコ)● TKO 6R2分58秒 ○ 比嘉大吾(白井具志堅)
さて、
これで5日連続の『ボクシングネタ』になってしまいました。
いろいろとスポーツは花盛りなのですが、
土・日の2日間で6つの世界タイトルマッチが行われたわけですから、
まあ勘弁してください。
この2日間、
一番の衝撃は村田諒太の疑惑の判定負け。
衝撃というよりも憤っているといった方がいいですね。
しかし当の村田。
昨日は戦った相手のエルナンデスの宿舎を訪れ、
健闘を称えあったそうです。
『さすがは村田』
という気がしますね。
オリンピアンですね~。
試合後まで相手をリスペクト出来ない発言をさらすボクサーもいましたが、
やはり『器が違う』としか言いようがありません。
日本での過去の世界チャンピオンを見ても、
ほとんどが戦った相手をリスペクトする人たちばかり。
命を懸けてやりあった相手に対するものですから、
自然とそうなるのかもしれません。
それが格闘技であり、そしてスポーツですね。
少しだけですが、
ワタシの中に燻っていたモヤモヤ感が、
晴れる気がしました。
そして『確信』を持ったのが井上尚弥。
なんの確信かというと、
世界のひのき舞台、アメリカに殴り込みをかけて成功し、
パウンド・フォー・パウンド(全階級の中で最も強いボクサー)でトップに輝くこと。
それに対する”確信”です。
もう、
言葉はいらないどころか、
『こんなところに、留め置かないで~。広い世界に、出て行かせてあげてくれ~』
と祈るような気持ちです。
来年の今頃は、
もしかしたら世界的なビッグマッチの舞台に立っているかも。
まだ24歳とキャリアのピークを迎えるのはまだ先。
これからいったいどんな進化を見せてくれるのか。
『日本ボクシング界史上最強の男』
の行く末が、気になります。
田中、拳四朗の両者がタイトルを獲った(保持した)ライトフライ級戦線の事も、
大いに気になります。
しかし。。。。。
ワタシが最高に『嬉しかった』のは、
比嘉大吾を見つけられたこと。
これが一番ですね。
実は比嘉選手のファイトを見るのはこれが初めてでした。
『具志堅会長の後継者』
ということは知っていて、
評判の高いファイターだということを知ってはいましたが、
現場で初めて彼のファイトを見て、
『まさかこれほどだとは・・・・・』
と衝撃を受けました。
そして、
『お~次世代のダイヤモンドの原石、ついに見つけた~』
という感じで嬉しくなっちゃいました。
このタイトルマッチ。
チャンピオンとしてリングに立ったファン・エルナンデス選手は、
前日の計量で体重がリミットよりオーバーして失格となり、
ベルトをはく奪。
リングには”前チャンピオン”としてあがりました。
勝っても手元に何も残らない対決となり、
そのモチベーションが下がっていたのは否めません。
しかしそのことを割り引いても、
比嘉の戦い方は素晴らしかった。
なんといっても、
体の動きがものすごく速いアウトボクサーのエルナンデスに対して、
体を寄せてプレッシャーをかけていく圧力の強さは、
並みではありません。
そして追い詰めると、
左右のストレートを中心として、
見事なまでの強打を叩き込んでいきます。
その戦い方、
完璧なるファイターに見えました。
そしてその圧力の掛け方は、
あのロマゴンをほうふつとさせてくれました。
まだ21歳の未完成のボクサーですから、
これからの成長速度によっては、
師匠である具志堅さんの防衛記録を抜くことだって、
決して夢ではないと思います。
それよりも、
ロマゴン張りに『無敵の王者』になる可能性すら、
秘めていると思います。
あの顔つきやたたずまいも、
いいですねえ。。。。
すっかりワタシは、
心を鷲摑みにされてしまいました。
比嘉大吾
これからが本当に期待される、
忘れられないボクサーになりそうな予感がします。