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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第88回選抜高校野球 準々決勝 延長あり、逆転サヨナラあり、打撃戦あり!

2016年03月29日 | 高校野球

≪第88回選抜高校野球大会≫ ~甲子園~
【準々決勝】

第1試合 智弁学園 6-0 滋賀学園
第2試合 龍谷大平安 2×-1 明石商 (延長12回)
第3試合 秀岳館 2×-1 木更津総合
第4試合 高松商 17-8 海星



昔から高校野球を見ていると、
『準々決勝は、高校野球の一番面白い日と言われます』
というアナウンスを、
いつも耳にします。

選抜では2勝、
選手権では3勝(一部は2勝)しないとたどり着けないこの準々決勝。

まだまだ選手の疲れもピークではないこの準々決勝は、
どのチームも勝ちあがってきた自信と、
甲子園で試合することに慣れてきた部分もあって、
最も力が出しやすい試合なのだと思います。

ということで、
『全国で最後の8チームに残った』精鋭たちの戦い、
昨日は十分に堪能できました。


第1試合の近畿対決。

これまでの戦いぶりを見ていると、
ワタシは『若干滋賀学園の方が、戦力では上回るかな?』とみていたのですが、
昨日は智弁学園の総合力がいかんなく発揮された試合になりましたね。

エース村上は大会前から好投手の一人に挙げられていましたが、
段々試合を経るごとによくなってくる感じの見事な投球で、
強打の滋賀学園を2安打完封しました。

打線のつながりも出てきて、
前半の5得点で楽々逃げ切りを果たしました。

まさに監督の望んだとおり、いや、それ以上の見事なゲームでしたね。

一方の滋賀学園にとっては、
甲子園で3試合やるということの難しさ、疲れの蓄積などがあったように感じました。
いずれにしても、バッテリーはまだ2年生。
この経験を糧として、さらにランクアップした姿を見せてほしいですね。


第2試合はしびれました。

初出場の明石商のエース吉高投手は、
2回戦では強打の東邦を完封しましたが、
この試合でも強打の龍谷大平安に対して見事な投球を見せました。

延長12回を投げ抜きましたが、
最後は悔しいサヨナラ負け。

しかしピンチでの、
1球1球ボールに魂を込めて投げる姿に、
胸を打たれました。

『平成版・小さな大投手』
の称号を贈りたいと思いますね。

内外角をビシーッとつく切れ味抜群の速球、
そして低めを丹念につくスライダー。
おまけに決め球のスプリッターもありますから、
打者は本当にお手上げの投手です。

そしてピンチでは、
気迫満点に打者を圧倒してきますからね。

夏もぜひこの聖地で見たい投手ですね。
ご苦労様でした。
しっかり疲れを抜いて、夏に備えてください。

平安の市岡投手もナイスピッチングでした。
いい投手戦となりましたね。

試合を分けたのは、
明石商9回の攻撃でしょうね。

無死から1・2塁と攻めましたが、
そこで痛恨のバント失敗などが続きランナーを送れず、
2死後出たライト前ヒットでもランナーは還ってこられず。
ライトからの返球が大暴騰になったのに、
ラバーに当たって捕手の目の前に跳ね返ってしまったのも不運でした。

そして12回には、
突如大粒の雨が吉高投手を襲い、
サヨナラ負けにつながってしまいました。

野球の神様のいたずらで、
悔しいサヨナラ負けとなってしまいましたが、
明石商は本当に見事な戦いを見せて、
その名を甲子園にしっかりと刻み込んでいきました。

『2度目』はさらに成長した姿を見せてほしいです。


第3試合も壮絶な最後となりましたね。

大阪桐蔭打線にバッティングをさせなかった木更津総合のエース・早川が、
各打者がものすごい振りを見せて、おまけに対応力抜群の秀岳館の打線にどう立ち向かうかが焦点の試合でした。

早川クンは、
冬場十分なトレーニングを積めなかったと聞いていましたが、
見事な成長ぶりをこの試合も発揮してくれました。

内外角に投げ分ける速球のキレ、
そしてスライダーとチェンジアップの絶妙な配球。

さしもの秀岳館の打線も、
9回2死までは本当にお手上げの状態でした。

しかしそこで球運を分ける一球が。

2死3塁、カウント3-2。

そこで早川投手の投げ込んだ右打者インコースへのクロスファイア―。
100%バッテリーの思い描いた通りの軌道で、
捕手のミットにズバ~ンと見事に吸い込まれました。
ため息の出るような、見事なボールでした。

しかし。。。。。。

なんと審判の手は上がらず。

それまでも何球も、
見事なボールに手をあげてくれなかったこの日の球審。
最後の最後まで、
ピッチャーにとっては『いけず』の人でしたね。

『あそこまで見事なボール、上げてやらなきゃ~』

思わずのけぞったワタシ。
するとその後、もっとのけぞる展開に。

まあ、
これも球運です。

2死1・3塁になった後の早川クン、
落胆を抑えつつもまだ集中力満点でした。

しかしそのすぐ後、
打ち取ったはずの2ゴロをセカンドが取れずライト前にボールが抜けて同点になると、
もう立て直す気力は残っていませんでした。

そのすぐ後にサヨナラ打を浴び、
涙にくれました。

惜しかった、実に惜しい試合でした。

千葉県の中でもとりわけ『たたき上げ』の風情の残る、
木更津総合というチーム。

関東以外の人にはわかりづらいかもしれませんが、
千葉県の中でも千葉市、柏市、松戸市、船橋市などの、
『東京のベッドタウン』
と言われるところからほとんど近年代表校が出ている中、
学校を房総半島に位置し、
『古き良き時代の千葉代表』
のイメージを残しているのが、
この木更津総合だと思っています。

同じく九十九里に面する古豪・銚子商は力を落として、
最近は代表になることが難しくなっていますから。

そんな木更津総合。

好投手を擁して守りを固め、
ちょこちょこっと打って勝つ。

そんなチームのイメージで、
近年実績を残してきています。

房総半島からの代表ということで、
”千葉都市部”代表に対抗する存在として、
なんだか存在感を発揮していることが、
千葉の高校野球界を面白くしていますね。

大阪桐蔭を破って、
この大会は全国制覇を意識したと思いますが、
思いはかなえられませんでした。

正直『春向き』のチームだと思いますが、
夏もしっかりと打撃を鍛え、
そして早川クンに次ぐ2番手投手の育成をして、
激戦の千葉を勝ち抜いてもう一度その雄姿を見せてほしいと思っています。

甲子園の悔しさは、
甲子園でしか返せませんからね。


第4試合は、
『高松商びいき』で見ていたワタシが、
思わず海星に肩入れしてしまうほど、
『高校野球らしい、大好きな試合』
でした。

今大会初めてのカクテル光線に照らされた試合で、
美しくも素晴らしい、
なんとも楽しいゲームでした。
『あ~現地観戦したかったなあ』
という感想のゲームでしたね。

敗れた海星の『屈しない反発力』は、
ゲームを最後まで面白いものにしてくれました。

ああいう展開になったら、
もう『イケイケ』で最後まで行った方がいいですね。

最後は高松商の猛打の前に屈しましたが、
7回7-10と反撃した2死満塁で一本出ていたら、
試合は分かりませんでした。

投手が総崩れする中、
まさに総力をあげて反撃したことは、
夏のチームを作っていくうえで、
この上ない経験になったことでしょう。

一方勝った高松商は打線が好調ですね。

特に昨日は、
ヒットの出ていなかった快足1番打者・安西にヒットが出たことで、
打線全体が活気づいた感があります。

植田兄弟と美濃の中軸3人で10安打。
特に兄の植田響の8回のホームランは効きましたね。

22安打17点。

昔から”守りのチーム”のイメージのある高松商が、
こんなに打った試合、
ワタシは初めてですね。

かつては高商の予選での試合もよく見ましたが、
こんなに振りが鋭い打線、
見たことがありません。

謙虚な受け答えしかしない長尾監督ですが、
これだけのチームをこしらえるには、
何か秘訣があるはずです。

なんだかそれを、
とても知りたくなりました。

準決勝は、
『中学硬式野球のエリート軍団』である秀岳館に、
『たたき上げ』の名門、高松商が挑む、
本当に目の離せない戦いになりました。

高松商がこの試合を制して、
そしてもし決勝が龍谷大平安だったとしたら。。。。。。

かたや春夏73回も甲子園に出て、
100勝(準決勝に勝ったら)も上げている龍谷大平安。

そなた選抜第1回の優勝校で、
こちらも春夏45回の出場、4回の優勝を誇る高松商。

戦前からずっと高校野球界を引っ張ってきた両校が決勝で相まみえるなんて、
そんな興奮するカードがあるでしょうか?!

しかも両校とも、
素晴らしく攻守にレベルの高いチーム同士。


このカード、
実現してほしいなあ。

もちろん、
智弁学園の快進撃にも、
鍛冶舎さんの初甲子園采配にも、
十分にすごさを感じていますが。


さて、準決勝。

どうなる、甲子園!


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