寒い雨が金曜から降り続き、
週末ずっと天気がいま一つだった日本列島。
特にわが地方では、
日曜日の昼まで雨が残って、
東京競馬場のジャパンカップも重馬場でしたね。
さて、
そんな中やはりスポーツは、
様々な競技が行われた週末となりました。
何と言っても腹の立ったのがボクシング。
日本が誇ったバンタム級の名世界王者・山中慎介を引退に追いやった最後の対戦相手として、
日本人の記憶に今でもはっきりと残っているルイス・ネリ。
そのネリが挑んだWBC世界バンタム級挑戦者決定戦が、
日曜日に行われるはずでした。
ネリは、
山中戦では1回目に挑戦者としてやってきてKO勝ちし、
山中の連続防衛記録を12で止めたましたが、
その試合後にドーピングが発覚、
失格となって王座をはく奪されました。
しかし山中もその試合で生涯初黒星を喫して王座を失ったことは事実。
そして引退を決意した山中が、
最後にリベンジマッチとして選んだ相手が、
そのネリでした。
「こいつに負けたままでは、オレは終われない」
山中の鬼気迫るトレーニングの様子は、
ファンの胸を打ちました。
そして迎えたタイトルマッチ。
しかしその試合に世界チャンピオンとして来日したネリは、
試合前日の計量でリミットを大幅に超過して失格。
まさに確信犯的に「体重超過」をやらかし、
涙ながらに悔しさをあらわした山中を横目にネリはそのことに悪びれもせず、
「ノーコンテスト」となった試合では2クラス以上重い体重とムキムキの体でリングに現れ、
山中をあっという間にKOで葬り去ったのでした。
そりゃそうでしょうよ。
体重別でクラスを分け、
そのリミットに入るために絞りに絞った選手に対して、
数クラス上の体重で臨んでくるんですから。
ハンディマッチだよ、どう考えても。
そして山中をリング上でボコボコにして、
勝った後リング上でまさに一族郎党リングに上がって大はしゃぎ。
あの目の前で繰り広げられた胸糞悪い光景、
生涯忘れることはできないと思うほどでした。
しかしそのネリ、
何度も「ボクシングのルール」を犯し続けながら、
その強打ですべての反則をなんとなくフェードアウトさせてリングに上がり続けて、
再度世界チャンピオンを狙えるところまで上がってきていました。
そして今週、
元世界王者のロドリゲスとのWBC世界タイトル挑戦者決定戦のリングに上がろうとしていました。
ロドリゲスといえば、
春5月にIBF世界バンタム級チャンピオンとして、
WBSSの準決勝で井上尚弥と戦った相手。
井上は2RでのKOでこのロドリゲスを葬り去りましたが、
ネリは「俺はこのロドリゲスを倒して世界チャンピオンを獲り、井上とも戦ってもいいぜ。俺の方が強いけどな」
とうそぶいていました。
あのヤローが井上尚弥にボコボコにされるのを見たいとも思っていましたが、
どうしても許せないヤローだという事は今も頭の片隅から離れず。
日曜日にはロドリゲスとネリの対戦を見ようと思っていましたが、
金曜日に衝撃のニュースが駆け巡ったという訳です。
それが。。。。
ネリがまた、
体重超過をやって、
失格になったとのニュースでした。
チャンピオンベルトよりも、
『勝って俺が強いということを世に知らしめる』
ことだけがその思考の中心になっているネリ。
もはや体重をリミットに収めることにはこだわっていないというか、
反対に自身の体が大きくなってしまいバンタム級の体重を、
そもそも作ることがすでにままならないというか、
そんな思考、または現実で、またも犯した体重超過という愚。
当然WBCからは失格として扱われ、
勝ってもチャンピオンへの挑戦権は手に入らないものの、
そんなことはどこ吹く風で、
ロドリゲス側に試合をそのまま行うことを提案したという事です。
なにしろ、
どんなに規定違反の試合であろうとも、
ネリにとってはロドリゲスをぶっ倒しさえすれば、
自分のステータスはあがると思い込んでいるんだから。。。。。。。
山中戦と同じで、
「どうせ奴ら(ロドリゲス)は、金をちょっと積めば対戦をOKするにきまってる」
と高をくくっていたのは明白。
しかしそうは問屋が卸さない。
ロドリゲス側が、
この対戦を断固拒否。
そりゃそうだろう。
リングに上がったら、
どんだけでけ~体でネリが登場するか、わかったもんじゃないんだから。。。
リスクを回避するという観点からも、
実に懸命な陣営の判断だと思います。
という訳でネリは失格。
多分もう、
バンタム級のリングには永久に上がれないと思います。
何しろ失格が3度だもんね、しかも3年で。
普通じゃないって、このアホたれ。
井上尚弥に対しても口汚くののしりながら挑発していましたので、
井上尚弥もこのことを受けてツイッターで発言しています。
「ネリどうしようもねぇな、、 また計量失格。 こんな奴にゴタゴタ言われたくない。 ボクシング界から追放でいい。」
その通りだよ、チャンプ。
アナタのような偉大なチャンピオンが、
こんなボクサーの風上にも置けないやつの戯言に、
付き合ってやる必要もなし。
本当にネリは、
ボクシング界から追放されてほしいね。
まあ、その後流れ流れてどこかの格闘技団体で、
「世界最強のボクサー」とか何とかいう異名で試合しているんだろうけど。。。
観たくもねえけどな、そんな試合、俺は。
本当に胸糞悪いニュースで、
このニュースを聞いたとたんに、
あの両国での山中戦の、
砂をかむような思いを思い出しちゃって、
最高に気分が悪かったです。
しかしこの興行、
ロドリゲスvsネリは、
世界3大タイトルマッチの前座試合でしたので、
昨日はそのトリプルタイトルマッチを楽しみました。(~拳論より~)
11・23米・ラスベガス(FOX PPV/WOWOW)
▼WBC世界ヘビー級タイトルマッチ 12回戦
王者・デオンテイ・ワイルダー(米国) 7回2分51秒KO 4位・ルイス・オルティス(キューバ)
▼WBA世界Sフェザー級スーパー王座決定戦 12回戦
フェザー級スーパー王者・レオ・サンタ・クルス(メキシコ) 3-0 2位・ミゲル・フローレス(米国)
※115-112、117-110、117-110
▼WBA世界Sバンタム級暫定タイトルマッチ 12回戦
王者・ブランドン・フィゲロア(米国) 1-1ドロー 8位・フリオ・セハ(メキシコ)
※115-113、112-116、114-114、セハは体重超過
▼WBC世界バンタム級挑戦者決定戦 12回戦
1位・ルイス・ネリ(メキシコ) 中止 3位・エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)
※ネリは体重超過
ワイルダーとオルティスのヘビー級の再戦は、
挑戦者のオルティスが1~6Rまでフルマーク(wowowの採点では)でリードして素晴らしい戦いをしていたのに、
KO率95%の驚愕の強打者であるチャンピオン・ワイルダーが、
7R一撃でオルティスをキャンバスに沈めるという衝撃の結末となりました。
「これぞヘビー級」
というような派手な逆転KO勝ちで、
やっぱり重量級の迫力はスゲーなあと、
改めて思わされましたね。
ということで、
ボクシングにある意味翻弄された2日間。
ネリっていう単語すら、
もう2度と拝みたくもない、
ワタシです。