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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

記録から振り返る高校野球 ④東海 ~過去36年の戦績による、近年の傾向~

2015年09月16日 | 高校野球名勝負

第4回は、
東海地区です。

今夏の大会には434校が参加。
占有率は11.1%となります。
第1回大会から、
連綿と連なる東海地区の高校野球の歴史。

最多優勝記録を誇り、高校野球の代名詞でもある中京大中京(中京商⇒中京から改名)が、
あのKANO、嘉義農林の準優勝と同じ大会で初出場だったとは、知りませんでした。
その前から岐阜勢、愛知勢を中心として、
高校野球と言えば近畿か東海と言われる時代が長く続いた、伝統の『高校野球発祥の地』こそが東海です。

しかしワタシ、
最近は【東海】と表示されることの多いこの地区、
いまだに昭和時代に表記されていた【中部】地区と言った方が、
何だかしっくりくるというのも確かなんですけどね。

さて、最近はどんな記録が残っているでしょうか。



≪東海勢の記録≫

*記録の見方;春⇒選抜大会の成績  夏⇒選手権大会の成績

          勝敗; 〇勝〇敗〇引分 勝率 優勝-準優勝-ベスト4-ベスト8



◇静岡地区戦績 

2010~2015  春  5-3  .625 0-0-0-1  夏   1-6  .143 0-0-0-0   合計  6-9  .400 0-0-0-1 
2000~2009  春  6-4  .600 1-0-0-0  夏  17-10 .630 0-1-1-0   合計 23-14 .622 1-1-1-0 
1990~1999  春  6-8  .429 0-0-0-0  夏   8-10 .444 0-0-0-0   合計 14-18 .438 0-0-0-0
1980~1989  春  8-10 .444 0-0-1-0  夏   8-10 .444 0-0-0-2   合計 16-20 .444 0-0-1-2
  36年合計   春 25-25 .500 1-0-1-1  夏  34-36 .486 0-1-1-2   合計 59-61 .492 1-1-2-3

 

◇愛知地区戦績 

2010~2015  春  7-4  .636 0-0-1-2  夏   4-6  .400 0-0-0-0   合計  11-10 .524 0-0-1-2   
2000~2009  春 17-14 .548 1-1-0-2  夏  13-10 .565 1-0-0-1   合計  30-24 .556 2-1-0-3 
1990~1999  春  9-10 .474 0-1-0-0  夏  11-11 .500 0-0-2-0   合計  20-21 .488 0-1-2-0
1980~1989  春 18-12 .600 1-1-1-2  夏  17-10 .630 0-0-2-2   合計  35-22 .614 1-1-3-4
  36年合計   春 51-40 .560 2-3-2-6  夏  45-37 .549 1-0-4-3   合計  96-77 .555 3-3-6-9

 

◇岐阜地区戦績 

2010~2015  春  8-4  .667 0-0-1-2  夏   2-6  .250 0-0-0-0   合計  10-10 .500 0-0-1-2 
2000~2009  春  8-5  .615 0-1-1-0  夏   8-10 .444 0-0-1-1   合計  16-15 .516 0-1-2-1 
1990~1999  春  0-1  .000 0-0-0-0  夏   5-10 .333 0-0-0-0   合計   5-11 .313 0-0-0-0
1980~1989  春  2-3  .400 0-0-0-0  夏   9-10 .474 0-0-0-1   合計  11-13 .458 0-0-0-1 
  36年合計   春 18-13 .581 0-1-2-2  夏  24-36 .400 0-0-1-2   合計  42-49 .462 0-1-3-4

 

◇三重地区戦績 

2010~2015  春  2-4  .333 0-0-0-0  夏   6-6  .500 0-1-0-0   合計   8-10 .444 0-1-0-0 
2000~2009  春  3-4  .429 0-0-0-0  夏  1-10-1 .091 0-0-0-0  合計  4-14-1 .222 0-0-0-0 
1990~1999  春  9-11 .450 0-0-1-3  夏   7-10 .412 0-0-0-1    合計 16-21 .432 0-0-1-4
1980~1989  春  2-4  .333 0-0-0-0  夏   5-10 .333 0-0-0-1    合計  7-14 .333 0-0-0-1
  36年合計   春 16-23 .410 0-0-1-3  夏  19-36-1.345 0-1-0-2   合計 35-59-1.372 0-1-1-5

 

 【東海地区戦績】

2010~2015  春  22-15 .595 0-0-2-5  夏  13-24 .351 0-1-0-0   合計 35-39 .473 0-1-2-5 
2000~2009  春  34-27 .557 2-2-1-2  夏  39-40-1.494 1-1-2-2 合計 73-67-1.521 3-3-3-4 
1990~1999  春  24-30 .444 0-1-1-3  夏  31-41 .431 0-0-2-1   合計 55-71 .437 0-1-3-4
1980~1989  春  30-29 .508 1-1-2-2  夏  39-40 .494 0-0-2-6   合計 69-69 .500 1-1-4-8
 36年合計   春 110-101.521 3-4-6-12 夏 122-145-1.457 1-2-6-9 合計 232-246-1.485 4-6-12-21

 

東海地区の記録をひもとくと、昭和40年代ぐらいまでの記録がさん然と輝く素晴らしいものだっただけに、
ここ36年間の数字はややさびしいと言わざるを得ないものとなっている印象がある。

全体での勝率は5割を切り、愛知代表をのぞいては、甲子園で特筆すべき結果を残せていない。
『野球王国』愛知は、若干その威光は弱まったとはいえ、東海地区の4度の優勝のうち3度を達成。
まだまだこの地区の『盟主』であることを印象付けている。

全体でみると、
選手権よりも選抜で、成績を残していることが分かる。
選抜の勝率が.521、優勝3回準優勝4回、36年回で25回のベスト8進出を果たしているのに比べ、
選手権の勝率は5割を大きく割り込む.457。優勝1回、準優勝2回、ベスト8進出も18回にとどまり、
試合数では1.5倍近くある選手権だが、『夏に弱い』ということを記録は如実に表している。

各県単位で見ると、静岡は常葉菊川が全盛期を迎えた07年、08年に優勝、準優勝、4強と圧倒的な戦績を残したものの、それ以外の年では、36年間の間にわずかに4強1回、8強3回の実績があるのみ。常葉菊川の『輝ける2年』以外には、ほぼ4割程度の勝率にとどまっている。特に90年代には、Jリーグの発足と同時に、静岡県内の人々の興味はすべてサッカーにもっていかれたようで、10年間で1度も代表チームが8強に進出できなかったという厳しい時代となってしまった。かつては静岡、静岡商、浜松商を中心として全国8強以上の常連だった静岡だが、近年に限って言うと、野球強豪県の座からは滑り落ちる結果となっている。しかし常葉菊川、そして静岡の新しい試みが、県の高校野球の活性化を即し、ようやくここ数年来、かつての輝きを取り戻す兆しが見えてきている。この流れがホンモノになるか、注視していきたい。

愛知は、相変わらず『野球強豪県』としての地位を確固たるものにしつつ、歩みを止めてこなかった。かつての私学5強(中京、東邦、名電、享栄、愛知)は形を変えたが、中京、東邦、名電の3校は相変わらず激しく覇権を争い、そこに新興勢力が絡んでくるという図式になっているのが近年だ。80年代の中京、90年代の東邦、00年代の名電など、特に春に優勝を含めた実績を残してきているが、09年に中京大中京が久しぶりに夏を制し、選手権としては自身の春夏連覇以来の真紅の優勝旗を持ち帰ったことは記憶に新しい。名電はセンバツで2年連続の決勝進出など『春に強い』のが伝統になっているが、逆に夏は現在の倉野監督になってからは、不思議と全く勝てないという苦しい戦いが続いている。”足の名電”で夏の大会も勝ち進む姿が待ち望まれる。どの時代にも決勝に進出し、勝率も5割前後をキープし続けているところに、地区レベルの高さがうかがわれる。

岐阜は昭和の頭から『元祖強豪地区』なのだが、近年は戦績を残すことが出来ず、高校野球関係者は深い悩みの淵にいた。『なぜ勝てないのか?』ということを模索しているという記事が、名門の県岐阜商などを絡めて目にしたりしていた。実際、36年間トータルでは勝率も5割を割り込んでいる。しかしながら、00年代に入ってからは愛知の強豪である東邦の元監督、阪口氏が就任した大垣日大がぐんと力を伸ばし、岐阜の高校野球界を引っ張ってきた。
ここ何十年も出た事のなかった決勝に進出してきたのを皮切りに、8強、4強と次々に進出。そしてこれに刺激された名門の県岐阜商が力を伸ばしてきて、ようやく全国でも勝てるようになってきた。県岐阜商は、短期間の間に4強1回、8強2回とかつての『甲子園には出るが、出ると負け』の負の歴史を完全に払しょくするような、新たな姿を見せてきている。この図式が続くようだと、また岐阜県の高校野球の歩みも変わってこようと思われるが、名将の阪口監督は『全国最高齢』に近い年齢で、後継者の登場が望まれている。

三重も苦しい時代を長く過ごしてきた。とはいえ、四日市や三重など、かつてから時折甲子園で大活躍を見せるチームなどを登場させる土壌もあり、なかなか面白い県である。80年代には一時期明野が県高校野球界を席巻したが、監督の不慮の出来事から力を落とし、その後は長く、三重・海星の2強時代が続いた。近年は四日市工、いなべ総合、菰野などの学校が登場し、県の高校野球界は群雄割拠の様相を呈しているが、勝率はまだまだ他の3件に比べて高いわけではなく、3割台にとどまっている。ずっと厳しい戦いを強いられている中、14年に三重が波に乗って決勝まで進出したのは、三重県の高校野球史にとっては輝ける1ページだった。願わくば優勝を・・・・・という県民の強い思いは達成されなかったが、時折こんな強いチームを輩出するのは三重の古くからの伝統。次には、いつ、どんな学校が甲子園で快進撃を見せてくれるのか、興味深く待ちたいと思う。


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