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第99回全国高校野球選手権大会 予選展望 第6回【北信越】

2017年06月29日 | 高校野球

≪第98回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望6 北信越地区 -

 【新潟】(参加91校) 
日本文理と中越の2強が今年もトップを走る。新潟明訓の巻き返しと、加茂暁星・関根学園の快進撃にも期待。

◎ 日本文理 
〇 中越 新潟明訓
△ 加茂暁星 関根学園 
▲ 村上桜ヶ丘 長岡大手 開志学園 五泉

昨年、一昨年と中越が名門復活を遂げ連覇。今年3連覇を狙うが、今年は”新潟の盟主”日本文理が戦力充実で1番手に上がる。特に大ベテランの大井監督がこの夏を最後に引退を表明しているだけに、ナインをはじめ関係者は『今年だけは、どうしても譲るわけにはいかない』と必死の形相だ。チームの代名詞である切れ味鋭い打線は今年も健在。5枚は揃う投手陣と合わせ、戦力的にも死角は見当たらない。今年は秋春ともに県大会を制しており、最後の夏も順当に勝ち上がれるか。一方3連覇のかかる中越は、打線に魅力がいっぱい。一昨年は日本文理、昨年は新潟明訓と、新潟に君臨してきた2強を決勝の舞台で破り甲子園をつかんでいるだけに、今年も自信満々で臨む。新潟明訓は佐藤監督退任後なかなか全国の舞台に足を運べていないが、今年はチャンスが大きい。投打のバランスの良さがチームの売りだ。さて、初出場を狙う2校にも注目。一昨年より野球部の本格強化に乗り出した加茂暁星。その第1期生が最後の夏を迎える今年は、頂点を狙うに十分な戦力が揃う。試合経験は豊富で、波乱を巻き起こす候補1番手だ。関根学園も連続で4強に入る今年は、上位に引けを取らないチームに仕上がった。投手陣の層が厚い。秋準優勝の村上桜ヶ丘は、その再現で勝ち上がることができるか。安定した戦績を残す長岡大手、開志学園、五泉あたりまでは十分に優勝圏内と言える。



【長野】(参加84校)  
上田西と佐久長聖の2強が今年も強いが、長野商ら、追ってくる学校も数多い戦国大会だ。

◎ 上田西 佐久長聖
〇 長野商 東海大諏訪 
△ 松商学園 東京都市大塩尻 小諸商  
▲ 長野日大 松本一 創造学園

昨年甲子園を逃した上田西が、捲土重来でチーム力をアップさせてきた。スケールの大きな選手を投打の中心に配置し、スキはない。特に注目はスラッガー林部。彼の一発が飛び出すと、チームが盛り上がる。一方昨夏の代表校にして、夏に圧倒的な強さを見せる佐久長聖も急激なステップアップが図られている。今年は下級生中心のメンバーで臨むが、藤原監督に鍛えられたナインはよく野球を知っており、戦いのツボがわかっている負けないチームだ。長野商の大黒柱、エース和田は県内屈指の好投手。三振の山を築けるか。打線もなかなかの得点力を誇る。東海大諏訪は、春は北信越大会に出場。あの福井工大福井を破り気を吐いた。伝統校の松商学園と都市大塩尻は打線が看板。どこからでも一発が飛び出す強打線で打ち勝つ算段。春優勝した小諸商は、このところ安定した戦績を残す。投打に決め手を持つチームだけに、額面通り彼らが働けば、おのずと初Vも見えてくる位置につけている。甲子園経験のある長野日大や松本一、創造学園などが優勝争いに飛び出してくる可能性も十分。いずれにしても、大本命は不在の明日なき戦いとなりそうだ。



【富山】(参加48校)  
ゴリゴリの絶対王者・高岡商。選抜を経て、チーム力が1枚も2枚もアップ。

◎ 高岡商 
〇 富山第一
△ 富山商 砺波工 新湊 
▲ 富山国際大付 氷見 富山東 

とにかく今年は、高岡商1強の様相だ。秋、春ともに優勝を誇り、選抜にも出場。経験値では他校の追随を許さない。エース土合に加えて、春以降伏見・山田らの控え投手陣が成長。むしろ土合をベンチに押しやるような勢いで、そのチーム内競争がいい相乗効果を生み出している。打線は選抜でも見せたように鋭いライナー打ちが徹底。得点力は高い。その高岡商に待ったをかけるとすれば、力がある富山第一か。監督交代のゴタゴタでチームはまとまりを欠き春は一敗地にまみれたが、もともと持っている力は県内屈指。悔しさをバネに飛躍を遂げれば、高岡商を追っていく有力なトップランナーになる。高岡商とは伝統校同士で負けられないライバルの富山商。今年も投手陣を中心とした守り勝つ野球が持ち味。ほぼ同数の出場回数を誇る高岡商だけには負けられないと、鼻息は荒い。砺波工は春準優勝。2度目の甲子園を狙う視界は良好だ。エース北野が強豪相手にも落ち着いて投げられるようになり、進撃の態勢は整った。相変わらず地元の大声援が心強い新湊は、6年ぶりに聖地を踏めるか。富山国際大付属、氷見、そして秋準Vの富山東あたりが覇権争いに加わる力を持っている。



【石川】(参加50校)
春の北信越大会制した星稜も絶対ではない。名門金沢や日本航空石川、遊学館ら強豪が足元をすくおうと狙いを定める。

◎ 星稜
〇 金沢
△ 日本航空金沢 遊学館
▲ 小松大谷 寺井 金沢学院 小松 

ここ数年、かつての強さを取り戻して完全復活を遂げた星稜。今年も春の北信越大会を制して、勢いに乗っている。復活したエース清水に加え、清水が離脱中に力を上げた竹谷、小倉、福田、川村らの投手陣の充実度は、他校がうらやむほど。誰が投げても試合を作れるのは星稜の最大の強みだ。加えて打線も鋭い当たりを連発。山下総監督がどうしても成し遂げられなかった全国制覇も、あながち夢とは言えない整った戦力となった。その星稜がトップをひた走るが、対抗馬もなかなかのチームぞろいで激戦の予感。春の県大会ではその星稜を破り優勝した名門・金沢は浅井監督退任後数年間低迷を続けたが、ようやく復活の兆しを見せ始めた。今年のチームは打線の破壊力が際立つ、今までにはないチーム。面白い戦いを見せそうだ。秋優勝した日本航空石川は、スラッガーぞろいの打線で勝負。投手陣はポテンシャルが高いがなかなか結果を残せていない。最後の夏にブレークするようだと、2度目の夏はぐっと近づく。名門の遊学館は、今年はここまで音なしの構え。しかし一昨年は優勝を飾っており、必ず巻き返してくるはず。新戦力もしっかり使う山本監督の采配ぶりが見ものだ。3年前のあの大逆転負けの悲劇のチームと言われた小松大谷は、夏は必ずチームを仕上げてくる。打線の力は例年通りで、打倒・星稜への思いはチーム全体に染み付いている。春4強と実績を残した寺井は、変化球を自在に操るエース・西川の右腕に託す。金森監督が基礎を作った金沢学院は、しっかりした野球を展開すると評判のチーム。小松や津幡など、公立の好チームも上位を狙う。



【福井】(参加30校) 
福井工大福井は、エース摺石の回復がカギ。初出場狙う啓新はエース牧が復活。王者・敦賀気比も、このまま黙っている訳はない。

◎ 福井工大福井
〇 啓新 敦賀気比  
△ 福井商 坂井 高志 
▲ 北陸 羽水

選抜で仙台育英を破り、健大高崎とは引き分け再試合を戦った福井工大福井。そのチーム力の高さは全国の舞台でもいかんなく発揮されたが、代償も大きかった。エース摺石は左肩痛を発症して春のシーズンはずっとおやすみ。しかしその間に控え投手陣が飛躍的な進歩を遂げ、投手陣はさらなる進化を遂げた。ライバルの敦賀気比に全国の舞台での実績では大きく水をあけられた形だったが、今年のチームは全国でも上位を狙える布陣。なんとしても甲子園へのキップは譲れないところだ。その福井工大福井を破り春に優勝した啓新は、あの名将・大八木監督が今年こそは甲子園のひのき舞台に上がろうと、戦力を整え、工大福井との決戦に臨む。エース牧は春は出遅れていたが、夏は万全の状態で臨めそう。速球は150キロを超え、相手を力でねじ伏せる剛腕だ。春に力をつけた藤原が控えにおり、投手陣に心配はない。打線は”大八木仕込み”の強力打線。今年は久しぶりにまったく音なしの1年を過ごしてきたが、やはり怖いのは『全国屈指の強豪』として名をはせる敦賀気比。選手のポテンシャルの高さは言うまでもないので、どんな新戦力が大会で飛び出してくるのか、注目される。この3校は、どこが甲子園にたどり着いても上位進出を果たせる力を持ち、わずか30校出場の大会ながら、上位のたたき合いのレベルは本当に高い。3強を追うのは名門の福井商か。なかなか上位の壁を破れない近年の大会だが、『炎のチーム』の愛称もある気合満点のチームだけに、夏は怖い。昨夏代表の北陸は連覇に向けて徐々に戦力が固まりつつある。このところ上位に顔を出す坂井、春4強入りした高志など、一発逆転を狙うチームも数多い。


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