99回目の夏。
『じぶん史上最高の夏』を目指して、
全国の球児たちが激戦を繰り広げた今年の高校野球地方大会。
例年以上に、盛り上がった予選でした。
ハイライトは二つ。
ひとつは、なんといっても早実・清宮のホームラン。
西東京大会の初戦から、
マスコミの”大騒ぎ”に乗って、
八王子球場、そして神宮球場も、大変なことになっていました。
『この目で、清宮のホームランが見たい』
という大観衆で常に早実の試合は超満員。
その中で3本ものアーチをかけた清宮の実力には、
今更ながらに脱帽です。
しかし勝負は非常。
その清宮も決勝で、東海大菅生の松本投手の軍門に下り、甲子園の土を踏むことはありませんでした。
一方のハイライトは、
【選抜決勝の再現】大阪大会の準決勝。
大阪桐蔭と履正社という、
現在『全国ランキング』を勝手につけるならばNo1とNo2と思われる両雄が激突。
試合は後半まで手に汗握る展開でしたが、
最後は”王者”大阪桐蔭が突き放して逃げ切り、
甲子園への道を切り開きました。
本大会でも当然、大阪桐蔭は断トツの優勝候補筆頭に推されます。
大逆転の試合もたくさんありました。
ワタシが印象に残っているのは、
東東京大会準々決勝、東亜学園vs修徳の試合。
東亜学園が9回2死から6点差をひっくり返したのにはびっくりしました。
数年前に起こった、あの星稜の9回大逆転の試合からというもの、
『高校野球にセーフティーリードなんて、まったくない』
ということを表すような大逆転勝ちが、
各地で多数起こるようになりました。
『あきらめない気持ち』
これこそが高校野球ですね。
全国の有力校が、
たくさん涙をのんだのも例年の通り。
三浦―古賀のバッテリーを擁して全国制覇も狙える戦力を誇った福岡大大濠は、
決勝で『公立の名門』東筑に試合を支配されて敗れ去りました。
春の関東覇者・浦和学院は、
ライバル・花咲徳栄の前にまさかの3連続押し出し四球で敗れ、悔し涙にくれました。
それでも今年は、
比較的波乱の少ない予選大会だったように思われます。
ということは、
激戦を潜り抜けて甲子園にたどり着いた強豪が多数集まっているということ。
『まだまだ本番は、これからだ!』
という声が、そこかしこから聞こえてくるような気がしますね。
今年の予選をデータで振り返ってみると、
ワタシが大会前に予想した中では、
こんな結果が残りました。
【地方大会の予想と結果】
東北 関東 中部 近畿 中四国 九州 全体
◎(筆頭候補) 6校 6校 3校 2校 3校 4校 24校 49.0%
○(優勝候補) 0校 2校 3校 2校 3校 1校 11校 22.4%
△(ダークホース) 1校 1校 3校 1校 0校 0校 6校 12.2%
▲(展開はまれば) 0校 0校 0校 1校 1校 3校 5校 10.2%
(無印) 1校 0校 0校 0校 2校 0校 3校 6.1%
昨年と比較しても、
まずまず『例年通り』の結果に終わったと言っていいのではないでしょうか。
特に東北、関東地区では、
ほとんどが候補の筆頭、あるいは対抗と目されていたチームが順当に勝ち上がり甲子園切符を手にしました。
彼らにとっては、本当の戦いはここからでしょう。
例年予想を立てるときに、
『まったくの無印が代表になること』をある程度は織り込んでいるつもりなのですが、
後から振り返ると、まったく失礼なことをしたと思ってしまいます。
高校生の持っている潜在能力や、それを一気に発揮する力は、
やっぱり計り知れないものがありますね。
『予想もしない学校』というよりも、
やはり『甲子園に行く気で鍛えている、全国のどのチームにもチャンスは転がっている』
ということを実感します。
今年もまた、北北海道代表・滝川西、山口代表・下関国際、鳥取代表・米子松陰の皆さんには、
深くお詫びを申し上げます。ごめんなさい。
そして、地区大会同様の健闘と快進撃、期待しています。
ということで、
今年もまた、
楽しい1カ月が終わってしまいました。
ワタシ自身ことを言うと、
子供、学生時代から若いころまでは、
何しろ『甲子園大会がすべて』で、
『予選はあくまで予選』という気持ちが大きかったのですが、
最近では『高校野球の良さ、素晴らしさ、本質・・・・・すべては予選大会の中にギッシリ詰まっている』
という気持ちの方が強くなっています。
甲子園はやはり、
すべての球児たちにとっての聖地であり、
その大会はいわば”ご褒美大会”。
まさに地方予選で『じぶん史上最高の夏』に出来たかどうかが、
高校野球の本質ではないかと思っています。
今年の夏も、
熱かったなあ。。。。。(暑さはさほどでもなかった気がするけど)
甲子園に出場した『幸せな球児』の皆さん、
どうかいい意味で『楽しんで』甲子園を満喫してきてくださいね。
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