◆第93回全国高校野球選手権大会
神奈川県大会 5回戦
横浜 3-1 東海大相模
今年の神奈川県大会のハイライト。
そして全国の注目を浴びたこの5回戦。
選抜高校野球大会で2度目の優勝を果たした"アグレッシブベースボール"の東海大相模に対して、
30年以上にわたり"神奈川の盟主"の座を守り続ける"超名門"横浜。
昨年の決勝に続くこの対決に、
相模原球場には多くのファンが詰め掛けました。
ワタシも相模原球場で、
この対決を目に焼き付けるべく観戦をしました。
ワタシも散々高校野球の観戦に行っていますが、
昨日はすごかったですね。
試合開始2時間前の午後9時に球場に到着したのですが、
目指す席辺りはもうびっしり。
試合開始の30分前には、
開放された外野の席もびっしりと観客で埋まり、
この【頂上対決】を今や遅しと待つ状態でした。
この両者の対決。
最近でも様々なドラマを生んできました。
2007年準決勝では、
ありえない『振り逃げ3ラン』で東海大相模が久しぶりの勝利。
2009年5回戦は、
雨中の激闘の末東海大相模がコールド寸前から大反撃を見せ、
横浜に冷や汗を欠かせました。
そして昨年決勝では、
エース一二三が横浜打線を抑えて、
東海大相模が32年ぶりに夏の代表をもぎ取りました。
様々な両者の戦いの歴史の中で、
80年代から00年代にかけて、
どんなに東海大相模が力をつけてきても、
ことごとくそれを跳ね返してきたのが渡辺監督率いる横浜高校。
その"盟主"横浜の前では、
常に"蛇ににらまれたカエル"の役に甘んじてきた東海大相模。
しかし去年から今年にかけて、
東海大相模・門馬監督の掲げる"アグレッシブベースボール"が開花。
昨夏準優勝、
今春優勝と全国で実績を積み、
門馬監督は『神奈川の若手監督』から『全国屈指の名監督』への道を歩みだしました。
そんな中での今年の対戦は、
抽選のいたずらで5回戦に巡ってきました。
今年の構図は、
【王者・東海大相模に常勝・横浜が挑む】
といったもの。
まさに頂上決戦と言ってもいいようなものでしたね。
ワタシは、
もしこの試合で門馬・東海のアグレッシブベースボールが横浜の堅塁を崩して勝てば、
明らかに『神奈川の野球勢力図が変わる』と考えていました。
長く神奈川のトップに君臨し続けた渡辺・横浜から、
門馬・東海の時代が来るのでは・・・・・という予感、
なんとなくは、していました。
しかし・・・。
昨日の試合を終わって最初の感想は、
『横浜はさすがだ!!』
昨日の試合、
横浜が『相手のいいところを出させない』という野球に徹し、
ジワジワと相手を追い詰めていくという、
すばらしい野球を展開しました。
先発の柳が序盤やや不安定な立ち上がりを見せたものの、
東海の強烈な打球が野手の正面を突き得点を与えないと、
徐々に自分本来の投球を取り戻していきます。
そして打線は、
チャンスを逃さずスクイズ、内野安打で着実に得点。
8回にも2アウトから貴重な追加点を上げて東海の反撃の機運をそぎ、
しっかりとした野球でガッチリと逃げ切りました。
まさに横浜野球の真骨頂が現れた試合だったと思います。
今年の横浜高校、
例年に比べて力が突出している印象はまったくないチームです。
秋の関東大会、春のセンバツ、春の県大会・・・・・・
横浜らしさはまったく発揮されず、
『勝手に打つ打線』
『締まらない守備』
『勝負弱い投手陣』
など、
ワタシが何度も見た試合でも、
『今年の横浜はなあ・・・・・』
という試合が続きました。
今年の夏の予選に入っても、
3回戦のY校戦、4回戦の山北戦と、
なんとなくすっきりしない戦いが続きました。
しかし最後の夏の大会に挑戦者として望んだこの試合、
ライバルのユニフォームを見て、
彼らは完全に覚醒しました。
というより、
東海大相模は完全に"丸裸"にされていたと思われるシーンが続出。
ネット裏で観戦していた小倉部長の『小倉メモ』が、
完全に生かされていた試合だったと思います。
渡辺采配もさえていました。
特にピンチでの柳君から相馬君へのリレー。
見事でした。
まさに『勝つべくして勝った』横浜高校でした。
60代も後半に差し掛かり、
横浜・渡辺監督(あるいは渡辺ー小倉コンビ)にもそろそろかげりが見えるかなあと考えられてきたこのところの神奈川高校野球界。
40代と脂の乗り切った、
門馬(東海大相模)、上田(慶応)、野呂(桐光)、水谷(横浜隼人)、桑元(武相)らの各校監督が、
打倒横浜を掲げてしのぎを削り、
次々に挑戦状をたたきつけてきます。
しかし、
王者・横浜はまだまだ神奈川の盟主であることを、
強く印象付けたこの日の戦いでした。
『まだまだ若いもんには道を譲らんぞ。先に行きたければ、俺を倒してから行け』
こんな叫びが聞こえてきたようでした。
大横綱はまだまだ健在。
やはり神奈川はこうでなくちゃ。
いろいろな思いが渦巻く、
すばらしい戦いでした。
『これぞ神奈川』
そんな5回戦でした。
しかし、
考えてみればまだ5回戦。
県大会が佳境を迎えるのは、
まだまだこれからです。
東海大相模、慶応と、
2強と言われたチームが敗れ去り、
県大会の行方は混沌・・・・・・・
なのか、
王者・横浜が完璧に県大会を制するのか。
後半戦を、
楽しみにしましょう。
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非常に興味深い対戦でした。相模はやや受け身に回ってしまった感があります。対する横浜は、乙坂君をはじめとして、気合いが満点でした。たぶん去年の大石キャプテンの”イズム”が息づいているのだと思います。
残念でしたが、今年の相模は特別なチームでしたね。特に渡辺-臼田の1・2番は、歴代のすべての高校野球のチームの中でも強く印象に残りました。
1・2番については、また別稿で書こうと思っています。
ありがとうございます。
今日の記事に、ワタシの気持ち書いておきました。
今年は、岩手にとっても、花東野球部にとっても、特別な年。
ありとあらゆる注目を浴びるだろうケド、負けないで自分たちのプレーをしてほしい。
地元から応援し続けます。