第97回全国高校野球選手権大会 第11日 接戦・延長・サヨナラアーチ！

≪第97回全国高校野球選手権大会≫　　～甲子園～

【第11日】

◇3回戦

第1試合　　秋田商（秋田）　　４－３　　健大高崎（群馬）　　＊延長10回
第2試合　　関東一（東東京）　1×－０　中京大中京（愛知）
第3試合　　仙台育英（宮城）　４－３　　花巻東（岩手）
第4試合　　興　南　（沖縄）　　４－３　　鳥　羽　（京都）


連日朝から、
よくもまあ、これだけの人が集まるものだと感心することしきりの今年の甲子園。
『100年目の大会』とはいえ、
連日押すな押すなの大盛況ですね。

そんな大観衆を沸かせるような熱戦が連日展開。
今年の大会は、
長く思い出に残る大会になりそうです。


ベスト8の椅子は残り4つ。

今日の戦いは、
4試合すべてが大熱戦。

素晴らしい戦いでした。

第1試合は、
秋田商のエース成田翔が素晴らしいピッチングを展開。
健大高崎の足を完全に抑え込んで後半まで試合を優位に展開。

しかしながら健大高崎も、
終盤の8回に自慢の『機動破壊』を全開にして同点に追いつき、
流れは完全に健大のものかと思いました。

しかし秋田商の『粘り腰』はここからが凄かった。
サヨナラを防いだ延長10回に2死から連打で勝ち越し。
見事に80年ぶりの8強進出を成し遂げました。


第2試合はさらに凄かった。

初回からエンジン全開で攻め続ける中京大中京に押され気味の関東一。

満塁からセンター後方に『満塁一掃』必至の打球が飛びましたが、
そこであのオコエが、
『疾風のように現れて・・・・・・・』
まさかの超ファインプレー。

中京大中京に傾きそうな流れを引き戻し、
その後も両軍が必死に守り合って、
『相手に1点もやらない』
守備を展開。

0－0という投手戦は、
本当にドキドキして、
その緊張感を楽しみました。

最後は長嶋選手のサヨナラアーチで関東一が歓喜のサヨナラ勝ち。

ものすごい”しのぎ合い”を制して8強に進出しました。

この試合、
本当に見どころの多い試合でした。

7回関東一が大チャンスをつかみ、
バッターは捕手の鈴木。

この関東一の鈴木捕手。
中学時代は、
この日の相手、中京大中京のエース・上野クンとバッテリーを組んでいたという間柄。

その両者が、
この緊迫した場面で相対しました。

両者一歩も譲らないこの『意地と意地のぶつかり合い』、
プロ野球でもめったに見られないような、
ものすごい名勝負になりました。

12球を擁したこの戦い。
最後は中京大中京の上野投手が、
関東一の鈴木捕手を高めの渾身の速球で三振に打ち取り、
吠えながらマウンドを降りていきました。

8球目ぐらいから、
両者が意地と意地をぶつけ合っているさなか、
お互いに目配せをしてニヤリと実にいい表情をしていたのが、
本当に印象に残りました。

長くワタシの心に残る、
『甲子園の名勝負』
でした。

第3試合は、
東北勢同士の接戦となりましたね。

花巻東は、
優勝候補の仙台育英に対して、
しのいでしのいで、
何とか後半勝負に持ち込みその≪野球力≫を見せてくれましたが、
今年の仙台育英はやはり一歩抜けている存在ですね。

1点差でも全く慌てることなく、
しっかりと逃げ込みに成功しました。
東海大相模と並んで、
仙台育英も力の上では他校を圧倒していますね。
2強と呼んでもいいかもしれません。

そして第4試合は、
なんだか前半に試合の主導権を握り損ねたままズルズルと回を重ねていた興南が、
名将・我喜屋監督の『監督力』でよみがえった試合に見えました。

機を見て次々に勝負手を打ってくる我喜屋監督。
やはり5年前に修羅場を潜り抜けて春夏連覇を成し遂げただけのことはあります。
腹が据わっているというか、
まったく物事に動じませんね。

敗れた鳥羽は、
中盤に突き放すチャンスを逃したのが、
最後に響きました。

しかしながら、
京都府大会ノーシードからこの大進撃、
見事なものでした。

『100年目の大会』に、
出場を決めてくれて甲子園を沸かせてくれたこの【第1回優勝校】に、
大きな拍手を送ります。

さあ、
いよいよ8強が決まりました。

どこが勝ち残ってもおかしくない、
素晴らしい実力と勢いを持って、
『最強にして最後の8校』が、
最後の戦いに挑んでいきます。

いったいどんな展開になるのか。

朝が来るのが、待ち遠しい夜です。