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第103回全国高校野球選手権大会 予選展望その3【関東2】

2021年06月23日 | 高校野球

≪第103回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望3 関東(その2) -

【埼玉】(参加149チーム)  
花咲徳栄が夏は強い! ライバル・浦和学院も猛追。昌平は初めての夏をつかめるか。

◎ 花咲徳栄
〇 浦和学院
△ 昌平 春日部共栄  
▲ 上尾 浦和実 細田学園 埼玉栄 山村学園 聖望学園 大宮東 狭山ヶ丘

100回大会で2校の出場を果たした埼玉。その時は花咲徳栄、浦和学院の両ライバル校が初めて揃って代表を射止めたが、その他の通常年に関しては花咲徳栄が5年連続で「埼玉の夏」を制している。両ライバル校の力は今年も抜けていて、春の段階で決勝対決が実現。浦和学院が1点差で制したが、夏の大会を占うとやはり花咲徳栄の力が若干上ではないかとの見方が支配的だ。というのも、松田・堀越・高安といった夏の大会では主戦格を務める投手は浦和学院との春の決勝では温存。一方浦和学院は投手を含めフルメンバーで戦い勝ちを収めた。浦和学院としては、春の大会ではあったものの、直接対決でなんとしても苦手意識を払しょくしておきたかったという事で、それについては一定の成果を得たものの、花咲徳栄のフルメンバーに対してはやはり若干後れを取るように見えた。花咲徳栄は投手陣に加えて打線が活発。毎年のようにドラフト上位指名の選手を輩出する中軸では、今年は浜岡が注目を集める。全国制覇時から変わらぬ打球の早い強力打線は、今年も全国屈指の破壊力を秘めているといっていいであろう。浦和学院は左腕のエース宮城が安定した投球を続けて県大会を制した。しかし続く関東大会での2試合連続して先発のマウンドに立ち、その2試合目に痛打を浴びたことからもわかるとおり、宮城ひとりに頼る投手陣では灼熱の埼玉は勝ち抜けない。吉田、三奈木などの投手がしっかりとトーナメントの中で結果を出してこそ、ライバルに勝ち切る態勢が出来上がる。3番手としたものの、実力的には上位2校と変わらないのが新興勢力の昌平。プロ注目の吉野を中軸に据えた打線は破壊力満点。昨夏準優勝、昨秋優勝と来て、春も準決勝で9回まで浦和学院相手に3点のリード。敗れはしたものの、2強との差はほとんど感じていないはずだ。名門の春日部共栄も面白い戦力だ。秋春ともに8強以上に進出しており、トーナメントの戦い方はうまい。春4強の名門・上尾は一発逆転での久々の夏を狙う。エースと中軸にしっかりとした選手をそろえていて、安定感のある戦いぶりが売りだ。昨秋準Vの細田学園は、関東大会という大舞台の経験をこの夏に生かしたい。浦和実は伝統の好投手が今年も健在。エース栗山は侮れない存在だ。山村学園、大宮東に昨夏の独自大会を制した狭山ヶ丘、そして浦和学院と初戦で対戦する聖望学園までを候補に挙げておく。



【千葉】(参加157チーム) 
群雄割拠の県大会を抜け出すか、春関東大会優勝の専大松戸。

◎ 専大松戸 
〇 千葉学芸 習志野 木更津総合 
△ 中央学院 成田 東京学館
▲ 東海大市原望洋 千葉経大付 拓大紅陵 東海大浦安 

毎年のことではあるが、実力校が両手では全く足りない中突き抜けた優勝候補のいない千葉大会は、群雄割拠の大会という事が言える。今年は選抜出場の専大松戸が、センバツ初戦敗退の悔しさを糧に成長を遂げ、春の関東大会を見事に制した。その原動力は次々に出現した好投手で分厚くなった投手力だ。絶対エース・深沢は選抜で中京大中京の強力打線をほぼ抑えきったことですっかり自信をつけ、難攻不落の投手へと成長を遂げている。そして中館、岡本ら関東大会で自信を付けた2番手以下の投手陣の層がすっかり厚くなり、「さすがは投手育成にたけた持丸監督のチームだ」と周囲をうならせている。また打てないといわれた打線もすっかり変貌し、得点力も高くなりつつある。あとは夏の大会でいかに勢いをもって上位の対戦に臨むことができるか。実力を持っていても、勢いがないと勝ち抜けない千葉の夏の厳しさを潜り抜けられるか。対抗に上がる千葉学芸は、有薗という注目のスラッガーを擁して春は県制覇。関東大会では準優勝した関東一に最終回でまくられ一敗地にまみれたが、いい戦いができたことで収穫もいっぱい得ることができた。エース北田も安定感抜群の投手で、戦力的には充実している。あとは北田をサポートする2番手以下の投手の台頭が待たれる。続くのはいつもの2強、習志野と木更津総合か。習志野は相変わらずのしぶとい攻守が持ち味。相手としては一番当たりたくないチームで、あの美爆音に乗れない今年も、粘りで栄冠をつかむことができるか。一方毎年”実力No1”と言われる木更津総合は、春はつまずいたものの秋は県制覇しており実力は十分だ。分厚い投手力はやはり県内屈指。中央学院は3年ぶりの夏を狙う。150キロを投げ込む速球派のエース細谷がマウンドに仁王立ち。打線が今一つ好機を生かせないところを改善できるか。春4強の成田は名門復活を虎視眈々と狙う。秋に関東大会に進出した東京学館も圏内か。エース根本、スラッガー粟飯原と投打に主役が揃う。そのほかでも、両手では足りないぐらいの有力校がひしめき合う。甲子園経験のある各強豪に加え、春まさかの4強入りを果たした県船橋など、惑星も多く存在する。



【神奈川】(参加176チーム)   
圧倒的な戦力で、今年も圧勝を狙う東海大相模。投打のバランスで食い下がりたい桐光学園がどこまで迫れるか。

◎ 東海大相模
〇 桐光学園 
△ 横浜 日大藤沢 
▲ 慶応 桐蔭学園 鎌倉学園 横浜商 横浜創学館 星槎湘南 

春のセンバツで全国制覇を飾った東海大相模。かつては「外弁慶」とも言われ、甲子園など県外の戦いには圧倒的に強いが、県内の戦いを勝ち切れないことが多かった。事実近年でも、全国に行けば優勝、準優勝など実績を重ねていたものの、横浜に夏は3年連続覇権を許すなど、その傾向を払しょくできてはいなかった。しかしここ2年程、横浜が監督問題などで揺れだしたのを機に、東海大相模が県内でも「絶対王者」の地位を形成し始めている。春の県大会まで県大会は6季連続制覇。しかもほとんどが圧勝で、他の追随を許さない状況となっている。今年は選抜を制覇して帰ってきてから、チームの改造を意識した戦いぶりが目立った。センバツ無失点の大エース・石田をほとんど登板させずに、2番手以下の投手の育成を行った結果、石川、大森、求などの投手が次々に台頭。【投手陣】と呼ぶにふさわしい陣容を整えて夏に挑む。さらに春から夏にかけて例年のごとく「相模の打線の底上げ」は目覚ましく、選抜で打てずに苦しんだ姿は夏には完全に払しょくすることだろう。とはいえ、今年の相模のチーム力が例年に比べて際立って高いわけではない。しかしながら、選抜を経て自信という大きな財産が身についており、簡単に相手のペースで試合をさせることはないであろう。東海大相模の「7季連続県大会制覇」は極めて濃厚だ。追っていく中では、ライバル横浜は今年は厳しい。東海大相模とは順当にいけば準決勝で対戦する予定だが、そこまで上がっていけるかどうか、なかなか気をもむ大会となりそうだ。エース左腕の金井は春を見る限り安定感には欠ける投球に終始した。打線のかつてのいやらしさを身にまとった強力打線の面影は薄く、淡白さが見て取れた。2年目を迎える村田監督が、どのような手綱さばきを見せるのか、県内外でも注目が集まっている。となると2番手に上がるのは別ブロックで戦う桐光学園か。毎年県上位に顔を見せるものの、ここ10数年でも甲子園にはあの松井が2年の時の1回しか出場できていない。その分厚い神奈川の壁を破るには、まだ今年も爆発力は足りないとみている。例年通り投打のバランスはとれているものの、実力が上回るチームを「破壊する」ようなたくましい選手の存在は今年も見受けられない。安定感はあるものの、勢いがついて一気に・・・・とならないと厳しいか。エース中嶋は好投手。打線も篁、内薗ら好選手はそろっている。春4強の一角、日大藤沢は打線はなかなか破壊力がある。上位に進出するときは必ず覚醒したエースがチームを引っ張り上げる展開だけに、今年のエース清水にも期待が大きい。春早目の敗退をしたことから、慶応、桐蔭といった有力校がノーシードからの戦いとなるが、その両校は初戦で激突する組み合わせとなった。勝ち上がった方が桐光学園への挑戦権を得る。ここ数年活躍が目立ち、秋は関東大会8強入りをした鎌倉学園は、看板の打線でまた上位を狙っている。名門復活を掲げる横浜商は、秋春ともに8強に進出し、復活の兆しは十分に見えている。その他ではいつもの有力校、横浜創学館や近年台頭が目立つ星槎国際、相洋、向上、平塚学園、武相などを挙げておく。




【東東京】(参加122チーム) 
関東一・二松学舎の「宿命の対決」今年も。昨年独自大会を制した帝京の名門復活はどうか。

◎ 関東一 二松学舎大付   
〇 小山台 帝京 
△ 大森学園 日大豊山  
▲ 東亜学園 堀越 雪谷 修徳 実践学園 城西大城西 成立学園  

ここのところすっかり全体のレベルとしては「西高東低」が続く東京の高校野球勢力図。今年もその傾向は続き、春の都大会16強がシードになる東京の夏だが、東大会のシード校はわずかに5校。ほぼ4隅にしかシードがいないという大会は、波乱の要素満載だ。しかしその波乱、まあ4回戦、5回戦ぐらいのものとも思われる。というのも、やはり今年も、関東一、二松学舎大付の”2強”の実力が抜けているためだ。関東一はエース市川が投げる試合とそうでない試合で、まったく違う顔を見せる。市川はドラフト候補にも挙がる好投手で、しっかりと試合を作れる好投手。打線も相変わらず振りが鋭く、関東大会でも強豪に一歩も引けを取らなかった。今大会は十分に大会期間中の休養日も設定され、おまけに準決勝、決勝が涼しい東京ドームでの開催となるため、関東一のように「大エース」を持つチームには有利な大会と言えるだろう。二松学舎も、伝統的に好投手が生まれる土壌を持つチームで、今年のエース左腕・秋山も好投手。打線も関東一に引けを取らない得点力を持っており、一歩も引かない構えだ。今年も両校がしっかりと決勝で対戦する可能性は、非常に高いといえるだろう。3番手に上がるチームを探すのは難しい。一応シードには小山台、日大豊山、大森学園が並んでいる。小山台は野球力の高い好チームで、夏に実績を残すという点では非常に実績を持ったチームである。過去2大会連続で決勝に進出していて、あと一歩の壁が破れないが、今年は3度目の正直に挑む。エース小暮の踏ん張りがあれば、今年こそはの期待も膨らむ。帝京は近年の低迷から、昨年は独自大会を制覇。今年のチームはその勢いをつなげるかと思われたが、ここまでは全く結果を残せなかった。春も敗れてノーシードから挑む夏になる。すでに10年以上甲子園にご無沙汰の名将・前田監督。いつまでも放送席で解説をするために行く甲子園ではなく、采配を振るうために甲子園に行きたいと思っているだろう。大森学園は初めてのシードをゲット。昨夏の独自大会で4強入りした勢いをつなげ、今春は都大会8強入り。今一番熱いチームだ。八田ー松本の160センチバッテリーは小さくてもピリリと辛い好選手だ。そのほかではシードの日大豊山、例年上位まで上がる東亜学園、名門の堀越、修徳、実践学園らが面白い存在。雪谷はかつて江戸川で指揮を執った伊達監督が就任し、都立高として2度目の甲子園を狙う。


【西東京】(参加121チーム) 
東海大菅生と日大三が雌雄を決する宿命の対決。国士舘、早実などノーシード爆弾は、有力シードと初戦から対決。

◎ 東海大菅生
〇 日大三     
△ 八王子 国学院久我山 創価 明大中野八王子 佼成学園 
▲ 日大鶴ケ丘 日野 国士舘 早実  

東東京が関東一と二松学舎大付の2強なら、西東京は東海大菅生と日大三の2強対決が濃厚だ。ここ数年東京の高校野球を引っ張る存在の東海大菅生は、今年は選抜に出場し2勝を挙げたことで勢いに乗っている。本来のエースである本田がどのぐらい状態を上げてきているかで、大きくチーム力は違ってくる。センバツで好投を見せ、次代のエースが約束される鈴木の成長は心強いが、本田と2本柱を組めるようになれば投手力は盤石。打線は選抜や春の東京大会では振りに弱さを見せたが、どこまで上げていくことができるか。一方の日大三は、宇山がエースとしていい投球を見せている。打線も「全く打てない」と嘆いていた秋よりはかなりグレードアップしたように見える。しかしながら、関東大会で宇山が崩れた後見せたバタバタした試合ぶりは、やはり日大三のウィークポイントをさらしだしてしまった格好で、心配なところだろう。両校が最も怖い存在だと思っているのが、八王子のエース、ドラフト候補の羽田だ。八王子は東海大菅生と4強で激突するブロックにいるが、彼が完調で臨めるなら痺れるような勝負ができそうだ。前回大会の代表である国学院久我山も要注意の存在だ。スーパー球児はいないものの、全員がしっかりまとまって戦う野球が浸透し始めている。創価や佼成学園、日大鶴ケ丘なども毎年夏にはしっかりとチームを仕上げてきており、勢いに乗れば頂点まで駆け上がるのも夢ではない。一方ノーシード爆弾も今年はそこかしこにちりばめられている。東海大菅生は初戦で国士舘と当たる組み合わせ。昨年は甲子園の交流試合にも出場した国士舘は、初戦で当たるには最悪の強豪だろう。早実は佼成学園の初戦の相手になることが濃厚。伝統校として、ここで夏を終わらすわけにはいかないと意気込んでいる。清宮の弟である幸太郎は、コロナのおかげもありまだ高校球児としてマスコミに登場するのはごくまれという状態で最後の夏に来てしまった。話題独占となる夏にしたいと意気込む。その他でも、強打の日野、エース岸の桜美林、大物食いの日本学園など、有力校が多い大会になりそうで、白熱した攻防が序盤から繰り広げられそうだ。





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