さて、第94回の全国高校野球選手権も大阪桐蔭の優勝で幕を閉じはや10日あまり。
【もっとも印象に残った球児】の西日本編を、
そろりと再開するとします。
◇もっとも印象に残った球児
28.滋賀
遠藤和哉 外野手 八幡商 2011年 夏
甲子園での戦績
11年夏 1回戦 〇 8-1 山梨学院大付(山梨)
2回戦 〇 5-3 帝京(東東京)
3回戦 ● 3-6 作新学院(栃木)
昭和53年まで、甲子園で勝利を挙げることが出来なかった滋賀県。
全国で一番最後に歓喜の勝利を挙げた比叡山は、
その後波に乗って準々決勝まで勝ち進みました。
左腕のエース、薮内投手のピッチングが光りました。
その翌々年、初出場で4強まで進出したのが瀬田工。
新幹線から見えるそのグラウンドで一生懸命に練習する姿が印象的です。
創立3年目の甲西が”玄さん監督”でまさかの快進撃を見せたのは昭和60年。
その後は近江高校、八幡商業の時代を経て、
北大津がそれに加わるという図式で滋賀県の高校野球は推移してきました。
近畿という厳しい地区でもまれ続けるその野球は、
多賀・近江監督、宮崎・北大津監督などの情熱いっぱいの監督に率いられる総合力の野球です。
素材で勝負するというよりも『弱者の戦法』を駆使して強豪に対峙していく姿、
県民には強く訴えかけるものがあるのではないでしょうか。
忘れられない球児と言えば、
多賀・近江の集大成ともいえる01年の決勝進出チームでの”3本の矢”竹内-島脇-清水が思い浮かびます。
北大津では10年に2年生で登場、その類まれなる身体能力で甲子園に強い印象を残した岡本投手。
特に成田戦での『送りバントは許さない』徹底したバント処理の速さは忘れられるものではありません。
しかし一人あげるとするならば、
11年の帝京戦で、
一振りで大逆転勝ちを演出した、八幡商の遠藤選手でしょう。
逆転満塁ホームラン。
インパクトは絶大でした。
ライトに放った打球がどんどん伸び、
まさかのスタンドインをした時の甲子園の熱狂、
ものすごいものでしたね。
8回までわずか2安打に抑えられていた八幡商にとって、
まさにミラクルな一打。
満員で埋まったお盆の甲子園で、
夢心地の一発だったことでしょう。
『狙いを定めて、ここぞとばかり振った』
印象の強い感激弾。
遠藤選手は、
勢いに乗って次の作新学院戦でもホームランを放ちました。
過去それほど『強打者』を輩出したという印象のない滋賀県にとって、
際立ったインパクトを残した選手といえるでしょうね。
今後の活躍も期待されています。
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