11・7≪WBSS決勝≫ ~さいたまスーパーアリーナ~
【WBA&IBF世界バンタム級王座統一戦 12回戦】
WBA&IBFチャンピオン WBAスーパー王者
井上尚弥(大橋) 〇 12R 判定 ● ノニト・ドネア(フィリピン)
(116-111、117-109、114-113)
一瞬たりとも目が離せない、
日本ボクシング史に残る激闘でした。
昨日満員のさいたまスーパーアリーナで行われたWBSSの決勝。
日本が誇る”モンスター”井上尚弥と、
5階級制覇のレジェンド”フィリピーノ・フラッシュ”ノニト・ドネアとの一戦は、
まさに「すごい」としか言いようのないファイトとなりました。
戦前「ドネアは強いけど、すでにピークは過ぎているし」という声が支配的で、
「何のかんの言っても、井上尚弥のKO勝ちでしょ」
といわれていたのですが、
ファーストラウンドのゴングが鳴ってしばらくすると、
「むむっ これはちょっと、いつもの井上の試合とは違うぞ」
という思いが広がりました。
まずは相対して見て、
何かドネアの方が一回り体が大きく見えました。
「なんだか、階級が違うように見えるね」
なんて話していると、
2Rにドネアのパンチをまともに受けて右目上をカット。
「試合前の顔のままリングを降りる」
ことが当たり前と思っていた我々ファンに冷水を浴びせかけるような、
そして背筋をぞ~ッとさせるようなドネアのパンチ。
しかしまだまだワタシも、
「まだ始まったばかりだし、井上のパンチもかなりイイ感じで当たり始めている」
と話していましたが、
3Rもドネアがいい感じで圧力をかけてきて、
段々期待よりも不安が広がっていくようで、
このラウンドぐらいからは息もできないようになってきました。
4Rに少しペースをつかんだ感じでジャブからいい感じでパンチを当て始め、
5Rには攻勢を強めていくもののドネアも捨て身の、
井上の打ち終わりに狙うパンチが強くて、
何だかドキドキが止まらない展開でした。
そして鼻血も出始めて「これはまずいぞ」と思い始めた8R,9R。
ドネアが圧力を強めて前へ、前へ。
井上があれだけ下がらされるのをはじめてみたし、
そして9Rは何度も被弾して追い込まれ、
ギリギリクリンチで逃れるという姿を見て、
ワタシは初めて井上の負けを覚悟しました。
それほどドネアのボクシングは凄かったし、
「これが(ドネアの)経験なんだ」
という事を思い知らされたように思いました。
9Rを終わって「あと3ラウンド」となった時、
ワタシは1ポイント負けているのではと思っていたので、
残り3ラウンドに勝負がかかると思っていました。
しかし井上はなんだか足を気にしているようなそぶりも見られ、
心臓の鼓動は早くなりっぱなしでしたね。
だがそこから負けないのが真のスーパースター。
そのこともまた、
昨日の試合で感じさせてもらいました。
10Rには再度ペースをつかんでいいパンチをドネアに叩き込み始め、
11Rには待望の瞬間が訪れました。
どんな相手も悶絶させてきた左のボディが一閃、
ドネアを捉えるとさしものドネアも悶絶しながら膝をつきました。
しかしそこで立ち上がったドネア、
井上が攻勢をかけKO必至のパンチを叩き込むも、
決して折れることなく反撃して、
こちらも一撃必殺の”閃光”左フックを叩き込もうとしてきます。
最終12R。
両者ともにしゃにむに前に出たいところも、
やはり相手の「一撃必殺」のパンチを警戒して最後の一歩が踏み込めない緊張感の中ゴング。
そして判定で、
井上尚弥は3-0のスコアで、
この世紀の激闘を制したのでした。
両者の精神力、タフさ、
そして最高峰の技術。
すべてが堪能できる、
ものすごい12ラウンドでした。
レベルの高さ、
激闘のものすごさという事で、
日本ボクシング史に残る凄い戦いだったと思います。
井上尚弥。
輝ける「ライジングスター」は、
この厳しい戦いを制し、
いよいよ世界へと舞台を移していきます。
「井上の前に井上なし」
まさにそんな、
日本ボクシング界が生んだ最高のスター選手です。
目標はマニー・パッキャオ、マイク・タイソン、そしてモハメド・アリです。
世界中の、
ボクシングファン以外の人も誰もが知る存在になって、
その名をとどろかせてほしいと思っています。
頑張れ、井上尚弥!!!!
そしてノニト・ドネア。
彼を語る言葉も、
もう何もいらないでしょう。
ただただ、
素晴らしい。
見事な戦いぶりでした。
昨日ワタシは妻と一緒にテレビ観戦していたのですが、
井上尚弥を応援していたはずの妻の試合後の一言が、
このファイトのすべてを表していると思います。
彼女はただひとこと、
「ドネアのファンになっちゃった」
アリスの歌うチャンピオンのような試合になると思いきや、
ワタシは途中から、
『がんばれ元気』の、
元気と三島さんが最後に拳を交えるシーンに重なってしまいました。
そして涙がとめどなく流れてきました。
もうこの年になると、
涙腺が緩くなっちゃってしょうがありませんね。
井上はドネアという”師”から、
身をもってたくさんのことを教えてもらったんだと思います。
そんな試合だったように感じました。
彼にとって宝物のような試合だったのではないか?
そんな気がしています。
ワタシも昨日の試合(の最後の方)はかなり、
ドネアに感情移入してしまっていた気もします。
そんな忘れられないファイトでしたね。
ラグビーもいいけど、
ボクシングもいいよ~!
そんな天からの声を聴いた1日でした。
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初回からずっと緊張しっぱなしで、左フックがとにかく恐ろしかった。
会場で観戦しているファンも同じ思いなのでしょう、お互いのパンチが交錯するたびのどよめきが、それを物語っていました。
まめちち様もおっしゃっていますが、ドネアは一回り大きく感じましたね。
その優位性を生かしてか、恐れることなくプレッシャーをぐいぐいかけてきたところなど、さすが数々の猛者たちと歴戦を重ねたレジェンドだなと思います。
それと、尚弥はふとももを叩いていた仕草から、おそらく足に力が入らないアクシデントの影響で踏ん張りが利かずパンチも若干軽かったのか?
(TVには写っていませんでしたが、最初からインターバル中セコンド陣がしきりに叩いていたらしいですね。)
なのでドネアも恐れることなく圧力をかけられたのかな?
下馬評で圧倒的不利の予想を覆したドネア、さすがでした。
全盛期だったらと思うとゾッとします。
それにしてもやっぱかっこいいわー。ドネア。
マルケス兄と並んで、1番好きなボクサーです。まだまだやれるよー。
一方、尚弥のほうは変に気合入りすぎていたように感じました。
始まると、いい緊張もって戦っている印象でしたが、2R始まって間もないころだったか、コーナー付近で一瞬ノーガードになりました。
1Rで相手を見切る能力がずば抜けているので2R目が注目ですと、解説陣。
おっ、やはり見切ったのか?尚弥もイケると余裕がでたのか気持ちがゆるんだのか、警戒していた左フック。
あそこはもったいなかった。ほんともったいなかった。
あの出血がなければもっと早く終わっていたかも。
まあ、たらればをいっても仕方ありませんが、出血もふくめパンチをもらってぐらつくピンチを経験したことは、今後間違いなく生きてきます。
懸念されていた、被弾した際の耐性も優れているんだと知らしめた一戦だったのではないでしょうか。
採点は意外と差がつきましたが、これはマストシステム故、仕方ないですね。
どちらに転んでもおかしくありませんでした。ほんとまめちち様と同じく、負けも覚悟しましたから。
いやあ、とにかく良かった良かった。
拓真の敵を討ちたいと、早速ウバーリに対戦表明しましたが、ウバーリはそのまえにロドリゲス-ネリとの勝者との指名戦があるようですがどうなるんでしょ。
ウバーリ、ロドリゲス、ネリ。
楽しみですねー。
個人的には階級は上げず、バンタムに留まって防衛ロードを突き進んでほしいです。
挑戦してくる強敵をバッタバッタと蹴散らし、複数階級を狙ってくる挑戦者の高い壁、そう、マービン・ハグラーの存在のようになって欲しいのです。
テテもなにやらほざいているので、まずそっちを先に片付けてくれ!
ああ、つくづく思います。
尚弥のキャリアにロマゴンの名が欲しかったと・・・。
あと、もうひとつ感じたこと。
長谷川、山中両氏の解説、TBS及び内藤らと違い最高でした。
最高でしたが、フジTVよー、もうちょっと放送時間なんとかできんかったかね?
そこが本当に残念でした。
すいません、もう嬉しくてまた長々と書き綴ってしまいました。
(まだ書き足りませんが・・・笑)
PS
息子がテレビが終わった途端連絡があり、試合について感想を述べ合っていました。
まめちち様の奥様と同じくこちらでも
「ドネア、めっちゃシブイちやー! ファンになったあ!」との事。
(ちなみに息子は、比嘉大吾の大ファンであるのと、プライベートの拳四郎と一緒に写真をとってもらったことから、常々ツイッターをのぞいているらしいです)
試合内容といい独特の雰囲気といい、やはり惹きつけるものをもっているのでしょうね。(それにしても老けたなあ・・・)
初めてタイトルを奪った、ダルチニャン戦を是非見ろと伝えました。
ダルチニャンも好きだったなあ・・・。
凄い試合でしたね。
「ザ・ファイト」そのものでした。
井上もドネアも、
今持てるものをリングの上で表現してくれ、
見ている者にボクシングの素晴らしさを見せてくれました。
とにかく両者には「ありがとう」という言葉しかありません。そんなファイトでした。
それにしても後味の良い、
これじゃなきゃと思わせる感覚。
それだけにフジには、
あと10分放送を延長してほしかった。
言っちゃあなんですが、
やっぱり尻切れ感が満載の終わり方となってしまって、
余韻に浸っている暇がなかったですね。
仕方がないので、
今日WOWOWでそのあたりを楽しもうと思っています。
何しろこの井上のファイトのために、
契約を解除せずにいたものですから。。。。。
いずれにしても、
世紀のファイトと言って差し支えない試合だと思います。