≪IBFフライ級タイトルマッチ 12回戦≫ ~大阪・ボディメーカーコロシアム~
チャンピオン 挑戦者・8位
アムナット・ルエンロエン(タイ) 〇 12R 判定 ● 井岡一翔(井岡)
113-114
119-108
115-112
春を迎え、
華やかになってきた今年の日本ボクシング界。
3月末に河野が2度目の世界チャンプに返り咲くと、
4月に入ってからはチャンピオンたちが百花繚乱。
激闘を繰り広げてくれました。
まずは井上が世界初挑戦で見事に戴冠すると、
『勝てば次戦はロマゴン』と公言していた八重樫は、
勝ってファンの期待を膨らませてくれました。
そして4月23日には、
山中が”神の左”を存分に見せてKO勝ち。
あの長谷川穂積は、
ファンに深い余韻を残しながら、
壮絶にKOで散っていきました。
まさにこのところ、
『ボクシングの面白さ』
を体現してくれるファイトが続き、
ボクシングファンとしては嬉しい限りでしたが、
昨日は『安定チャンプ』の井岡が、
3階級制覇を狙ってIBFフライ級のベルトに挑みました。
チャンピオンのアムナットは、
タイでは最高齢のチャンピオン。
北京五輪では8強に進出しており、
タイでは人気のあるボクサーというふれこみでしたが、
戦前は実力には『?』マークをつけられていて、
前日・当日の2回の軽量でいずれもオーバーという失態(?)を犯したこともあり(その後再計量をパスして、事なきを得ましたが)、
何だかムードは『井岡がサラッと3階級制覇達成』というものでした。
実はワタシも、
そんなココロモチで見ていましたが・・・・。
始まって1Rでビックリ。
やはり井岡がこれまで主戦場としてきた階級よりも上の階級ということもあり、
井岡が何だか小さく見え、
そして1Rでのパンチのやり取りで、
『こりゃ、井岡やばいな』
という感を強くしました。
何だかアムナットの張ったクモの巣に、
井岡が徐々にからめ捕られていくという様な、
そんな印象の序盤戦でした。
井岡らしいコンビネーションや出入りの速さが消えて、
相手のアッパー、ストレートを警戒して、
何だか顔をしっかりガードするのはいいのですが、
軽やかな動きというものは一切見られませんでした。
前半の4,5Rは、
明白に相手に取られたようで、
『こりゃ、本格的にやばい』
と思いながらワタシも、
じりじりと追い詰められていくようないや~な感じがしていました。
しかしながら中盤から後半にかけては、
アムナットが明らかに失速。
井岡は前に出てプレッシャーをかけますが、
そこは老獪なチャンプ。
長けているクリンチワークで、
井岡にクリーンヒットを許しませんでした。
最終Rの終了のゴングが鳴ったところで、
ワタシのココロは『あ~あ』という落胆が支配してしまいました。
”自己採点”では2,3ポイントチャンピオン優勢。
そしてその通り、
判定は割れましたが2-1でチャンピオンの勝利となりました。
残念な結果に終わり、
井岡サイドは落胆していることでしょうね。
しかしながら、
今まで順風満帆に歩いてきたこの【ボクシングの道】が、
ちょっと寄り道を余儀なくされたとでも思えばいいのではないか、
なんて思っています。
この日の課題は結構明らかだと思いますので、
今後の糧にしたらいいのではと思っています。
再起を期すには、
まだまだ十分な時間がある井岡一翔というボクサー。
負けを知ってからどんどん強くなった、
西岡利晃などの先人のたどった道を、
目指してもらいたいと思っています。
ワタシがゆくゆく観たいのは、
スーパーチャンプになるであろう井上尚弥との直接対決。
このぐらいの強い相手と当たった時の、
井岡の『真価』を見てみたいといつも思っています。
そのためには、
再起して、
世界タイトルを取って。。。。
まだまだ長い道のりの前半戦。
頑張ってほしいと思います。
昨日の敗戦、
個人的には、
井岡にとって良かったのではなかったかと思う気持ちもあります。
というのも、
『無敗』『〇階級制覇』
というものばかりに踊らされ、
かの【亀田劇場】と同じような土俵に祭り上げられようとしていた井岡の防衛ロードが、
この敗戦によって軌道修正できると思うからです。
亀田3兄弟の試合の放送を事実上切って、
井岡にシフトする気満々だったTBSという怪物に、
井岡が今後のボクシング人生を半ば強引に路線を決められるのではないか、という危惧が、
少し薄らいだと思うからです。
井岡選手。
あなたは自由に、
自分の思う通りの道を進むべきです。
『TVチャンピオン』から『本格派』へ、
井岡の本当のボクシング人生が、
始まった日と思えてならない、
ワタシです。
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