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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

責任の所在

2015年06月04日 | プロ野球

オリックス・森脇監督が、
6月2日に会見を行い、
監督を休養し、
指揮を福良ヘッドコーチに任せると発表しました。

オリックスは5月31日時点まで19勝34敗。
借金が15で、
この時点ですでに自力優勝の目が消えたと報道されていました。

今年のオリックスは、
昨年いきなり大ブレークし、
最終戦まで優勝争いを繰り広げた上の2位で終えたため、
捲土重来を期して、
その戦力に大きな上積みを行いました。

まずはFA必至と思われていたエースの金子千尋の残留に成功。
その上、
次々に主力打者を獲得。
『盤石な投手陣に、打撃陣の戦力を底上げし、投打ともに盤石な状態でSBを追う』
というチーム方針でキャンプに突入しましたが、
キャンプ・オープン戦において故障者が続出。

やや不安を持ちながらシーズンに入っていきました。

そして開幕の西武3連戦。

いずれも接戦ながらまさかの3連敗。
そこから暗く長いトンネルに入り込み、
2か月の間ずっともがき苦しみながら、
打開策を模索してきたと言っていいだろうと思います。

西武ファンの立場から言わせてもらえば、
この開幕3連戦、
西武ファンは半ば≪3連敗≫を覚悟して臨んだ開幕シリーズでした。

3連敗で立ち上がったなら、
昨年の伊原・西武の失敗がまた今年も繰り返されるという、
暗黒のペナントレースも予想されましたが、
このシリーズで思いもよらない3連勝。

若く戦力の整っていないチームは、
この3連戦で完全に自信をつけ、
チーム全体が『いい回転』のままここまで何とか踏ん張っているという状況です。
(もちろん現在の西武は、他球団と比べて力があるわけではないので、この6月においては既にやや失速気味という状況に陥ってはいますがね。)


反対にこの3連戦で想像もしていなかった3連敗を喫したオリックスは、
その後『何をやってもうまくいかない』
という逆回転をし始めて、
ズルズルと沈んだまま浮上のきっかけをつかめない・・・・・・という感じでここまで来てしまいました。

今年のオリックスを見ていると、
何だか昨年の西武にそっくりだなあと思わざるを得ません。

その前年2位だったことも一緒だし、
2位で進出したCSで3位のチームに敗れ、
失意のままシーズンを終えていたというのも同じです。

違うところと言えば、
『ほとんど戦力補強をせず、しかもFA流出で主力が抜け落ちていた』西武に対し、
『戦力の上積みはばっちりできた』と思われていたオリックスという違いでしょう。


しかしチームが失速して我を失ってく様は、
全く同じだなあ・・・・・・というようにワタシには見えます。


今年のオリックス。

何がダメかと言えば、
とにかく『主力が働かなかった』
これに尽きますね。


ブランコ、中島、小谷野、バリントン。

今シーズン、オリックスが獲得した『優勝請負人』達。

もとよりいい戦力を有していたオリックスに、
これだけの実績を残していた選手たちが集まれば、
期待しない方がおかしいというもの。

しかも、
彼らの獲得はまさに『優勝のためなら、金に糸目はつけない』と、
他球団との獲得合戦に打ち勝って獲得した選手達でした。

ブランコは一昨年DeNAで41本塁打、136打点。
中島には西武時代のように、3割、20本、80打点位を期待したのでしょう。
小谷野も十分にサードのレギュラーを張れる選手。
そしてバリントンは、広島時代の10勝から、強力打線の援護もあるオリックスなら、15勝前後も期待したことでしょう。

そして金子のFA残留も入れれば、
総額40億円に上る大盤振る舞い。

『こりゃ、優勝だ~』

とファンが叫びたくなるのも分かります。


しかし一方で、
これまでの戦力にこれだけの選手を上乗せするということは、
昨年機能し2位に貢献した選手たちが、
言われなく控えに追いやられるということもあるわけで、
『必ずしもうまくいくかどうかは、わからない』
ということも囁かれてはいました。

それでも、
これだけの実績を残している移籍選手たち。

『そこそこはやってくれるだろう』

と思うのが当たり前。


しかし。。。。

まあ、
気の毒になってくるほど、
彼らの体たらくぶりはひどかったですね。
ここまでのところ。

まず、
普通の形で試合に出て来もしない。

ブランコ、中島、小谷野。。。。。

彼らが並んでスタメンに出ている姿、
見た記憶はありませんなあ。。。。

しかも出ている時でも、
『全盛期にはやっぱり程遠いなあ』
という様なプレーしか見せなければ、
そりゃファンだけじゃなく、
チームメートもしらけるわなあ。

そして機能しない打線が逆回転していると同時に、
投手陣にも誤算が続出。

去年あれだけの盤石ぶりを誇ったリリーフ陣が、
ほぼ全員故障を抱えて機能せず。。。

いきおい、
出場している野手や先発投手などには、
過度の負担がかかっていて、
いつまでも”順回転”していかないという状況に陥っているという感じです。


昨年ワタシは、
西武の低迷の『元凶』は中村選手であるということを書いた記憶があります。

チーム最高年俸をもらい、
『おまえにチームを託す』
とまで言われた彼が開幕から1か月もスタメンを張れず、
出てきたその後にも一向に調子が上がらない様は、
本当にファンとして腹立たしいものでした。

結果的にあまりレベルの高くない『本塁打王』を同僚のメヒアと分け合う形で獲得した昨季でしたが、
ワタシはこのタイトルを全くと言っていいほど評価していませんでした。
既にペナントの趨勢が決した夏場からガンガン打ち出しても、
それはまさに『個人記録のみ』を追求するもの。
チームが彼に与えた『価値』は大きく棄損されたものという感じしか持つことができませんでした。


その同じことを、
オリックスの移籍4人組には、
強く感じてしまいます。

今となっては、
『うまく機能していたチームに、こんな4人をわざわざ移籍させてきたこと自体が、チームを壊してしまった原因ではなかろうか?』
そんなことすら思ってしまいます。


よくプロ野球では敗因を語るとき、
『戦犯』
という言葉を使いますが、
ワタシはまさにこの4人こそが≪大戦犯≫だと思っています。

そしてその彼らの価値を見誤って獲得に動いたフロントの責任も、
免れないのではないかと考えますが、
いかがなものでしょうか?


森脇監督の采配の迷走、
もちろんそれも低迷の原因ではあるでしょう。

しかし、
フロント主導で獲得してきた選手が、
揃いも揃って全く活躍してくれない様は、
監督の目には、
どう映っていたことでしょう。

”責任の所在の明確化”
これなくしては、
次には進めないことは、
プロスポーツでは当たり前のことだと思うのですが、
いかがでしょうかね。


昨年の西武の低迷は、
主力の離脱や不調などと並び、
伊原監督のキャンプの大失敗というものもありました。

キャンプの大失敗により、
開幕直後、
どうしても調子の上がってこない選手が多数出現し、
チームは下降線をたどっていきました。


しかし今季オリックスのキャンプ、
何か問題があったとは記憶していません。


とにかくケガ人が続出したこと、
そして獲得選手がなんら活躍してくれなかったこと。

それらって、
監督と並んで、
フロントの責任がものすごく大きいんじゃないか?
そんな気がしています。

まあ、
トップは別として、
日本のプロ野球、
フロント陣は『親会社からの出向者』も多数いるという構造ですから、
致し方のない面もあるかもしれませんがね。


彼らの失敗から見え隠れする教訓。

それは、
フロントがプロでないと、
チーム作りが迷走してしまうこともあり得るということ。

そして、
マーケットに出ている選手の『現在価値』を適切に見抜けないと、
恐ろしいことになりまっせ!
ということでしょうね。


そういう点で言えば、
やっぱりSBと日本ハムはチーム作りがうまいなあと、
つくづく思います。

両チームは、
チーム作りの”哲学”は全く違いますが、
その手腕は見事。

SBは本当に『適材適所』にいい補強を行います。
『名前や実績ではなく、持っている力』
が的確に判断されているように感じます。

日本ハムは『去る者は追わず』の姿勢ですが、
『いい素材を獲得して、自前で鍛えてこそチームは強くなる』
が徹底しており、
次々に素晴らしい選手が出て来ます。
そして、
チーム全体が明るいオーラに包まれているように感じます。


FA制度を含む新時代になって、
この両チームはチーム作りや地域とのコラボなど、
最も成功している事例となっていると感じます。

”一歩先行くチーム”ですね。


プロスポーツのチーム作り。

金をかけるだけじゃあ、
ダメなんだよなあ。。。。。。。


ワタシは森脇監督のことは、
今でも『いい指揮官』だと思っています。

伊原さんのことだって、
『いい指揮官』だと思っています。
(ただ、伊原さんについては、時代には合わない人なので、もうこれ以上は指揮を執ることがないようにした方がいいとは思っていますがね。)

フロント・監督一体となって、
強いチーム作りに、
各球団邁進してください。


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