井上尚弥 ベガスで7回ＴＫＯ！！

１０／３１　ラスベガス　※無観客
≪ＷＢＡ、ＩＢＦ世界バンタム級タイトルマッチ　１２回戦≫
ＷＢＡ／ＩＢＦチャンピオン　　　　　　　　　　　　　　ＷＢＡ2位／ＩＢＦ4位
井上尚弥（大橋）　○　　　ＴＫＯ　７回２分５９秒　　●　ジェイソン・モロニー（豪州）



”モンスター”井上尚弥の、
ラスベガス本格デビュー戦は、
7回見事なＴＫＯ勝ちとなりました。

日本ボクシング界、そしてボクシングファンにとっては、
ラスベガス本格参戦でのタイトルマッチとあってまさに「日本ボクシング100年の夢」を実現したかのようなビッグマッチでした。
しかし、日本では世間の目が全くこの日のこのビッグマッチには注がれていないという悲しい現実を見せられ、
ワタシはちょっとへこみ気味でしたが、
ファイトが始まるとそんなことはどうでも良くなってしまいました。

『俺たちのチャンピオン』
井上尚弥は、この日も強かった！！

あのＷＢＳＳ決勝、ドネア戦から1年。
待って待って待ったこの日のファイトは、
井上の引き出しの多さを垣間見た一戦で、
非常に印象に残るファイトとなりました。

対戦相手のモロニーは、
決して弱くはない挑戦者でしたが、
さりとて強くもない・・・・というのは戦前から言われたところでした。

試合を見た印象としては、
「言われているほど弱くはないいいボクサーだが、井上の相手になるほどではない」
といったところでしょうか。

１・２Ｒはさすがの井上も、
ベガスでの無観客試合、そして1年ぶりのファイトとあって、
やや硬さが見受けられて若干粗く見えましたが、
徐々に感覚を取り戻していったという感じで、
5Ｒぐらいからはもう「モンスターショー」という感じでしたね。

６Ｒで左でダウンを奪うと、
７Ｒ終了間際には見事なタイミングで右のカウンターを突き刺し、そこでジ・エンド。
タイミングを計った見事な一撃で、
モロニーは立ち上がろうとしたものの全く目の焦点が合っていない感じで崩れ落ちました。

井上はこれで晴れて「ベガスデビュー」というところでしょう。

先日はあのロマチェンコも敗れましたし、
夢のまた夢であったＰＦＰも手が届くところまでやってきている感じです。

『人類のすべてのボクサーの中で、井上尚弥が最も強い』と衆目に認められるまで、
あと一歩というところ。。。。。。

ああ、なんてすごい高みにまで登ってきたのでしょうか。


かつて同じ階級あるバンタム級で世界タイトルを１０度以上防衛した、
日本ボクシング史上に輝く長谷川穂積、山中慎介の両チャンプが解説席に座っていましたが、
この二人をして井上の技術、パワーには舌を巻いていましたね。
それほどの凄みをまとった世界チャンピオンです。

今後の防衛ロードが気になりますが、
やっぱり井上はアメリカのリングに主戦場を移して、
まさに「世界を舞台に」活躍してほしいと思いますね。

この日の日本での「盛り上がり方」を見ていると、
日本でのボクシング人気はなんか、
底が見えちゃっているような感じで。。。。。

もう日本で戦う必要はないよ。
世界（アメリカ）のリングで戦って、
【彼のすごさに見合う正当な評価をもらえる舞台】で活躍すべきだと、
心から思います。

井上尚弥は、
まさにＭＬＢで活躍したイチローのようなもの。

彼が「パワーだけではなく、技術でヒットを積み重ねることがこんなにコーフンすることなんだ」という事をＭＬＢのファンに植え付けたように、
井上尚弥も「パワーだけではない技術を見れば、軽量級でもこんなに面白い」という事を、
世界のボクシングファンに見せつけて欲しいと思います。

まさに狙うはあのパッキャオ、
そういう立ち位置だと思います。

彼には日本は小さすぎる。

それにしても、
決して弱くない相手をあれだけ無力化してしまう、
「詰将棋」のような昨日のファイト、
あれこそが井上尚弥の真骨頂だと思います。

ラウンドを重ねれば重ねるほど、
相手は全ての手を封じられ、
追いつめられて袋小路に入り込んでしまう・・・・・
そしてそこに待っているのはバズーカ砲。。。。

ある意味１Ｒや２ＲでのＫＯ勝ちよりも、
ワタシはずっと楽しめました。

凄いねえ、井上尚弥というボクサーは。
彼の【第2章】は昨日幕を明けましたが、
さてワタシ達ファンに、
どんな「まだ見ぬ景色」を見せてくれることでしょう。

楽しみでなりません。


お疲れさま。
気を付けて帰ってきてください。