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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

WBC世界Lフライ級タイトルマッチ  木村悠  大逆転で世界チャンプだ!

2015年11月30日 | ボクシング

≪WBマッチC世界ライトフライ級タイトルマッチ≫ 12回戦  ~仙台~

チャンピオン                     挑戦者・3位
ペドロ・ゲバラ(メキシコ) ● 12R判定 〇  木村悠(帝拳)
                 117-111
                 113-115
                 113-115


年に一度の『WOWフェス』。

WOWOW がおこなう無料放送に合わせて、
ボクシングの世界タイトルマッチが行われます。
もちろん試合は、
すべて生中継でOA。
ボクシングファンにとっては、
11月のお楽しみイベントとなっています。

昨年は三浦隆司とローマン・ゴンザレスのダブル世界タイトルマッチが横浜で行われましたが、
今年は仙台での興行となりました。

世界タイトルマッチは2つ。

Sフライ級の江藤光喜が強豪のチャンピオン・クアドラスに挑むものと、
Lフライ級の木村悠の初めての世界戦の2つ。

どちらかというとこの日のメインイベントとなる江藤のタイトルマッチが注目され、
木村のタイトルマッチの注目度は今ひとつでした。

ワタシも実は、
木村選手の試合を見るの、
これが初めてでした。

事前に購入した雑誌によると、
木村選手はサラリーマン生活をしながらプロボクサーという、
2足のわらじをはく選手。
それだけ苦労も多く、
アマ時代に同時期に活躍した選手などに後れを取っていましたが、
30歳を超えた年齢で日本チャンピオンに輝き、
32歳で初めての世界挑戦を掴んだという苦労人ということが分かりました。

『最初で最後の世界挑戦』
とこの試合を位置づけ、
すべてを賭けてこの試合にかけてきているというのが伝わりました。

もちろんこの木村選手。

井上、山中、内山、三浦各選手のような強烈なパンチがあるわけではなく、
八重樫、井岡、内藤のように、
コンビネーションに長けていたり、
身体能力がずば抜けて高いわけでもありません。

言ってみれば、
地味な選手。

しかしそういう選手が、
たたき上げてこの挑戦まで上り詰めてきたことが、
なんとも素晴らしいこと。

そういう感じで、
試合を見ていました。


挑むチャンピオンは、
昨年の年末にあの八重樫東をボディ一閃で葬り去った、
”リカルド・ロペスを継ぐ男”
とまで言われる、
若きスーパースター候補のペドロ・ゲバラ。

正直勝ち目は薄いとみられ、
ボクシングのサイトなどでも、
圧倒的に『敗北予想』があふれていた戦前でした。


試合は予想通り、
ゲバラが左右のジャブ・ボディなどで木村を寄せ付けず、
4R終了時点での公開採点では40-36,39-37,39-37の3-0でゲバラのリード。

そして木村が挽回を狙った5Rには、
逆にゲバラがいいパンチを入れて、
木村をKO寸前まで追い込みました。

5R終了時点では、
ほとんどの人は『木村の勝利の目は、まずない』と思ったのではないでしょうか。

『ゲバラが何ラウンドでKOするのか?』
が試合の主な興味となっていたかもしれません。

しかし。。。。

ここから、
木村の意地と覚悟の大反撃が開始されます。

『このままでは勝ち目はない』
と悟った木村、
自分のスタイルである『足を使って相手が出てくるのを待つ』スタイルを捨て、
愚直に前進を始めました。

相手のゲバラは出てくる相手が大好きなカウンターパンチャー。
しかし木村はそんなことお構いなしに、
どんどんどんどん、
前に出続けました。

まるで『俺にはもう、これしかないんだ!』と言わんばかりに。

そして、
その中でいいパンチが当たりだし、
見事なボディがゲバラの脇腹をとらえたあたりから、
完全に形勢は逆転。

6,7,8Rと木村のいい感じのラウンドが続いて、
2回目の公開採点では、同点が1者、2ポイントゲバラリードが1者と、
明らかに追い上げているというのが見て取れました。
(あと1者は、大差でゲバラのリード)

ここでワタシ、
考えました。

残りは4R。

木村が攻勢をかけるとして、
逆転するには。。。。。

ジャッジの一人は、明らかにゲバラの勝ち。
もう一人は8R終了時点で同点だったので、木村の勝ちに傾くとして。。。

最後の一人の採点が問題です。

8R終了まで2ポイント差でゲバラのリード。

スコアは”マストシステム”と言って、
必ず各ラウンド共にどちらかに優勢をつけなければなりません。
10-10というラウンドはなく、
微妙な差でもどちらかに10-9と振らなければなりません。

ということは、
残りの4Rで、
木村が3Rを取り、ゲバラが1Rを取る展開だと、
採点はドローとなってしまいます。

そうなると、
1者ゲバラ、1者木村、1者ドローで、
引分で、タイトルはゲバラが保持する、
となってしまいます。


ということは。。。。

木村は残りの4R、
すべてを取らなければ、
勝ちはないということ。。。。

『厳しいなあ!』


しかし木村の覚悟は、
生半可ではなかった。

9Rも10Rも、そして11Rも、
『ワタシの採点』
では木村が”取った!”と思えるラウンドで、
ワタシの中では『ついに追いついたぞ!!!!』
という試合展開となりました。


そして最終ラウンド。

余裕なく失速していたゲバラも、
最終ラウンドということで攻勢をかけ、
迎え撃つ木村も意地と誇りをかけて前へ前へ!


試合前には想像もしなかったような、
『ボクシングの面白さ』
満載の最終ラウンドとなりました。

最終ラウンドは、
正直どちらが取ってもおかしくないような微妙なラウンド。


そして。。。。。

リングアナウンサーのコールは、

『WBC世界Lフライ級・・・・・・・・ニューチャンピオン!!!!木村悠』


その瞬間、
苦労人・木村の手が高々と上げられ、
木村が世界チャンピオンに輝きました。

それにしても、
強打のゲバラ相手に、
本当に『乾坤一擲の戦い』を、
木村はやってくれました。

感情移入満載の、
素晴らしい戦いぶりでした。

またまた日本のボクシング界は、
一人の名物チャンプを生んだと言っていいでしょう。

先の河野洋平選手に続いての、
たたき上げ系の世界チャンプ。
応援したくなっちゃいますね。

おめでとうございます。

世界チャンピンですよ!!


ということで、
今年のWOWOWフェスも、
大いに盛り上がりました。

前の週の三浦隆司チャンプの衝撃の敗戦の傷を、
癒してくれるような木村選手の戦いぶり。

今度は会場に応援に行きます!!

 


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