以前、ペッピーノさん=アルファ156V6の左側ドアミラーを、立体駐車場の支柱にぶつけて…
ミラーのカバーにひびが入ってしまった話を、このブログに書きました。
手でなんとか戻して、今はこの状態よりはましになっていますが、完全に直るはずはなく。
とりあえず使用に際しては問題がないので、手ごろな中古のパーツが入ったら交換、ということにしていました。
少し前にパーツは見つかったのですが、うちのマエストロによると、価格がいまひとつ安くない気がするということで…
「僕としてはもう少し安いのを探したいですけど、お急ぎならばこちらを取り寄せます。どうしますか?」
と連絡がありました。
マエストロが「値段がいまひとつ」というのですし、当面困ってはいないので、見送りました。
それにしてもうちのマエストロ、良心的です。
多少高くても、損するのは私だけなのに。
それに、365日、年中無休で営業しているんですよ!いくら車いじりが大好きでも働きすぎでしょう。
休んだ方がいいですよと勧めても「いや、予約がない日に遅く出たり、早じまいしたりしてるから大丈夫です」と。
ペッピーノさんのバックランプが切れたときも、ガレージにあったバルブとちゃちゃっと交換して…
「要らない球を使っただけですからお代はいいです」ということで、結局、工賃含めタダになっちゃったし。
利益を度外視したやりかた、客としては助かりますけれど、正直言って心配になります。
身体を壊されたり、お店が潰れたりしたら、真剣に困りますから……。
で、実は最近、またやらかしてしまいました。
セルフのガソリンスタンドで給油するとき、ホースにつまづいてよろけてしまい、車に手をついたら…
運悪くそこが給油口で、丸いリッドを、蝶番の反対方向にバンと押してしまい…
バキッと折ってしまったのです。
一応、手ではめるとパチンとはまりますけれど、給油口リッドを開くレバーを引っ張ると…
カタンと下に落っこちてしまいます。
落ちるとリッドがコンクリの床に当たって、当たった部分の塗装が剥げてしまうという有様。
給油口を開くたびに、下にクッションみたいなのを置けばいいのでしょうが、これはさすがに不便。
なので、マエストロに代替部品の取り寄せと、取り付けをお願いしました。
ラッキーなことに部品がすぐ見つかったので、月曜日に行って取り付けてもらう予定です。
それしても、また、私の不注意でペッピーノさんにケガさせてしまった……
まったく何やってんだか。へこみますね、こういうのは。
運動不足と老化で、足元がおぼつかなくなってきたのでしょうか。
ところで、新情報も得られました。
ペッピーノさんの前輪(駆動輪)に後付けしてあるという「Q2システム」というものですが。
Q2の「Q」というのは、英国のギアパーツメーカー「Quaife(クワイフ)社」の頭文字から取られたものだそうです。
つまり、これはヘリカルギアを使用した、機械式のLSD=リミテッド・スリップ・ディファレンシャルの一種だと。
LSDというのは、カーブや、もしくは部分的に路面の摩擦が異なる状況(土や水たまりなど)で…
駆動輪の、左右どちらかのタイヤのトラクション(前後方向のグリップ)が減衰したとき…
空転気味になった方の推進力を抜いて、グリップしている方のタイヤにその分を集中させる仕組みです。
厳密に言うとQ2のデフというのは、一般的なヘリカル式LSDとも違う、Quaife社独自の構造だそうですけれど。
そういえば若い頃、知り合い数人とお金を出し合って、EP71スターレット(FF車)で筑波の草レースに出ていた頃…
クワイフのLSDを装着した車があったという記憶が、遠い彼方から蘇って来ました。
それをさらに改良したものが、アルファのQ2システム、ということなんですね。
実物は、こういうものみたいです。
他の機械式LSDと比べると、効きがマイルドではあるものの…
機械式、とくにプレート式のLSDの場合に気になる、作動時の「バキバキ」言う異音が出ないこと…
ハンドリングに違和感が出ないこと…
そして何より取り付けが簡単で、ギアオイルの交換などが、ほぼメンテナンスフリーであるのが利点だと。
大きさがコンパクトで、重さも片方で2㎏と軽量なのもメリットだそうです。
ただ、お値段はパーツ代だけで17~18万かかるとのことで…
前のオーナーさんが、いろいろとお金をかけてくれたことのひとつとして、感謝しなければいけませんね。
Q2システムは、アルファロメオ156がETCC(ヨーロッパツーリングカー選手権)および…
それを引き継いだWTCC(世界ツーリングカー選手権)に参戦して…
ファブリツィオ・ジョヴァナルディ選手に、選手権3連覇をもたらした活躍の中で、熟成された技術でもあるのだとか。
他のワークスチームがすべて後輪駆動車(FR)で参戦した中で、アルファ156だけが前輪駆動車(FF)という状況で…
コーナリング性能の向上と、特に雨天レースでの、スタート時のトラクション安定に役立ったとされています。
もっとも、ETCCおよびWTCCを通じて…
アルファ156は、予選のアタックタイムこそ良くて、前方のグリッドを維持していながら…
スタンディングスタート時のトラクションの点で有利な、BMWなどのFR車に…
スタートでしばしば立ち遅れる傾向が、最後までありましたけれど。
いずれにせよ、この車の旧オーナー、同モデルにはマニュアルやシーケンシャルミッションの選択肢もあるのに…
わざわざ、アルファ156では珍しいフルオートマ版を選択し、それでいながら…
強化されたブレーキやショックアブソーバーといい、Q2システムといい…
走りに関係する改造を、お金をかけてまでいろいろ施してあるのが、謎と言えば謎でもあります。
本当のところどんな事情があったのかは、当時のオーナーさんにきいてみなければわかりませんね。
ともかく、私が愛車にケガをさせてしまった失態のリカバリーは、月曜日にするということで。
そして、とても暑かった一昨日、去年よりさらにエアコンの効きが悪くなっているのに気が付いたので…
これから来る本格的な夏に備えて、エアコンのガスも交換してもらおうかと思っています。
今回のおまけ動画。
2005年の世界ツーリングカー選手権、イスタンブールサーキットでの、第8戦の模様です。
この年は、アルファロメオ、BMW、セアト、シボレーがワークス体制で参加したほか…
フォードとホンダも、プライベーターとして参戦していたんですね。
第1、第2レースを合わせると尺が1時間半ぐらいになるので、スタートから5分程度でもいいので…
アルファがまだ、モータースポーツの世界で輝いていた時代の雄姿、ちょっとでもご覧いただければと思います。
このころは、私もちょうどモータスポーツについての記事を書くことを、生業にしていた時代でした。
アルファが、この世界で再び輝く日が来るのか。
それ以前に、車の電動化が進むこれから、モータースポーツというもの自体がどうなってしまうのか、が問題ですが…
動画では、スタートが7分40秒過ぎぐらいになりますので、そこまでスワイプしてからご覧ください。
WTCC 2005 - Round 8 Istanbul, Turkey - Race 1, 2