この前帰省してアパートに帰って行った息子が、昨晩遅く急にやって来て、朝早く帰って行きました。
高校時代の陸上部の部活の仲間十数人で、横浜で飲み会をした帰りだとか。
急だろうとなんだろうと、いつでもウェルカムなんですけどね。
ところで、わずか一週間の間に、研究のことで大きな進展があったみたいで…
実験データが揃ったら一気に完成させて、完成すれば世界的に権威のある学術論文誌に載ることが…
ほぼ確定になったとか。
早ければ年度中、遅くても夏ぐらいまでに完成させたいと。
これは本当に大変なことで、もし学部生の身分のうちにできたら、前代未聞のこと。
そうでなくても、これにプラス、もう一報重要論文を書いたら…
もしかすると正規の年限を大学院で過ごさなくても、もろもろすっ飛ばして博士号をもらえるかも。
それとは別に、そこまでの実績を持っていれば、薬学研究で名高い海外の研究所への赴任や…
あるいは「メガファーマ」と呼ばれる、世界の製薬メジャー企業に研究者として就職が可能になります。
(反ワクの人たちからは、世界人口削減の陰謀の中心を担う、悪の組織とされるような)
メガファーマなんかに研究者として勤めたら、初任給が、日本円にすると2千万円超からですから…
国内での就職とは全くの別世界。
まあ彼の場合、研究はお金のためにやっているわけでも、出世のためでもなく…
「自分のためでなく未来の患者さんのために全力で勉強」
がスローガンですから、メガファーマだろうが、製薬ベンチャーだろうが関係ないのでしょうけど。
それに、父親と曽祖父が、金銭的には恵まれた仕事を、けつをまくって辞めてる実績があるので…
メガファーマなんか入っても「正義」や「倫理」に反する、とか言って自分から辞めちゃいそうですが。
ともあれ、予想外のスピードで、どんどん凄い科学者への階段を駆け上がって行ってしまう息子。
実家好きで、こうしてまだ、しょっちゅう帰って来てくれたりはしていますが…
実際はもうとっくに、親の想像もつかない世界で生きているのでしょう。
ナイジェリア人、エジプト人、バングラデシュ人と4人で「UNO」をやって遊んだとか言っていて…
交友関係もどんどん拡がってるし。
何より博士号を取ったら、その後は海外での研究生活一択、ということを公言しているし。
そうしたらめったに会えなくなってしまう。
というか、送り出したら、もう二度と面と向かって会えないような状況になるかも。
空港で別れたら、泣いてしまいそう。
ただ、これから日本がさらに衰退して行くことは、ほぼ間違いのないことで…
そう遠くない将来、天災とか戦争で、国家滅亡の可能性さえありますが…
それだけでなく、人類全体が滅びたり、文明が何百年何千年も後退するような恐ろしい事態が…
これから起こっても不思議ないような、不安定で不穏な世界情勢になって来ています。
科学技術と社会システムの発達を、倫理なきまま放置し続けて来たからだと、息子も言っています。
もう前世代のように「孫を抱きたい。ひ孫の顔が見たい」なんて呑気なこと言ってられる時代じゃない。
(そんなこと言っても「大げさ」と言って、信じない人たちばかりだからこそ)
息子が私ぐらいの年齢になる、今から40年近く後に…
彼が何よりも大好きで「それがなければ生きている意味がない」とまで言っている…
薬学の研究を、まともに続けていられるのだろうか。
それ以前に、果たして生き残ってくれているかどうか。
もうそこに関しては「祈る」以外に、私がしてやれることはないのですが。