アルファロメオと小倉唯

パーフェクトデイズ

息子が先月「初めてひとりで映画館に入って映画を観た」と。

私にも勧めて彼が言うには...

こういう、ある意味何も起きない、ほとんど起伏のない映画というのは初めて観たけど、すごく感動した。

お父さんは好きかもと思って。アマプラ(Amazonプライム)で配信してるから観てみて。

というわけで観てみました。

ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の日独合作映画。

都内の公園にある公衆トイレの掃除人をしている主人公の、一見単調に繰り返される毎日を描いた作品。

そこに浮かび上がってくる人生の切なさと悲しさ、尊さと美しさ。

隣合わせの、孤独と自由。

こういう映画を観て「良かった」と絶賛する感性は、やっぱり私の息子なんだなと改めて思いました。
PERFECT DAYS 公式サイト

PERFECT DAYS 公式サイト

映画PERFECT DAYS公式サイト。2023年12月22日(金)日本上映開始。ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースと日本を代表する俳優 役所広司の美しきセッション。

PERFECT DAYS

あと私が思ったのは、今にも崩れそうな古い木造アパートに暮らす彼が寝しなに読んでいる本が、何気なくウィリアム・フォークナーだったり。

掃除道具を積んで仕事場に向かう軽自動車の中で「カセットテープで」かける音楽が、オーティス・レディング、パティ・スミス、ニーナ・シモン、ルー・リードだったりで...

かなりの教養人で、趣味も良い人物なのだということがわかり。

そういう人がトイレ掃除の仕事をしているというのが、逆にリアルでもあるように、私は思いました。

私だって、家族がいなかったり、別れたりしていたら独居のままシルバー年代に入っていたでしょうし…

仕事をするとしたら、あの種類の仕事をしていた可能性も大きいと思います。

実際に、これから就職するとしたら、通る求人の案件は、清掃、箱詰め、警備、運転…ぐらいだというのを、思い知らされてますから。

(資格があれば、介護職もあるのですけれど)

世の中には、お金になる知識と、お金にはならない知識というのがやっぱりあって。

私自身はいっぱい学んで来たつもりでも、今から収入のタネにできるものはほとんどない。

もっとも、これからはいろんな仕事の分野で自動化、機械化、AI化が進んで来て、人ができる職種はどんどん減るのでしょうけれど。

そういうわけで、この歳で一人暮らしをしていたら主人公の「平山さん」と同じような日常を送っていたでしょうし…

運命がどうにかなっていたら、ホームレスになっていたかも。

いや、今からホームレスになる可能性も普通にあると思っています。

映画には、ホームレスのおじいさんも出てきます。素人とは思えない見事な舞踏を踊っています。

そういう人々の生活もまた、尊い価値のある日々...「パーフェクトデイズ」であるのですけれど。

合わない人は、間違いなく始まって10分で寝てしまうこの映画。教えてくれた息子に感謝したいです。



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コメント一覧

angeloprotettoretoru
@nerotch9055 nerotchさま。
起伏がほとんどない、徹底して平凡な日常を描いた作品だから、評価は別れると思うんですよ。いわゆる娯楽作品とは全く違うものですけれど、私はすごくいいと思いました☺️
nerotch9055
こんばんは、バロリスタさん!
この作品、評価が高いですよね!
私も気になってます!
機会があったら、視てみたい!
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